2005年の桜とともに
投稿日 : 2011年12月04日
1
お住まいの方々の生活の平穏を脅かさぬよう、詳しい場所はご紹介できませんが、私が最も好きな桜スポットのうちの一つ、杉並区にある某都営住宅です。
2
旧満州国民だった母方の一家は、敗戦と満州国崩壊に因り、命辛々逃げ延びてきました。母も叔父(母の兄)も、一歩間違えれば「残留孤児」になっていた状況下、よく一家無事に帰国できたものだと思います。
3
帰国後何箇所か転々とした後、祖父母とも亡くなるまで住処としたのが、この桜の木の隣にたつ都営住宅です。
集合住宅の奔りの建物のらしく、高度成長期に大量に供給された5階建ての公団住宅とは異なり、4階建て。良い型枠材が確保できなかったためか、型枠暴れと思われる梁の中間部の膨れが随所に見られますが、コンクリートそのものはとても肌理が細かく、良い骨材を用いて練られたもののようです。
4
祖父母はここで子育てをし、その後独立した子(母・伯父)から生まれた孫(私やいとこ)が集う場所になり、そして天寿を全うしました。
私のルーツを見守り続けた桜の木々は、祖父母が身罷り、この地を訪れることが無くなった後も毎年盛大な桜吹雪を演出してくれているようです。
5
23」区内の一等地に、4階建ての集合住宅では非効率なのは目に見えています。建物も相当に老朽化していますし、都有資産の有効活用の意味からも、いずれそう遠くない時期に再開発されるものと思われます。
6
その時、この桜の木がどうなってしまうのか。桜の花が散る時期になると気になって心が少し痛みます。
タグ
関連コンテンツ( コンクリート の関連コンテンツ )
関連リンク
注目のオークション
[PR]Yahoo!オークション
おすすめアイテム
[PR]Yahoo!ショッピング