今年も8月12日がやって来ました。
改めて、事故で失われた多くの御霊に哀悼の意を表します。
事故から31年目です。
毎々の繰言になりますが、事故の時、航空業界で働いていた世代の多くが定年を迎え、事故の時、幼かったり、まだ生まれていなかった世代が、現場の主力となりつつあります。
今日、羽田でANAが、手荷物搬送用のベルトコンベアの故障から預かった手荷物を該当機に搭載しないまま、目的地の空港へ出発すると言う前代未聞の事故がありました。
機器の故障は、ないに越したことはありませんが、問題はDelayの影響を少なくし定時運航を優先させて、搭乗客には、到着空港まで、手荷物を積んでいないことを隠したことです。
ANAの言い分としては、航空券を購入し搭乗手続きを行った際、国内旅客運送約款に同意しているのだから、その「第28条 受託手荷物の搭載」で、「搭載量の関係その他やむを得ない事由があるときは、当該手荷物の搭載可能な航空機または他の輸送機関によって運送することがあります。」に同意しているのだから文句を言うな!会社に責任はない!何が問題なのか?
と言うことのようです。
出発空港を定時に出発でき、出発空港で混乱が避けれれば、それが安全上一番の対処…と言うことのようですが、本当にそうでしょうか?
到着空港で荷物を受け取れなかった乗客が困ったり、大勢の方が対応に迷い混乱しても、そこは、もう着いた先、到着ロビーが少々荒れても、折り返し機材に影響もなければ、定時運行の支障にもならないと考えたのでしょうが、そこでの安全には配慮しなくても良いのでしょうか?
また、手荷物には、ペットも多くいた様です。
昨夏、離島便で犬を炎天下の滑走路に放置し殺した実績のある航空会社としては、1頭殺そうが2頭殺そうが関係ないのでしょうが、荷物の安全は配慮しなくても良いのでしょうか?
運行効率、コストを優先し、乗客や荷物の安全を平気で軽視できる体質が、いつの間にか当たり前になっているとしたら、問題ではないかと感じました。
※この事故に関する過去のブログは、以下の通りです。
「20年前…」
「1年前の今日も…」
「22年目の夏」
「23年目の夏…」
「24年目の夏…」
「25年目の夏…」
「26年目の夏…」
「27年目の夏…」
「28年目の夏…」
「29年目の夏…」
「30年目の夏…」
※写真は、今年8月7日に、千歳基地で撮影した政府専用機(B747-400)です。
間もなく引退し、日本の空から日本の航空会社、機関が運航するB747は、姿を消します。
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Posted at 2016/08/13 02:34:24 | |
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