つ、ついに、念願の911に試乗できました!
私の試乗歴で最高価格のクルマです♪
装備の勉強に時間がかかってしまい、なかなかupできませんでした(・_・)>
それにしてもいつにも増して長文になってしまいました。
お付き合いいただける方はどうぞ楽しんでいってください。
試乗車 ポルシェ911カレラS 7速PDK 左ハンドル 車両価格 1491万円(税込)
試乗車装着オプション
スポーツクロノパッケージ 35.8万円
スポーツエグゾーストシステム 46万円
スポーツデザインステアリングホイール 7.4万円
チルト/スライド式電動サンルーフ 29.9万円
試乗車価格 1610.1万円
●外観スタイル
「やっぱりポルシェは911じゃなきゃ!」って思わせられるほど、いいですね。ボクスターやケイマンもだいぶ上質感が増してきましたが、やはり911と比べてみてしまうと、こちらのほうがクラスが上という感じがします。空気抵抗係数Cd=0.29と結構いいですね。
全長4500mm×全幅1810mm×全高1295mm、ホイールベース2450mm
車重1450kg、前軸重550kg、後軸重900kg(車検証記載値)
●エンジン
3.8リッター水平対向6気筒直噴エンジンです。
スペックは294kW(400ps)/7400rpm、440Nm/5600rpm、0-100km/h加速4.3秒、
最高速は302km/hです。
軽快感を出しているケイマンに対し、足回りにどっしりと安定感があるためか、体感的なパワー感はスペックから想像していたほどではなかったです。とはいってもヤッパリ速いです!あっという間に100km/hは出てしまいます。回転のレスポンスもすばやいです。排気音だけはちょっと大きすぎて好きになれませんでした。昔の空冷エンジンはメカニカルな音で味がありましたが、水冷になり静かになってしまったので、排気音をチューニングして味を出そうとしているのでしょうが、個人的にはちょっとやりすぎかなと思います。
エンジンの機構はボクスター・ケイマンとまったく同じです。
オイルの循環方式はドライサンプ式で、エンジンの搭載位置を低く抑えています。
燃費低減技術も同様です。
・アイドリングストップ
・コースティング (7速PDK仕様のみ)
・エネルギー回生システム
・サーマル・マネジメントシステム
オプションのスポーツクロノパッケージを選ぶと、「ダイナミックエンジンマウント」が装着され、アイドリング時はマウントをやわらかくして振動を抑え、高速走行時・コーナリング時は固めて運動性向上に寄与します。
カレラS専用の機構としては、マニュアル車ではPTV(ポルシェ・トルク・ベクトリング)、PDK仕様ではPTV Plisがあります。簡単にいうとコーナーで左右駆動輪へ駆動力を可変配分することによって、コーナーをより俊敏に回れるようにするものですが、正直試乗時には体感できませんでした。
●ミッション
7速PDKです。
ケイマンと同じで、変速レスポンスはすばらしく早いです。ケイマンと同様スポーツクロノパッケージを装着すると「スポーツプラス」モードが追加され、変速レスポンスがさらに早くなります。体感的には911のほうが変速レスポンスの変化がわかりやすかったです。
●ハンドリング
電動パワーステアリングです。最小回転半径は5.2m。
ケイマンの素直な動きに比べると、ちょっとクセがあります。RRのためか、やはりフロントの接地感はケイマンのほうがあります。かといって抜けてしまっているというほどないわけではありません。そして切り込んでいったときに、リアがケイマンのように素直についてくるという感じではなく、がっしりとと路面にへばりついていて、リアタイヤを軸に前だけ向きを変えているような、味わったことのない不思議な感覚がありました。
●足回り
フロントがストラット、リアがマルチリンクです。
タイヤはピレリP-ZERO、サイズはフロントが245/35ZR20 91Y、リアが295/30ZR20 101Yです。
カレラSではPASMが標準でついています。スポーツに切り替えるとケイマンよりも固く、荒れた路面でけっこうな突き上げがありました。ただし直進安定性はバツグンで、ブレーキを強く踏むような場面でも姿勢がびくともしないのには驚かされました。
カレラS専用オプションでPASMスポーツシャーシー(14.5万円)が選べます。
フロントリップスポイラー変更、リアスポイラー上昇高さup、車高20mmダウンと、主に空力関係の変更になります。
さらにカレラSだけのオプションとしてPDCC(ポルシェ・ダイナミック・シャーシー・コントロールシステム)(56.8万円)があります。アクティブスタビライザーが装着され、油圧で制御することによりコーナリングでのロールを抑制したり、荒れた路面での快適性も向上させるというものです。
●ブレーキ
4輪クロスドリルドベンチレーテッドディスクで、フロントが6ピストン、リアが4ピストンのモノブロックキャリパーです。カレラSではキャリパーが赤色になります。
ケイマンに比べると、フロントのピッチングが少し大きいですが、リアの安定感がバツグンなので、強いブレーキングでも不安に思うことはありませんでした。
パーキングブレーキは電動で、左ハンドルでしたら、ハンドルの左奥にリリースレバーがあります。私は、使い勝手上リリースレバーはセンターコンソールにあったほうがいいと思っていますが、ポルシェは、もしかしたらセンターコンソールのデザインにこだわっていて、あえてそこに置いていないのかもしれません。
●静粛性
オプションのスポーツエグゾーストシステムを装着していましたが、エンジンの項目でも触れましたが、ノーマル状態でもけっこう勇ましい排気音がします。ちょっと音が大きすぎて、長時間乗っていたら疲れそうです。個人的にはケイマンくらいがちょうどいいと思いました。
●シート
フロントシートはケイマンと造形は変わらなく見えますが、座面が911のほうが長く感じられました。
底づき感はなく、ホールド性も特に不満はありませんでした。トリムはパーシャルレザーとなっていますが、部分的革なのでしょうか。見た目には分かりませんでした。それにしてもこんな高価格車なのに、ノーマルでは前後スライドがマニュアルというのもすごいですよね。オプションで電動にもできますが、軽量化に対するこだわりが出ていますね。
●内装(インパネ)
インパネはいかにもポルシェという造形で、横に水平基調のラインがあって、上に向かって反り上がっているのでかっこよく見えます。私はケイマンよりも911の内装が好きです。
センターコンソールの造形、配置はほぼ同じです。写真はオプションのスポーツデザインステアリングホイールを装着しています。ノーマルよりもこのステアリングのほうが断然カッコイイと思います。
SDナビ、ETCは標準装備です。
5連のメーターはステアリング径の中にうまく納まっておらず、私には見にくいように感じられました。かっこはイイですが、見やすさではケイマンの3連のほうがいいです。
ステアリング越しのに見るとこんな感じです。
●ラゲッジスペース
フロントに135リッターのラゲッジスペースがあります。リアシートも大人が乗るにはきついスペースなので、荷室と考えればいいんでしょうかね。カタログには「リアシートラゲッジスペース」なるものがありますが、実車ではディーラーマンの説明もなかったので確認できませんでした。
●安全・快適装備
・アダプティブクルーズコントロール(ポルシェ・アクティブ・セーフティシステム(PAS)付)
オプション価格 41万円
昨年ボクスター試乗時にカタログをもらったときには載っていませんでしたので、新たに追加されたのでしょう。以下ケイマンのときと同じです。
ブレーキに関してはクルーズコントロールの機能として車間距離を保ったり、前車に追従して停止するといったことはしますが、プリクラッシュセーフティーのような衝突回避・軽減機能はありません。PASはあくまで警告を発し、ブレーキをプレチャージ(あらかじめブレーキ圧をかけておく)しておくだけです。
・チルト/スライド式電動サンルーフ
試乗車にはこのオプションが付いていましたが、ガラスではないので閉めているとサンルーフじゃない仕様と変わらないですし、開けてもあまり開口が大きくないので、私はあまりオススメしません。
念願の911に試乗することができ、長々といろいろなことを書いてきましたが、残念ながらあまり好きにはなれませんでした。ケイマンに初めに乗ってしまったせいもあるとは思いますが、ケイマンと比べると走りやすさ・楽しさはケイマンのほうが上だと思ってしまいました。正直短時間乗っただけなので、オーナーになってみてわかる良さというのもあるのかもしれません。逆にこのクセのある独特な乗り味が好きだという方もいらっしゃるでしょう。ブランド力ということでは断然911だと思います。でも、コーナーを気持ちよく駆け抜けたいとか純粋に走りを楽しみたいという方、911というブランドにこだわらない方であればケイマンのほうがおすすめです。
それにしてもポルシェの軽量化へのこだわりは面白いですよね。電動可倒式ミラー、シートの電動スライド、アダプティブヘッドライト(ステアリングの向きにあわせてヘッドライトの向きが変わる)といった下のクラスのクルマでもついているような装備がオプションなんですよね。そういった他のクルマに当たり前についている装備をオプションとして付けていくだけでもけっこういい金額になります。それだったら初めから装備をつけた状態で軽量化してくれればいいのにと思うのは私だけでしょうか。