メーターフードの合皮を別の生地で巻き替えてみました。
<巻き替えの動機>
純正のメーターフードは革調の黒の合皮が巻かれていますが、少し違った雰囲気にしてみたいと思い、前からずっと巻き替えを検討していました。
(↓純正のメーターフード)
どの生地にするかずっと迷っていましたが、たまたまメーターフードのパーツが手に入ったので、現状で気に入った生地での巻き替えを実行しました。(^^)
(通常、メーターフード単体での部品購入は出来ないので、その周辺のパーツ一式での購入か、DOPのアルカンターラのメーターフードを購入することになります)
<生地選び>
当初は本革での巻き替えを検討していましたが、本革の様に生地が厚いとコーナー部や巻き返し部の処理が難しそうだったので、伸びが良くて加工性も良い合皮にするべく、生地の選定を続けていました。
(生地が厚いと、巻き替えた後で装着する際に周囲のパーツとのクリアランスも影響しそうな心配もありました)
当初は純正DOPと同じ 「
アルカンターラ」 生地にしようかとも思いましたが、以前自作したシフトブーツでの経験から、ア
ルカンターラはホコリが付着し易くてその掃除も面倒だと感じていたので今回は別の生地を選んでみたかったのと、やはり純正DOPとの違いを出したかったので、今回は別の生地を探すことにしました。
(今後、
アルカンターラでの巻き替えに挑戦する可能性もありますが・・・(^^;;)
(↓
自作のシフトブーツ と
自作のシフトノブ)
超高級車などの様にメーターフードに赤やオレンジの明るい色の生地でアクセントを入れるのも華やかで良さそうでは有りましたが、色によってはフロントガラスの内側に反射して昼間の運転がし難くなる可能性が高いと思ったので、今回は明るい色は見送りました。
(でもいつかは挑戦したいと思っています。(^_-))
今回 選んだ生地は、パンチング仕様の黒の合皮です。
シンコールの椅子張りの見本帳を入手し、サンプルを取り寄せながら色々悩んだ結果これにしたのですが、この生地は難燃性が求められる自動車内装にも使える「JABIA」の基準を満たしている生地なので安心です。
(車の内装には、本来はこういった認定を受けた生地でないと使ってはダメらしいです)
この生地は車の内装はもちろん、バイクのシートなどにも使われている様です。
個人的に表面の見た目が良かったのと、パンチング状の生地が自作したシフトブーツやシフトノブとのバランスも良いと考えてこれを選びました。
裏面には弾力性を持たせる為か、パイル状?の繊維質が厚めに
貼られていて、
「生地が厚いかな?」 とも思いましたが、試しに縫製をしてみると意外と上手く生地が潰れてくれることが解ったので、こちらにしました。
<巻き替え作業>
①純正合皮の剥がし
基本的には、接着剤と溶着で貼り付けてありますが、写真の赤丸部分は丁寧に剥がさないと破れてしまうので注意が必要です。
この部分を最後に剥がせる様に、その周辺から順に剥がしていくのが良いと思います。
(↓)特に、フロント側の鋭角の角部の純正の巻き返し部分は良~~く見て観察しておいて下さい。
②型取り
縫製されたままで型取りしようかとも思いましたが、立体縫製がされていて型取りがし難かったので、縫製をバラしてラミネート用のフィルムを使って型取りしました。
左右対称なので片側だけの型取りで片面ずつ輪郭を写しました。
黒い合皮への輪郭線を引くのにはレザークラフトで使用する
「銀ペン」 を使いましたが、書き易くて後から消すことも出来るので、非常に便利でした。
③縫製
先ずは、上下の生地を縫い合わせるべく重ねますが、そのままだと縫製中に生地がズレ易いので、
(我流ですが) 、見えなくなる場所にホチキスで生地を留めて固定すると縫製がし易くなります。(勿論 縫製後にホチキスを外します)
ステッチにも拘ってみました。
純正は黒の細めのステッチでしたが、太くて綺麗な
「赤」 の糸を使用しました。
(ビニモ #1 №14赤)
シルバーにするか、他の色にしようかとも迷いましたが、試し縫いしたこの
「赤」 が非常に綺麗だったのでこれを選びました。
このステッチ入れ作業は、3mmかそれ以上の厚みでの縫製となるし、#1の糸でステッチを入れるのは 一般的な家庭用のミシンでは厳しいのですが、シフトブーツを自作した際に購入した 厚物用に改造した
アンティークミシンが大活躍してくれました。
④巻き替え
純正の合皮を型取りしてあるので、巻き替え自体は比較的楽でした。
ただ、やはりフロント側の鋭角部は巻き替えが難しいので、純正の合皮を剥がす際に、良~~く観察しておいた方が良いと思います。
接着剤は、大きな面は「Scoth77スプレー」を、周囲や巻き込み部は「コニシGクリアー」を使いました。
今回の合皮は裏面に
パイル状?の物が貼り付けられていて、貼った後にそのパイルが伸びるので少し苦労しましたが、また時間があったら周囲は裏面のパイル状のものを削ってから作業しようかと思います。その方が綺麗にしっかりと貼れる気がします。
⑤メーターフードの脱着
この脱着は意外と簡単で、TV/ナビキットなどの装着の際にはメーターフードを軽く外したりしていましたが、その延長でフードを完全に外して、ネジを外してバラスだけでした。
(概略の説明です)
1)メーターフードの上部を両手で掴んで手前(後席側)に引くと、メーターパネルが少し外れます
2)メーターパネルの下部を強めに引っぱると下側も外れます
3)メーターの下側の合皮がステアリングカバーの上部に刺さっていますので、それも手で上に引っぱると、メーターフード一式が完全に外れます。
4)メーターフードの裏側にネジが7本有りますので、それを外すとメーターフードが3つのパーツに分かれます。
5)バラしたフードと巻き替えたフードを入れ替えて、外した逆の手順で装着します。
<完成写真>
純正が悪いわけでは有りませんが やはり純正は地味目なので、生地を替えて 目立つステッチを入れたことによって質感もかなり変わったと思います。
実際に装着したのが以下の写真です。
正直、運転中はそれほど目に入る場所ではありませんが、チラっと見える赤いステッチとパンチング生地は、やはり「いいんじゃない!」と思いました! まあ完全な自己満足ですね。(^_^;)
また他に良い生地が見つかったら気ままに巻き替えを行いたいと思います!