合間を見て、ようやくルーテシアの話をば…
先週土曜日に我が家に来たルーテシアⅣですが、実は…
乗り換えました。
というのも、一昨年位からフォーカスのエンジンがかかりにくくて、
最近は特に酷いのでDラーで見て貰ったら、修理にかなり費用が掛かるってんで急遽買い替えの話になりまして、ルーテシアとフィエスタとで迷って、納期が短いという事でルーテシアになりました…
すいません、嘘です(汗)
本当は、
これです。
そう、オリックスレンタカーでキャンペーンをやってたので、折角だからと借りたのでした。
(フォーカスのエンジンが掛かりにくいのは本当で、今週末車検ついでに原因調査して頂く予定です。この間見て貰ったら、どうも点火系が怪しいとか?)
最初は紀伊半島の辺りをウロウロする予定でしたが、どうせならと
hironyaNさんにお声掛けして日曜日に新舞子サンデーまで乗っていきました。
普段試乗となると5kmがせいぜいですけれど、今回は割と長い距離を走れたので、その感想でも。
先ず、全体的な感想を…、結構いいです。
慣れ親しんだフォーカスⅠから乗り換えると、「おっ?」と感じる部分はあれど、トータルバランスはかなりいいのではないかと。
フォーカスⅠと比べたいところですが、折角なので新型フィエスタと比べたいと思います。
要素毎に見ていきましょう。
<運転環境>
苦せずしてポジションを合わせられたので、ちゃんと確認していなかったのですが…
ステアリング・シートの調整幅は結構広いと思われます。
特に、ステアリングのテレスコピック(=前後方向)調整機構の幅の広さが記憶に残っています(メジャーで数値を測れば良かった)。
フィエスタも、欧州フォードのご多分に漏れず調整幅は広かったです。ここは伝統をしっかり引き継いでいるという感じでしょうか。
<乗り心地>
195/45R16サイズのフィエスタ比で、乗り心地は良いです。
ルーテシアのタイヤサイズが195/55R16である事を考えると、扁平率の差がそのまま乗り心地の差に繋がってるようです。
フィエスタは15インチの方が、タイヤの厚みが増える分乗り心地も良くなると思われます(タイヤの性格にもよりますけれど)。
ただ、場合によってはルーテシアも硬さを感じる部分があります。
でもそれは、コンチエココンタクト5というタイヤのせいもあるかもしれません。
エコタイヤではありますが、やはりそこはコンチネンタルなのでしょう(フィーリングはいいのですが、ゴツゴツめです)。
ついでに、ロードノイズもそれなりに煩かったです(フィエスタは静かでした)。
<ハンドリング>
電動パワステのアシストは低速では軽く、高速ではそれなりに重くしてます。
同じく電動パワステのフィエスタよりも軽いのですが、特に不安は感じませんでした。
欧州フォード車のステアリングを切っていった時の独特のしっかり感が無くて(当然ですがw)、
暫くの間馴染めなかったのですけれど、パワステモーターは淡々と仕事をこなすようで、そういう意味ではよく出来てると思います。
因みにフィエスタは、電動ではあるものの油圧時代に近いズッシリ感を備えていました。
但し、速度域によっては、ステアリングを切った時にアシスト量が変わる境目があるのを気取れる事があります。
人によっては、違和感を感じるかも?
<パワートレイン>
直4 1.2ℓ直噴ターボにゲトラグ製6段DCTの組み合わせです。
ギア比を見たところ、フィエスタとほぼほぼ同じだったので恐らくモノは同じなのでしょう
(因みに、ファイナルは変えてきていて、フィエスタは加速寄り、ルーテシアは最高速寄り、というところでしょうか。それぞれの搭載エンジンを鑑みると納得です)。
実際走らせてみると、市街地走行でも高速走行でも、実用上特に力不足を感じる事はありませんでした。
フィエスタではなくフォーカスⅠとの比較になりますが、2ℓ NAのフォーカスⅠと同じ感覚で加速しても十分な力が出ています。
因みに、計521.4km程走っての燃費(満タン法)は大体14.2km/ℓ。
走行ペース、高速道路での向かい風の強さを考えるとこんなもんかと。
もっと大人しく走れば、16~17km/ℓは確実に出ると思われます。
静粛性はかなり高いです。
ボンネット内に遮音材が仕込まれていないのを考えると、結構凄いはず。
フィエスタはというと、回すと3気筒独特の軽めの音は多少するものの、不快さや安っぽさなどネガティブな部分は感じませんでした。
自分の知る限り、同じ3気筒でもヴィッツやパッソが積むエンジンとは比較になりません。
この辺りは、恐らく設計年次や材料が大きく関係していそうです。
ミッションについては、ルーテシアは少し違和感がありました。
というのも、発進時にブレーキを離すと、2テンポ程遅れてクリープがやってくるのです。
観察してみると、ブレーキを離すと、そこからクラッチミートし(少しエンジンの回転が上がります)、
しかる後にエンジントルクが駆動系に伝わってタイヤが転がり始める、という風に若干タイムラグが出ています。
また、一般的なトルコンATやCVTの感覚で発進しようとすれば、クラッチがゴンッと唐突に繋がってギクシャクします。
モノはフィエスタと同じでも、ルノー内部での合わせ込み(調整)の際に、3ペダルMTのイメージでセッティングが為されたのかもしれません。
多少アクセルを煽り気味にして(つまり3ペダル車のように)発進すると、スムーズに発進できます。
一旦発進してしまえば、後は多くのDCT車同様に素早く変速されます。
そうそう、1速10km/hというような低速走行時にアクセルを抜くと、
3ペダル車慣れしていない人(自分w)が3ペダル車に乗った時のようにギクシャクします。
この速度域だと、手動で2速に入れようとしても機械の方からキャンセルされてしまいます。
クラッチの制御に課題があり、まだ改良の余地があるのかな?と想像しました(他のDCT車がどうだったか、ちゃんとチェックできてないのでアレですが)。
前述の通り同じトランスミッションを採用していると思われるフィエスタは、発進時には違和感が無かったものの、(自動)シフトアップ時にほんのわずかながらタメが感じられました。
ただ、シングルクラッチ式の2ペダルMTに見られる失速感程ではなかったです。
<ブレーキ>
本来左ハンドルで設計されているルーテシアですが、右ハンドル化に当たって瑕疵が出がちなブレーキは特に問題を感じませんでした。
以前試乗したメガーヌⅢで感じた、左足ブレーキした時のブレーキペダルの右への微妙なオフセットも今回は問題無く。
フィエスタも、今迄の欧州フォード車同様にやはり問題無しです。
<シート>
座ってみると感触が柔らかめで、一見頼りなさそうに感じました。
しかし、長時間座っても、意外に疲れを残しません。若干サポートは足りないものの、余程攻めなければ許容範囲でしょうか?
現代のクルマのシートとしてはいい方だと思いますが、比較してしまうと酷ではあるものの、ルーテシアⅠのソファのように体を包むシートと比べると、やはりコストダウンされてるように感じます。
フィエスタは、ルーテシアよりはホールドしてくれて、シートのアンコも硬めです。
これも先代フィエスタに比べるとコストダウンを感じるものの、まだ許容範囲かと。
<後席の居住性>
ルーテシアに関しては、運転席を自分(身長179cm)仕様のポジションにした状態では最低限のスペースでした。
フィエスタでも同じで、前席と後席の広さを両立させるなら(言うまでも無く?)Cセグメントの方が良さげです。
両方とも走行中に後席に座る事ができていないので、乗り心地に関しては不明です。
<その他>
ルーテシアにはECOモードボタンなるものがあります。押すと、パワートレインの制御がエコドライブ寄りになります。
発進時のスロットル開度が若干小さくなり、シフトアップのタイミングがオフの場合より早くなりますが、
発進時のこれは、アクセルを踏んでも最初はあまり加速しないので、人によってはじれったさを感じるかもしれません(苦笑)
また、クルーズコントロールは両車とも付いていて、ルーテシアでは全行程の1/3で使用しました。
今となっては何の変哲もない、ただ一定速にスピードを制御するものですが、結構重宝しました。
そういえば、ルーテシアに乗った土日は風が強く、高速(特に伊勢湾岸道)を走行中も横風に煽られる事がありました。
数回特に強い横風が来て怖い思いをしたものの、基本的にしっかりと堪えてました。
この辺りは地味に長所かもしれません。
…という具合にツラツラと書いてたら、また長くなりました(汗)
約500kmに渡って乗ったルーテシアは、欧州フォード基準で見ると目立っていい部分は見えにくいものの…、単体で見るならしっかり作られてると思いました。
初見で乗っても乗りにくいという事は決して無いです。
一方、計10㎞乗ったか乗らないかのフィエスタは「やっぱり欧州フォードだ」と思いました。
欧州フォードの特長である(と自分は思ってる)「初めて乗っても違和感なくスッと馴染む」感覚がしっかり受け継がれていました。
要するに、どちらも万人にオススメできます(笑)
後は個々人の好みって事でいいんじゃないでしょうか。
因みに自分は、フィエスタの方がいいと思いましたw
(おまけ)
1日近く一緒に過ごすと情が出てくるのか、返却する時に少し寂しい気持ちになりました(^^;