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2011年02月25日

虐殺器官

虐殺器官 伊藤計劃氏(故人)著
「虐殺器官」を読み終えた


越前蟹さんから教えていただき初めて知った作者と本である。

「虐殺器官」は
この10年の日本SF界の最高傑作と言われる作品である。
作者である伊藤氏は
不肖SF好きなわたしであるがココ10数年まったくSF界から離脱していたために
その間に燦然と彗星のごとく現われ、そして2009年に急逝した天才作家である。


「器官」とは
ある機能をになう生体内の構造。
肺や心臓などの内臓などはイメージしやすいが、
神経系の交感神経などは構成する物質的な構造としてというよりも
その代謝システムそのものに器官としての存在の本質がある。

いわばコンピュータという概念が器としてのあり方よりも
ソフトウエアとの統合された機能単位で考えられるように。

「ひと」のなかに、ある特別な器官があり、
そしてそれが必然を持って働く「環境保全のための定数是正システム」なら
現在社会の悲しむべき戦争や殺戮行為はいったい・・・・
私たちはそこから逃れることは可能なのか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この物語、
支配的列強国と、被支配的小国や民族のうごめくなか、
これまでにはなかったほどの内乱が弱小民族同士や小国の内部で勃発し
悲惨な小規模の戦争が多発する仮想世界が舞台。

生物学的テクノロジーが発達し、高度なネットワークと効率的なシステムによる
争乱の制圧のための特殊部隊に所属する戦闘工作員の目で物語が語られる。


これは
人間と社会というテーマをある大胆な仮説を提示、
そこから掘り下げた意欲作である。


真偽はともかくも、911が仕組まれたものだったとか、
ヒトラーの行為やポルポトの行為が
是非ではなく、人の種としての存続や社会の存続という視点から見た場合、
それが単なる「狂気」という一言や概念で片付けられて良いのか。

人間というモノはいったい何であるのかをさまざまな視点から考察する試みは意外と多く、
特にSFと言うジャンルでその仮想世界で考証されているものには真理に近づく気配が強い。


読後感想は苦手であるが
ここ数年わたしも人の社会をあるレベルや様々な視点から眺める考察する機会が増えている。

必ずそこにあるのは「悲観的な未来」のサインであり、
それと同時に発生する「人の悲しいほどいとおしい感性への憧憬」である

そのことを、これほど悲しく語られたSFはまれである。


是非購読を勧める。


ブログ一覧 | 日記
Posted at 2011/02/25 19:14:42

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この記事へのコメント

2011/02/25 21:42:55
 こんばんは~。 感想ありがとうございます。

私自身も作品を知ったのが著者が亡くなった後なので、

彼の死生観と言う、バイアスが罹った状態での読後感だと思っております。

実際著者は、親しい友人に

「この病気になっていなければ、作品を世に問うことは無かったと」

入院中話していたそうです。

>>真偽はともかくも、911が仕組まれたものだったとか、
ヒトラーの行為やポルポトの行為が
是非ではなく、人の種としての存続や社会の存続という視点から見た場合、
それが単なる凶器という一言や概念で片付けられて良いのか。

種を保存するために、戦争でも自殺でも何でもいいから

一定数の人間が死んでくれないと困る。だったり、

認知症(ボケ)は死に対しての恐怖心からの逃避である。など、

人間には、理解しがたい点が多くあり、

HAL!さんのような医療従事者に方には

とてもセンシティブに感じられたのではないでしょうか。

>>必ずそこにあるのは「悲観的な未来」のサインであり、
それと同時に発生する「人の悲しいほどいとおしい感性への憧憬」である

人間と言う種に対しての「希望」を著者は最後まで持っていたと思います。

彼が残してくれたもう一つの痕跡、

はてな内の「第弐位相」には克明に残っていると感じていますね。
コメントへの返答
2011/02/28 13:22:34
ずっと考えています

よい本を紹介いただきました


ちょうど
私の法人の方針を決定する上での重要な時期でして、私が求めるものとそのあり方に対して踏ん切れなかったものなどがあり
強い勇気と決断を感じています



私が泣けたのは
実は後書きでした。


作者の伊藤氏は
間違いなく感性豊かでひとに対しての観察眼は凄いものがあったと思います。
そして人に対しての愛情も。

それゆえ自分の最後を感じたときの苦しみ悲しみは想像以上であったことが示唆されています。またそれを彼の母親が見守っていますね。


ちょっと覚悟が明確になったことにおいて伊藤氏の思念は少し受け止められるのではないかと思っています。
2011/02/25 21:56:05
 長文後にまた長文です。申し訳ありません。

SFや事実を題材にした戦争やテロを扱った本を読みなれてない方には、

「虐殺器官」はハードルが高いかも知れません。

実際、私の家に来て勝手に本を持っていくような友人でさえ、

「読んでいて辛くなった」と、途中でリタイアしました。

伊藤計劃さんの取っ掛かりならば、

ゲームで有名な、「メタルギア」シリーズのノベライズ版、

「メタルギア・ソリッド ガンズオブパトリオット」がお勧めです。

彼の死生観や、未練がエンディングにはっきりと詰まっていると思います。

最後の目玉焼きを焼いているシーンを思い返すと、

今でも涙腺が崩壊しそうになります・・・。
コメントへの返答
2011/02/28 13:29:57
いえいえ

ちょっとしばらくこちらにお返事書かなかったのも実は自分でいろいろと考えて時間をおきたかったのでして・・・

おっしゃるとおりでしょう
私にとってもこのレベルは正視することが苦しい内容もありました。
でも、人の感情を殺した行為が感情を持つものからみれば最悪の狂気になるという段差を示すには必要な描写です。

医療なんてもっともそうでして、
覚悟のないものからみればもっともつらいスプラッターです。

その共通点を向き合えるかどうかです

人は自分の目の前の苦しみから距離を置き、誰かがそれを背負うことをも忘却することで精神を守るのであることを自覚できるかどうかと思っています。
要は弱いんですね。


弱い人に強くなれと言う提案はつらい。
デモだからと言って弱い人に合わせるとディストピアになります。

このあたりの答えを私はある領域においては出せると思っています。



伊藤さんの関連のものなど、
是非多くの方々に接してほしいですね
2011/02/26 02:09:47
おお、面白そう。

直感で感じる・・こんな時は買いです。好きなタイプの本かも。

本当の真実とは・・案外、心ではなく・・

遺伝子に組み込まれた何か。

細胞を効率良く支配する・・人間もその拡大版みたいなもので

集団心理は・・細胞・・・遺伝子の通りに流れていくだけ。

そんなものかもしれません。

誰かを、何かを支配する。

これは、心ではなく・・遺伝子に組み込まれている何かなんでしょう。

ミトコンドリアとの共生を初めて進化を続け、あらゆるウイルスのプログラムを組み込み

進化、退化し続ける生き物の宿命なのかもですね。

読んでみますw
コメントへの返答
2011/02/28 13:36:26
こんにちは

このほんの場合、
ある程度の準備的な背景が読み手にも必要かもしれませんね。

(もう読まれたかな?)


いろいろと示唆するもの、
ヒントとなるもの。

ただし
当時
小松左京氏のコメントもあるように

ハードSFとみたばあい

ある状況に対してのつじつまというか背景に説明不足があり、科学的考証や脚本的設定にやはり若さがありますので
そのあたりは「商品としての完成度」としては読み手への理解とフォローが必要かと思います

私はエンターテインメントとして読みませんでしたので十分に意味がありました。


でも
おっしゃるとおり
題名の「器官」ということばに含ませる
人の本質の深さと悲しさ。
向き合えることができるのか。

これは大きなテーマです。

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