ホンダ S660

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ホンダ

S660

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一ヶ月経って見えてきたあれこれ - S660

マイカー

一ヶ月経って見えてきたあれこれ

おすすめ度: 4

満足している点
車に満足する、ということはどういうことだろうか。たとえば軽トラを買って「荷物がたくさん乗って満足!」というのはわかる。しかし「2人しか乗れない!ここは不満点だ」などと言ったら大馬鹿者だ。そんなことは買う前に誰でもわかる。
つまり、買う前から期待していたものを十分満たしていれば満足、満たさなければ不満といえる。
それはここまでで「思っていたより~」とか「意外なほどに~」という書き方で述べてきているので、ここで繰り返すことはしない。

ここまでの項目でまだ出てきてないポイントとしては、やはりスタイリングである。
見た目の好みは人それぞれだが、もちろん格好いいと思ったからこそ買ったわけで、そこは大満足だ。
また、買ってから気付いたポイントだが、エンジンルームやボンネット内、給油口などまできちんと塗装がなされていることは非常に好印象だ。
最近の軽、コンパクトカーはこのあたりが非常に軽視されがちである(コストダウンの結果だと思うので一概に悪いとは言えないが)中、やはり趣味性の高い車ではこういうところをきちんとしてあるのは重要だと思う。


不満な点
満足している点の項目でも述べたが、商品の実物が期待していたレベル満たさなければ不満であるという定義に基づくと、残念ながらいくつかは不満な点も出てくる。

まずは走行に関係ある部分だが、α専用装備のクルーズコントロールの動作感がなんとも微妙である。SETボタンを押した時の速度を維持してくれるという装備なのだが、これの動作中のギクシャク感がどうにも大きい。速度を維持しているのではなくて、設定速度から外れそうになったら加速なり減速なりする、という動きをするためだ。
また、現在の設定速度がわからないことも地味にストレスになる。

それから、これは買う前に気付いておけよというポイントなのだが、サンバイザーが超小さい上に駐車券などを挟むベルトがついていない。できればサングラスを車においておきたい。駐車券は別の場所に入れればいいのだが、無意識的にサンバイザーの裏に挟むクセが付いてる人は多いはずだ……多くない?

ほか、いろいろな物の調整幅が微妙、というのも体格によっては困りそうだ。
具体的には、ハンドルにテレスコピック機能がない、ルームミラーの向く角度の自由度が足りない、サイドミラーの調整軸がちょっと傾いている、といったところか。
特にルームミラーは目線の高い人だと本当に厳しいのではないだろうかと思う。これで困ってる人は、ルームミラーの左端に左サイドウィンドウの後端が見えるくらいまで傾けてみて欲しい。その角度なら角度に若干余裕がある上に、左後ろもちょっとだけ見えるというベストポジションになるかもしれない。

最後にこれだけは言っておきたい。
この車の洗車は異常なほど面倒臭い。適当に洗うと、水や泡が残ってしまう場所が何箇所もある。
車屋やガソスタに洗車を丸投げ、というのは絶対にやめておいたほうがいい。
一番いいのは、S660オーナーで、車関係の会社に勤めている知り合いを作ることだと思う……。


総評
S660は、いくつかの問題点はあるものの、全体として非常に高いレベルでスポーツカーとしてまとまっていると考える。軽自動車であり維持費が安いことや、性能を使いきれる感もこの車の魅力である。
これで218万という価格はかなり安いと思う。思うが、そうは言っても軽自動車でこれは世間一般から見ると異常な価格であり、いくら維持費が安いといっても限度がある。
自分もこれが普通車だったら絶対に買っていなかったと思うので、軽にした意味が無いとは言わないが、若者にも楽しんでほしいと言うには流石に厳しい価格設定であると言わざるをえない。

S660は車としては一点突破型だ。
世間の中でも少数のスポーツカー好き、その中でもさらに少数の「Fun to Drive」な層だけに、しかしクリティカルに突き刺さるような、そんな車である。デザインに釣られた人は除くが。

こんなぶっ飛んだ車、おいそれと他人におすすめすることはできない。でも、クルマを意のままに操るだとか、自分の手足の延長のような感覚とか、そんな感じが好きな人にとっては、S660やロードスターが居並ぶ今は数年、十数年に一度の機会ではないだろうか。
若い人でも頑張れば買えるギリギリの値段設定でもあると思うし、こういう時に買わなければ次はないかもしれないので、気になる人はぜひこの機会を逃さないで欲しい。
走行性能
無評価
下のトルクは思ってたよりもだいぶ太く、明らかな操作ミスをしないかぎりエンストはないだろう。
パワーは日常領域では必要十分であり、巷で言われるパワー不足というのはあくまで限界領域の話である。1速で7000回転まで引っ張るとか、そういうレベルの乗り方をするのであれば不足感はあるだろうが、普通に乗るぶんにはパワー面で特筆するべきものはない。

減速性能は非常に高く、だいたい7割位の踏み具合で普通の車のフルブレーキング並の減速力が出る。ちょっと過激すぎてまだブレーキ全踏みは試していない(試したくもない)。
ブレーキのコントロール性もまあまあで、おおよそ思った通りのブレーキが可能である。しかし時速15キロ前後を下回るとブレーキのかかりが勝手に強くなる傾向があり、停車時の衝撃を完全に殺すには多少慣れがいるだろう。

旋回能力については、ロール量が少なく、タイヤの路面追従性も高いため、交差点などもスイスイと曲がっていく。ハンドルの回転量に対するタイヤ切れ角は大きい方で、あまり大きく切らなくてもガツッっと曲がる。操作に対する初期応答性は高く、大きく一気にハンドルを切ってもしっかり追従してくる。直進安定性は高い(と、思うが、前のワークスが最低すぎたのでこれが普通なのかもしれない)。

ひとつ問題なのは、アクセルペダルを踏むか踏まないか…というギリギリの領域、ペダルの踏み量が1ミリとかのレベルで、若干ギクシャクとした挙動がおこることだ。踏み具合に対してスロットル開度がリニアでない領域がほんのすこしだけ存在する。そのギアで走れる下限ギリギリの速度で走っていて、わずかに上り勾配なので少し踏み足す、なんて状況だとわかりやすく出てくる。

とはいえ、操作性や扱いやすさは総じて高いレベルでまとまっている。ハンドルやペダルの位置、シフトフィールなどもよく出来ていると思う。個人的に一番気に入っているのはアクセルペダルの位置で、大抵の車がタイヤに押しのけられている中、S660は非常に自然な位置にペダルが配置されている。ここはやはり2シーターというのが大きいかと思う。


乗り心地
無評価
乗り心地はどちらかといえばハードで、地面の凹凸は忠実に拾うし、ドライバーにも振動が伝わってくる。ただ、その振動の入力はステップ的ではなく、かなり減衰がきいていて収束も素早い。大きめの振動でも揺り返しはほとんど感じられない。4輪独立懸架なので前も後ろも良い感じで動いているのがよく分かる。

オープンカーということで静粛性については多少不安であったが、想像していたよりはだいぶマシ、というのが正直な感想。なおオープン時の静粛性についてはここでは触れない(論ずる意味もないだろう)。
まず幌だが、クローズで走行中は特に問題ない。高速道路などでは多少バタつくこともあろうが、常識的な速度であれば特に問題はない。
一方停車時では、周囲の音をかなりよく通してくるため、例えば隣の車のアイスト始動音だとかは思い切り入ってくる。自分はもとから窓を多少開ける派なのでそこまで気になってはいないが、気にする人は困るかもしれない。

ちなみに雨の日だが、普通の車は鉄板に雨が当たる音がするが、幌だと傘をさしている時の音がする。音はまあまあ大きいが、音質的には低音になって耳障り感はむしろ減ったかもしれない。

一方で、ロードノイズは意外なほどに小さい。ネオバを履いているしもっとうるさいかと思ったのだが、これなら先日試乗したS社のWのほうがずっとうるさかった。車内が狭くがっちりしているので共鳴が少ないのかもしれない。とりあえず意外と静かである。

エンジン音と振動は、アイドル~低回転域では大したことはない……というか、Nシリーズのエンジンなので普通の軽と同じと言っていい。前から来るか後ろから来るかの差でしかない。ネットでは軽トラの音なんて言われているが、否定はできない。
ただし、リアウィンドウを全開にすると思い切り音が入ってくる。
3500回転を越えると一気にグオォと唸りはじめ、振動も格段に大きくなる。個人的には結構いい音鳴らすなぁと思うが、いかんせん感性によるところが大きいので実車で聞いてみてとしか言えない。
ちなみに不思議なことだが、純正のブローオフ音は車内だとめっちゃ聞こえるのに外からはほぼ聞こえない。

マフラーの排気音はあんまり興味がないので、ここで語るほど気にしていない。音を大きくする予定もない。


積載性
無評価
思ってたよりはいい。

思 っ て た よ り は い い (大事なことなので二回言いました)

何が想定外なのかというと、シート背もたれ裏のスペースをうまく活用すると想像以上に物が入るということである。
今のところ、三角表示板とブースターケーブルとサンシェードを運転席の裏に入れているが、もうちょいなんか入りそうな感はある。冬になったら雪かきの棒も入れるかもしれない。
もちろん運転手の体格によっては全く何も入らない可能性はあるのでそこは注意を要する。
ちなみに私の身長は170cmぐらいで股下が75cmぐらい。短足ではないと思うのだがそれでも座席は一番後ろから2つ前の位置である。
助手席についても同じことが言えるが、助手席の足元は運転席よりだいぶ狭く、奥行きが特に短い。なので私が助手席に座ると座席は一番後ろでもちょっとだけ足りないから注意である。
しかしその場合は助手の膝下スペースが結構開くので、そこに荷物を置くといいと思う。

言うまでもないが、一人で乗ってる時は助手席が荷物置き場として使えるのでそこまで問題はない。

あとボンネットの幌入れだが、大雨の時とか洗車した後は多少水が入るから濡れたらまずいものは入れないほうがベター。あと結構熱くなるのでそれも注意。コンビニのおにぎりを入れておくといい塩梅になると思う。


燃費
無評価
カタログ21.5km/Lに対して、普通に街乗り(地方都市のちょっと郊外寄り)で20前後は余裕で行ける。勝手な想像だがJC08モードはスポーツカーに不利な条件で測ってない?と思っている。
高速巡航はまだ未知数なところがあるが、6速の存在は確実に効いてくるだろうし、αならクルコンも搭載しているから巡航燃費は相当出るのじゃないだろうか。ゴールデンウィークに実家に帰るときに計測する予定。

→計測した。100km/h巡航で多少の高低差のある高速道路では27km/L程度という結果になった。
S660は適切なギアを選択して走っている限り、平地で瞬間燃費が30km/Lを割ることはまずなく、大抵の場合瞬間燃費メーターは40km/Lの上限を振り切っている。
80~100km/hくらいの領域から空気抵抗が効いてくるのか、燃費計も25~35km/L程度まで下がった。
上り坂(と停車)がどれくらいあるかが燃費に直結しているので、速度域は関係なかった。

前述したが、3500回転前後からちょっとエンジンの性格が変わる傾向がある。
普通の運転では3500回転以上を使う必要性はほぼないと言ってよく、この範囲内で乗る限りは燃費はかなり良い数値が出るはずだ。


故障経験
いまのところないが、ここダメになりそうだなというポイントはいくつかある。
まずドアストライカー付近。ドアを開けた状態でシートベルトを勢い良く外すと、大抵ここに思い切りヒットする。もっと勢いがいいと外装までいくかもしれない。

次にドアのスピーカー付近。乗り降りの時に結構蹴ってしまうので、傷はいずれつくだろう。

あとシートのドア側座面サポート。これはセミバケなら仕方ないか。

それから腹下のエアインテーク前にあるトンネルブレースは樹脂製だったので、この周辺は雪降ったらなんとかしとかないと絶対ヤバイやつだと思う。


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