という事で、先ほどの続きです。
take☆さんの愛車、
フィエスタST(通称:ふぃえす太)を試乗させて頂きました。
結論から先に書くと、「理想のフィエスタST」かもしれません。
このふぃえす太ですが、初めて参加したオフ会であるAsa-Roc!に参加した時に助手席試乗させて頂いて、物凄く印象に残っていました(当時の記事が
コチラ。書き方など、全体的に若く感じます(笑))
フィエスタSTに乗るキッカケになった個体なので、個人的に勝手な思い入れを持っていたり…
名義変更時、ナンバーもわざわざ「・150」にしたくらいです(笑)
(いや、これは「ST150」だから、というのが大きいのですがw)
今日分かった事ですが、実はこの二台、生産日が数日違いという文字通り「兄弟」でした
(ふぃえす太の方が少しお兄さんです)。
恐らく色と生産ロットごとにある程度の台数をまとめて押さえてるはずなので、実際はそう珍しくないのかもしれませんが、自分が手に入れたのは中古車で色が選べない事を考えると、何だか気になってしまいます。
そんな与太話はこの辺にして…
この個体、結構色々と弄ってあります。吸排気系やLSD、足回りにECU(書き換え)など、大体の部分に手が入っている状態。
先日クラッチ板を交換したばかりなので、(日本国内での常識では過走行気味の)10万km目前とはいえ絶好調と言えそうです。
さて、ようやく走り出します(笑)
まず感じたのが発進のしやすさ。
ノーマルのフィエスタSTはフライホイールの軽さとアイドリング近辺でのトルクの薄さから、発進時のクラッチミートには割と気を遣います。
ディーラーの方もそう指摘するぐらいなので、これは間違いなさそうです。
しかしこのふぃえす太、クラッチ板交換直後でミートポイントが微妙に分かりづらい事を除いて、特に気を遣わず発進できました。
どうやらこれは、
Bluefinのおかげみたいです。
Bluefinはある程度以上の回転数で効力を発揮するのかな?と勝手に思っていましたが、全領域で効果があるようです。
それで、走っていく訳ですが…
乗り心地がそれほど悪くない事を除いて、非常によくまとまっている…いや、よくまとまりすぎて、ノーマルとの違いが分からない(汗)
何が何だか訳の分からないまま、試乗が終わってしまいました。
って、それではいけないので、再度試乗。今来た道を戻ります。
もう一回乗ってみて分かったのが、
ビルシュタイン製ダンパーの衝撃減衰性能。
恐らく自分のノーマル脚が経たってきているのもありそうですが、路面の凸凹やゼブラゾーンでも程良くフィードバックを返しながら、不快な衝撃を抑えている印象があります。
あと、
インチダウン+軽量化された16インチホイールとタイヤとのマッチングも良好。
脚はそのままで軽量ホイールだけの変更だと、ノーマルホイールの重厚さが失われてアンバランスになる可能性があります。
脚を変更しているからこそ、それぞれの良さが引き出されているのかも?
エンジンマウントも変わっていて、アイドリングでそのタイトな感じが分かるのですが、変速した時などにその利点を強く感じます。
ノーマルだと、変速してクラッチミートする度に「フニッ」とスナッチを感じます。
ほどほどに柔らかいのでエンジンの振動自体は抑えられるものの、駆動系全体にタメを感じて、ちょっと違和感を覚える事があります。
一方、この個体の
強化エンジンマウントは、ノーマルに乗り慣れているからこそ感じる全体的な微振動はあるものの、走り出すと一変し、特に変速時の不快なスナッチが抑えられて、走りのスムーズさ、メカニズム全体のまとまりを感じられます。
また、エンジン出力の出方も自然で、無用にパワーを追求した感じではなく、それでいてノーマルよりもチカラがじわじわと増強されているように感じます。
回していくと、排気がフォッーとキレイに抜けていきます。
ノーマルでも悪くないのですが、これもその良さに更に上乗せされた感じ。
それと、社外品のローター・パッドで固められたブレーキもその利きに違和感はなし。
突っ込んで制動した訳ではないですが、純正に対するネガは感じられません。
これを更に追い込んでいくと、ノーマルよりもよい性能を発揮するのかもしれません。
こんな感じで、各要素ごとに見ていきましたが…
まとめると、ノーマルが持っているネガを可能な限り消して、それぞれのバランスの良さをそのままに1ランクか2ランク上のレベルに引き上げた、そんなような印象があります。
だからでしょう、最初乗っただけだと「あれ?これどこが変わったのかな…」と感じたのは。
例えば出力だけなら、
Pumaspeedが
205馬力仕様を出しています(以前は最高で190馬力だったのですが、今調べてて分かりました)。
しかし、あくまで想像ですが、これだとエンジンの主張が強くなりそうで、他の要素の良さが上手く引き出せないのではないか?そういった事が気になります。
対して、ふぃえす太では全てがキレイにまとまっていて、クルマの方から手を引かれるかのように自然にその性能を引き出せます。
AUTOCAR 2007年10月号で森慶太さんが「気がつくと没頭している。山道ドライブに。」とノーマルを評していましたが、あれが更に高い次元で繰り広げられておりましたw
自分が乗り慣れてる車種、というのはあれど、それくらい安心して走れるクルマでした。
最初にも書きましたが、これぞ「理想のフィエスタST」だと思います。
因みに、あえてネガを挙げるとするならば、この状態がどれだけ維持できるか、でしょうか。
例えば、ノーマルのダンパーだと、性能だけでなくその性能の賞味期限も広く取ってあります。
なので、性能はそれほど突出できないものの、その分フィーリングは長く味わえます。
では、性能を重視すると…、ノーマルほど長くは100%の性能を維持できない。
チューニングの難しさは、こういったところにもあります。
ただ、これはこのクルマだけでなく、弄ったクルマ全般に言える事ではあります。
また、慣れてくると、より上の性能が欲しくなる可能性も…
但し、これも弄る弄らないに限らず、性能を求めた時には必ず付き纏う話だと思います。
試乗が終わって、自分のフィエスタで走り出すと…、全体的に微妙な重心の高さを感じました。
タイヤのレスポンスがマイルド志向なのと、実験的に高めに空気圧を張ってるのもありそうですが…
今のフィエスタに乗り始める前に、別のフィエスタSTを運転した事は2回ほどありましたが、
実際自分のクルマとして乗ってると、感じ方は随分変わってきそうです。
また、下手に弄って、ノーマルのバランスを崩すのは嫌で、どちらかというとノーマルのネガを消してポジを更によくする、そういう弄り方をしたいなと考えています。
そんな意味で、脚は手持ちの純正中古品に交換するとして、余力があればBluefinは導入したいな、と思いました(^^;(実はBluefinの筐体自体は以前あるルートで頂いたのですが、データが入っていないのでそれさえ買い直せば…)
これからの方向性を考える上でも、意義のある試乗になったと思います。
take☆さん、ありがとうございました!