ウチは、今回の祖母の葬儀で、初めて火葬を行った。
祖父の時まで、ウチは土葬だったからね。
ウチの地域は、やる人はまずいなくなったが、申請さえすれば土葬は可能なところです。
曽祖父が亡くなったのが平成4年。祖父は平成6年に亡くなった。
平成入ってからも土葬だった。
今回、祖母は火葬してしまったので、納骨しなくてはいけないが、
ずっと土葬だったために、納骨堂がウチの墓にはない。
その為、墓を一旦掘り起こして、祖父達を荼毘にふして、新たに作る納骨堂へ納めることになった。
ウチの墓には祖父、曽祖父、曾祖母。そしてもう一人、親父のおじさんに当たる人が埋葬されているらしいが、子供の頃に亡くなったらしく、今では、親父すら名前もわからないらしい。
このお墓を作ったのが昭和48年。
それ以前の先祖は、ここには眠ってはいない。祀ってあるだけだ。
小さい頃だけど、祖父には本当によく遊んでもらったし、いろんなところに連れて行ってもらった。
でも、肺がんを患って、戻ってこなくなったときも、葬儀になったときも、
まだ私は小さすぎて、何にも分っていなかったからね。
だから、今回は私も一緒に掘って供養しにきた。
二十数年ぶりにじいちゃん起こしちゃうけど、怒らないでね。
の前に、まずは私の曾祖母と、親父のおじさんの墓をまずは掘ることに。
場所的に、この二人は前のお墓から移動させてきたということで、
かなり浅いところに眠っていた。
曾祖母は昭和44年に亡くなっているので、写真でしか面識はない。
あまりにも浅すぎたためか、一緒に掘っていたおやっさんも油断して、
ひいばあちゃんバラバラになっちまったじゃん・・・
まぁ、初めて間近でナマ人骨みたが、びっくりというよりは、感心というか、
親族なのもあるだろうが、ちょっと気分が高揚した。おばぁちゃん初めまして。って感覚。
ここからが本領になる、
じいちゃんとひいじいちゃんはちゃんと6尺という深さの穴を掘って埋葬したので、
2m近く掘らなくてはいけない。
もちろん人力ではとてもじゃないが難しいので、
細心の注意を払いながら重機で掘っていく。
土葬の瞬間に立ち会ったときは、こんな深く掘ったんだっけ?
と思うくらい、かなり深くほるんだね。深さ2mって言ったらそりゃ深いか。
んで、ある程度掘ったところで、木の破片が出てきたので、
おそらく棺だろうということで、ここからは手掘りに。
親父と一緒に上に乗ってる土を慎重に取っていく。
じいちゃんを包んでいる布が見えた。
あと少しかな?もしかしたらまだ布しっかりしてるから、うまくいけば、
そのままじいちゃん出てこれるかな~とか親父と言っていたが、
予想以上に上にかぶっている土が重い。
そして棺の残骸も意外と邪魔する。
そして、目測誤って、周りの土をどかそうとスコップ振り下ろしたら。
ゴッ!
明らかに、何ともいえない、土でもなんでもない感触が伝わった。
ご、ごめんじいちゃん・・・
ドタマに思いっきりスコップでチョップしちゃった・・・
色が土色になっていたから気がつかなかったが、すでに
じいちゃんの頭蓋骨の一部は見えていたのだ。
そこに私思いっきりスコップぶつけちゃった・・・
いてぇじゃねぇか!って怒鳴られそうだ・・・
22年たったじいちゃんの体だったが、
ちゃんとお骨にはなっていたが、それにしても骨って硬いんだね~
結構思いっきりスコップぶつけちゃったから、
骨だったら粉々になるかとおもったが、はじき返されたわ。
ほとんど全身きれいに残ってて思わず、ほぉ~すげ~と思ってしまった。
そして、ひいじいちゃんも同じように掘っていたが、
やっぱり、地中で棺や亡骸っていくらか動くんだね。
木碑がちょうどひいじいちゃんの頭に乗っかるようになってしまっていた。
重いんじゃコラ!ってひいじいちゃんに怒鳴られちゃう・・・
ひいじいちゃんとはあまりお話することはなかったが、本当に口は達者で、
すげぇやり手のじい様だったのは知っている。
94歳で、老衰で亡くなったが、
いざ掘ってみたら、本当に94歳かよというくらいに、
骨めっちゃ太かったし、ハッキリ全身残ってたし硬かった。
きれいに残っていた金歯は、形見にとっておけといわれたので、
ウチの仏壇に祭ることにするか。
んで、掘った遺骨は、その場で木碑を焼く火で荼毘にふすということで、
墓地の一角を使って、荼毘に。
遠目から。じいちゃんちょっと熱いけどごめんね。
いや~それにしても、本当に不思議ね。
20年以上も地中にいたら、完全に骨になっちゃうだろうから、わざわざ焼くの?って最初は思っていたけど、
ひいばあちゃんの50年近くたった骨でさえ、
組織というものは残っているんだね。
だから、ちゃんと焼かないと、動物に荒らされたり、
ここからさらに腐食するって言われるんだな・・・
んなもんだから20年ちょっとのじいちゃんとひいじいちゃんは、
なかなか焼けない!
ちょっと奇怪な話になるけど、
脂が残っているからか、
なんというか・・・
遺骨を焼くと・・・
ものすっごく不安になるにおいがするのね。
乾いたような、とにかく説明が出来ないようなにおい。
たぶん、焼かれるにおいだから、身体が危険であると判断するんだろうね。
本能的に受け付けないにおいっていうの?
気持ち悪くなるというか、嗅いだら勝手に身体が逃げるようなそんな感覚になる。
完全に焼けると、火葬したように真っ白になるので、それを骨壷へ・・・
と思ったが、親戚の頼んだ骨壷が、業者の手違いで本日届かないという非常事態。
みーんな焼いちゃったじゃん!どーすんねんこれ!
ということで、ご先祖の皆さんすみません・・・一旦ダンボールに納めさせていただきます・・・
お墓においておくわけにも行かなくなっちゃったので、
一旦ウチの仏間に移動。
まさかこんな形で、ばあちゃんとじいちゃん。そしてその親たちが一旦顔を合わせることになるとは・・・
亡くなる直前までじいちゃんにこれで会える・・・みたいなことを言っていたから、
ばあちゃんがみんなを呼び寄せたのかな?
寂しかったね。ばあちゃん。じいちゃんが亡くなって22年だもんね。
朝早くから丸一日。そして今日はメチャクチャ暑かった!
そんな中スコップ振り回して、思いっきり火を燃やして。
死ぬかと思ったわ!
いや、こんなんで孫の私が死んじまったら、
あっちでじいちゃんにもばあちゃんにもこっぴどく怒られっちまうわ!
ってことで、今日の夜はスタミナ付けようと、
ウチの従業員が、出荷以外に作っているニンニクを拝借した。
実はこれね。
メチャクチャでかいのよ。
さて、何つくろうかな。激辛台湾ラーメンチャーシュー入りってのもいいな。