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初めてBMWに乗ったのは、随分昔の話だ。

車雑誌に毎月毎月掲載されるBMWへの賛辞に、一体どんなクルマだろうと好奇心を膨らませていた。

誌面の文字を追うだけでは飽き足らなくなっていたある日、近くの〇〇レンタカーで、BMWを借りられることを知った。

自分のクルマがあるのにレンタカーを借りる、それも、ただその車に乗ってみるために借りるなんぞ、勿体なくてあり得ないことだったが、膨らみ続けていたBMW乗ってみたいという欲求には勝てず、〇〇レンタカーへ電話した。
話を聞くとエンジンは6気筒だというので、とある土曜の10時頃から6時間借りることにした。

レンタル当日、喜び勇んで店舗に行くと、用意された車は4気筒の318ｉだった。
電話対応した店員にＢＭＷの知識が無く、間違って答えたのだったが、他にＢＭＷに乗るチャンスは無さそうなので借りることにした。

10時頃から6時間借りて、２人で少し離れた町の紅葉で有名な神社までドライブ。
時間が限られているので、高速道路を使っていくことにした。


高速道路での318iの印象は芳しいものではなかった。

遅いッ！
何じゃこりゃ～、何がBMWだ。
良いとこなんか何もないじゃんか。

ってな感じ。


でも、長い上り坂に入ってふと気が付くと、周りのクルマがどんどん後ろへ流れていく。
いいところ、70～80㎞/ｈで走っている感覚だったが、メーターを見ると〇50kmhを超えているではないか！

BMWの6気筒エンジンはウルトラスムーズだと聞いていたが、この318iに積まれた1.9L4気筒エンジンもトルク・パワーはそこそこだとしても、バランサーを備え、ボディに遮音材を奢ることで静かでスムーズなエンジンとなっていたのかもしれない。



そんな高速ドライブを経て目的地である〇〇神社へたどり着き、参拝を済ませて折り返しのドライブ。

高速道路までの下道では、やはり多少もっさりした印象は否めない。
レンタカーなのでATだったということも影響したかもしれない。
退屈でチョッピリ眠気を感じながら高速道路へ乗った。

高速道路で、右車線をそこそこのスピードで巡航していると、後ろから大型ダンプが迫ってくる。
左車線は低速のクルマが連なっていたため、アクセルを少し踏み足してスピードを上げると、突然走行車線から1台のクルマが追越車線へ出てきた。しかもスピードを上げずにノロいままだ。

普通、この距離と速度差では絶対に出てはこない、そんな状況。

後ろのダンプとは少し距離がある。
咄嗟の反射で、初体験のパニックブレーキ！

その瞬間、脳裏に一つの映像が浮かんだ。
高速で回転する円盤を、真剣白刃取りの様にパシッと挟んで、真っ直ぐ後ろへ引き戻すイメージ。

正直、驚いた。
その頃は、ブレーキの構造なんか考えたこともなかった。
ディスクブレーキが強力に作動する映像が浮かんでくるなんて、初体験もいいところだ。
（当時の318iが後輪ディスクブレーキを備えていたかどうかは知りません。）


※シビックTypeRの印象にたどり着いてませんが、長くなったので一区切りです(＾＾;