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引っ越し準備の荷物の片づけ中に発見しました。

わたしが子供のころによく読んで(もらって)いた絵本で、保育園の図書室にも置いてあり、周りでも人気があったように思いますし、後年になっても本屋さんで売っていました。手元の本は昭和28年初版発行、昭和51年２７版とあります。

それなのに、いつのころからか、｢人種差別的｣という指摘がされるようになって人気があったにもかかわらず、出版元が絶版にしてしまい、今では新本は手に入らなくなっています。

わたしが読む限り、差別的な雰囲気は感じませんが、こういう問題は受け手がどう感じるかということが大切なのでそんな指摘が出てきたのでしょう。

トラが木の周りをぐるぐる回っているうちに溶けてバターになってしまった･･･なんてくだりは子供心にも鮮明に覚えていますし、名作といわれた絵本がこんな事情で手に入らなくなってしまったのは非常に残念です。

大掃除をしていたら、なつかしい絵本が出てきました。

｢やこうれっしゃ｣
福音館書店のこどものともです。

現在も本屋さんで見かけますが、ハードカバーの立派な装丁で、価格は840円と結構なお値段。

私の手元にあるのは1980年発行の｢こどものとも288号｣で200円とあります。

内容は夜行列車の出発から到着までの車内の人間模様を淡々と描写しています。

個室化が進んだ現在では、大阪発の急行｢きたぐに｣が辛うじて面影を伝える、グリーン車や向かい合わせの座席車、開放式のA寝台や3段式のB寝台といったかつての夜行全盛時代の車内を今に伝える貴重な資料ともなります。

駅名は故意なのか、たまたまなのか意図は不明ですが、全く出てきません。

が、上野と金沢を結ぶ急行｢能登｣が舞台と思われます。
というのは、終点駅の風景が、高架化される前の金沢駅の風景そのもので、｢しらさぎ｣に乗って名古屋から金沢に着くと、祖母と叔母が迎えに来てくれた、わたしの子供のころの記憶をよみがえらせてくれるのです。

まぁ、金沢駅に着いた列車を牽引しているのは交流電化されている金沢ではありえない、直流電気機関車のEF58だったりするのはご愛嬌といったところでしょうか(苦笑)

本屋さんでぜひ手にとって見てくださいね♪