ゴールデンウィークも前半が始まりましたが、
皆さんいかがお過ごしでしょうか?
折角の連休気分ですが、このような休みが始まると、
心配になることがあります。
そうです。救急医療です・・
連休中は多くの通常の医療機関もお休みになり、普段、過労死しそうな状況で勤務されている
お医者様も、一部の方はお休みが取れるようになります。(もちろん全員じゃありません。
連休もなしに過労死しそうなほど働いているお医者様も多いです)
つまり、
普通の医療機関が軒並み休診になり、ただでさえ医師不足、受入れ不能な救急医療は
ますます過密状態になるのです。
普段でも、宮城、首都圏、関西圏の大都市圏では、一晩あたり150人もの受入れ拒否(30分
以上、4か所以上受入れが決まらなかった重症患者。総務省消防庁定義。)が発生しているのに、
連休中はその数倍の混雑(つまり受入れ拒否)の発生が予想されます。
皆さん、
この連休中には、決して怪我をしたり、病気になったりしないでくださいね!
それはすなわち、死に直結する かもしれません。
特に、震災被害のあった東北太平洋岸の地域に帰省する方は気を付けて下さい。
病院が軒並み被災していますので、人口当たりの医師や医療機関が極端に少なくなっています。
震災後の2011年から、震災地域の医師不足を端緒として、東北地方、特に宮城県を中心とした
地域への医学部新設の動き(意見)が多くなっていました。
しかし、宮城県医師会などの反対で、まだ何も進んでいません。
2012年、2013年になっても、宮城県や岩手県に医学部新設の打診があるのですが、日本医師会や、医学部長病院長会議や、医師への直接アンケートでも反対されています。
結局既得権益ですから、いくら救急患者が受入れ拒否で見殺しにされていても、医師が過労死
寸前の勤務環境で医療過誤寸前の状態であっても、競争相手である医師を増やしたくないよう
です。
下記に関連記事とリンク先を上げておきます。
医学部新設:期待高く 医師不足の東日本「自民政権復帰、後押しに」
毎日新聞 2013年02月05日 東京朝刊
自民党が与党に返り咲いたことで、1979年の琉球大以来30年以上認められていない医学部の新設に注目が集まっている。東日本大震災の被災地などで新設構想が相次いで公表され、昨秋発足した同党の「東北地方に医学部新設を推進する議員連盟」も活動を本格化。民主党は日本医師会などの反対を受けて消極姿勢に転じた経緯があり、大学関係者は「老練な自民なら、うまく落としどころを探ってくれるのでは」と期待を寄せる。
東北福祉大(仙台市)は11年11月、提携する仙台厚生病院と医学部新設の基本計画をまとめた。卒業生を一定期間、地域で従事させる自治医大(栃木県)をモデルとし、医療過疎の解消を目指すとの内容だ。
「医学部は創立者、新島襄の悲願」とするのは同志社大(京都市)。被災地を含むおよそ10の自治体から「我が自治体に設置を」などと打診を受け、場所を決めないまま昨年末に新設方針を発表した。この他、国際医療福祉大(栃木県大田原市)と聖隷(せいれい)クリストファー大(浜松市)が新設構想を表明している。
一方、自治体側では埼玉、茨城、神奈川県の他、空港税収で潤う千葉県成田市も医学部の誘致や設立を目指している。
東日本で動きが目立つ理由は医師数の「西高東低」にある。10万人当たりの医師数(厚生労働省10年調査)は、西日本の府県が軒並み全国平均の230人を上回るのに、東日本は東京(303人)を除くと、埼玉(148人)▽茨城(166人)▽千葉(170人)と首都圏がワースト3で東北最多の宮城も222人だ。ワースト3県はそれぞれ医大が1校しかなく、「医師数と医学部には相関がある。新設なしに医師は増えない」との思いが強い。「医師養成数1・5倍」を掲げた民主党政権下の10年、文部科学省が新設の検討会を設置したことも期待を広げた。
だが、
文科省の検討会は医師過剰を懸念する日本医師会の反対などで事実上中断。積極的だった民主党政務三役も相次ぐ内閣改造で去った。文科・厚労両省は「既存学部の定員増で対応する」と慎重姿勢を崩していない。
福島県の高校を卒業し、推進議連に名を連ねる平沢勝栄・衆院議員は「新しいものをつくろうとすれば既存団体は反対しがち。反対理由が妥当か見極める一方、ニーズがあるなら震災後の東北の特例として可能か検討していきたい」と話す。
東京大医科学研究所の上(かみ)昌広・特任教授(医療ガバナンス)は「国は首都圏の人口増を見据えた新設をしてこなかった。このままでは高齢化や医師の超過勤務解消のため、首都圏の医師不足は一層深刻になる」と指摘している。【井崎憲】
河北新報社(2012/10/30) シンポジウム・座談会
座談会「地域医療-震災後の新たなモデルを目指して」/医師確保へ医学部を
医学部新設で医師増「百害あって一利なし」-医学部長病院長会議
医療介護CBニュース 3月11日(月)22時3分配信
「政治主導で医師偏在の解消を」-日医、医学部新設の問題点指摘
医療介護CBニュース 3月7日(木)20時7分配信
2012年11月 5日 (月)
医学部新設 意外な方向から否定される?!
Google 東北 医学部新設 反対 の検索結果 約 121,000 件 (0.24 秒)
もちろん現在の救急医不足、救急病床不足は医学部や医師の数を増やせば解決するような
単純な問題でないことは分かっています。地域や診療科による偏在を是正すること、また、
各科ごとの薬価差益や診療報酬の見直し、そして患者の側からも不要不急の救急診療利用の
抑制など、いろいろな課題がありますが・・
まずは、通常の診療科でも過労死になりそうな医師不足の勤務状態。早急に改善すべき
であることは自明の理です。
上記の
2012年11月 5日 (月) 医学部新設 意外な方向から否定される?!の記事の中にも、
関東圏は2050年ごろまで医師不足が続く。東北の医師不足も35年まで悪化する。という記述があります。
医学部の定員を医師会が意図的に調節して増やそうとしなかったことは私の最初のブログにも
書いています。(国会答弁リンク参照)
しかし
過労死しそうな医師自身でも医学部新設、つまり医師の増員に反対しているのです。
日経メディカルオンライン
ザ☆ディベート、第4回「医学部新設、是か非か」 医学部新設、8割超が「反対」
医学部新設に反対の立場 84.6%、医学部新設に賛成の立場 15.4%
いくら医師不足でも、自分が過労死しそうな状況でも同業者、競争相手は増やしたくないのでしょうか・・
ですから、この連休には、決して病気になったり怪我をしたりしないで下さい!
旅行に行ったり、外出すると、事故にあって怪我をしたり、体力が弱って病気になったりする
可能性が増えますので、できればどこにも出かけない方が宜しいかと・・(笑)
上のリンク先によると、関東圏の医師不足は2050年まで続くそうですから、
行楽に行くには
2051年以降にした方がよさそうです・・・(^^;;
Posted at 2017/11/03 18:52:51 | |
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救急医療の崩壊 | 日記