タイミングベルト・フロント側オイルシール交換 (224,224.1km)
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
中級 |
作業時間 |
12時間以上 |
1
サニカリさんのE15Sは,日産にしては珍しくタイミングベルトを使ったエンジン,この前のA型はチェイン駆動のOHVですし,この次のGA型もチェイン駆動のOHC,さらにDOHCは中間減速させてのツーステージチェイン駆動と凝ったことになっていました.
で,ある意味ハズレのE15なので,タイミングベルト交換が必要になるわけですね.前回の交換は11万kmで,大学の駐車場で交換したのを覚えています.それから約8年,距離は11万5000kmを追加した状態での交換になりました.一応,途中の状態はカバー外して観察とかして,すぐに切れそうにないことぐらいは確認しつつの10万kmオーバーです.
2
今回の交換部品を,その配置で並べて見ました.今回は珍しく全て純正部品で手配.アイドラベアリングは右側の曲がっている部分につきますが,今回は交換しません.分解してグリースだけ入れ替えて継続使用します.
オイルシールは3箇所とも交換予定ですが,結果から言うとクランクシールのみ交換できませんでした.
一番上のカムシャフトと中央のジャックシャフトはタイミングベルトプーリさえ外せばOKです.
タイミングベルトで駆動されていますが,ジャックシャフトはタイミングは関係ありません.(ジャックシャフトはA型のカムシャフトの名残だとかいう噂)
3
多分DIYでタイミングベルト交換するときに一番難儀するのが,クランクプーリーの取り外し.ここ20kgf・m近い大トルクで締まっているので,電動インパクトとかでは全く緩まないんですが,こんなふうに19mmのソケットレンチ(軽自動車の車載工具のホイールナットレンチでもOK)とホームセンターの棚用のパイプ(今回使用したのは190円の45cmタイプ)を組み合わせて,地面に固定してやって,セルモーターを一瞬回してやると,簡単にボルトはゆるみます.この時,エンジンがかかってしまうとプーリーが吹っ飛んでくるので,点火コイルとデスビをつないでるハイテンションコードを抜いておきます.(エンジンがかからないように出来れば,手段は何でもOK)
スターターモーターのトルクと,リングギヤのギヤ比を使えば,余裕で100kgf・mぐらい出せますからね.
4
ここまでは楽勝.あとはボルトを外すとプーリーが降ってきます.このプーリ,こんな世代のくせにゴムダンパーを挟んだダンパプーリになっていました.このダンパプーリ,よくあるトラブルとして,ダンパ部のゴムが引きちぎれて空回りして発電&冷却水循環不良になったり,ひどい場合にはプーリが吹き飛んで周辺部品破壊したりと,壊れてはならないはずの部品ですが,結構壊れたエピソードを聞くんですよね.
まぁ,ゴム部品ですからいずれちぎれるんでしょうけど,ちぎれる前に内側のボス部分とボルトとかでつないでおくと,ダンパ効果はなくなりますが,ゴムにかかる負担は減るので,最悪の事態は避けられるかもしれません.
最近のHV車,エンジン補機は全て電動になっているんですが,振動特性の改善のために,ベルトがかかっていないのにプーリだけついていたりします.(フロント側にも回転質量がないと,ダイナミックバランスが崩れますが,HV専用のクランク作ると高いので,それならプーリだけつけとけやということ)
5
さて,ここからは手が汚れ出したので恒例の写真なし.
皆さん想像力を豊かにして読んでください.
ベルトの取り外し前に,カムシャフトとクランクプーリのマーキング部分に合わせて,ベルトにもマーキングを入れます.クランクプーリは,特定の歯の部分に『○』刻印,カムプーリは特定の部分に『▽』でマークが入っているので,この部分がいいと思います.
この部分と一致するように,ベルトの側面と背面に愛マークをつけ,できればどっちがカムかを書いておきます.これ,わからなくなると真っ青になりますよ.
6
準備ができたら,アイドラプーリを緩めてベルトを外すんですが,アイドラを緩めきったぐらいでは,簡単に外れないので,ここはあっさりとジャックシャフトのプーリを外します.ついでに,カムシャフトプーリのボルトも緩めておくと,後でオイルシール交換するときに楽になります.
7
ベルトが外れたら,新品ベルトと並べて合マークの位置をコピーします.これで,簡単にベルト交換はできます.ベルト交換だけなら,このまま組み替えて修了ですが,今回はアイドラプーリの軸受のグリース交換と,各シャフトのオイルシール交換も行いますので,上記の緩めたプーリを外します.(アイドラ軸受のグリース交換は別記事予定)
8
で,ここで問題発生.クランクプーリが外れません.ここはクランクシャフトに圧入されていますが,コレが固いのなんのって.で,仕方なく5mmのドリルでプーリ側面に穴あけて,M6のタップ立ててプーラーで引っ張りましたが,20山も立てたネジ山がもげるぐらい引っ張ってもビクともしない…
かくなる上はプーリを割って外すしかないですが,交換用のプーリなんか用意しているはずもなく,今回はクランクシールの交換は見送りました.
カムシャフトとジャックシャフトのオイルシールはすんなり交換完了,新品ベルトを元通りの位置に合わせて組み付け,エンジン始動を確認したところで日没順延.翌日,ベルトカバーを組み付けて,補機ベルトを組み付け,作業完了となりました.
[PR]Yahoo!ショッピング
入札多数の人気商品!
[PR]Yahoo!オークション
タグ
関連リンク