ここはC県にある、とある自動車販売店。
自動車販売業なのに「出さ~ん!」と意味不明な声が聞こえる不思議なお店があるそうだ。
そのお店の名は「カフェ959」。
外車ミニバンを得意としているお店で、親身になって世話をしてくれるマスターを慕うお客さんも多く、その筋(Zという団体など)では"東の聖地"なんて言われているそうだ。
もっとも、マスターには聖地と呼ばれる認識はまったくなく、普通にお客さんと接しているだけらしい。
お客さん思いのマスターは、車検や点検のお客さんのために厳しい予算をやり繰りして代車を用意してくれている。
一説には趣味と実益を兼ねているのでは? という話もあるようだが、お客さんのために(ココ大事! 期末テストに出ます。)用意しているそうだ。
今回は、そのカフェ959の代車達の話である。
今回の物語はある代車の独り言から始まるのであった。
私は、プレオRM。
通称:梅干し色のプレオとして、マスターやお客さんにとても可愛がられている。
660ccのエンジンにSC(スーパーチャージャー)で過給して規制値の64psを出すボクは4輪独立サスと相まって軽らしくない走りと評判だ。
959の一員(代車)として導入された後、仲間がシルバーばかりなので文字通り“紅一点”としてちやほやされていたのだけど、最近ライバルが登場したんだ。
そいつの名は、プレオRS。
ボクよりも鮮やかな赤で、エンジンもDOHCのSC。
ハイオクを飲むばかりか、ショーワなる足回りでちょっと贅沢なヤツらしい。
気付けば、同じスバルなのに派閥みたいに分かれちゃったから、先輩として一言言いたいのだけど、見た目が怖そうなんだよな~ RS。
対して、新入りのプレオRSも似たような印象を持っていた。
ボクは、プレオRS。
SHOWAの足とDOHC&ハイオクでRMよりトルクが大きく下手なリッターカー顔負けの走りが自慢。
外装もちょっぴりオシャレになって自分でもカッコイイと思っている。
マスターの絶滅危惧種保護計画により、晴れて959の一員(代車)になったのだけれど先輩が怖いんだ。
その先輩の名はプレオRM。
ボクよりちょっぴり背も高い初期型の先輩はとても働き者。
ファミリー向で後席がパノラマ仕様に変化するし、とても尊敬して仲良くしたいのだけれど、挨拶するタイミングを逃して以来、苦手なんだよな~ RM。
【959 軽自動車のチーム編成】
チーム名 メンバー構成
ワンカムSC : プレオRM ・ サンバーディアス*
ツインカム : プレオRS ・ R2
イニシャルD : テリオスキッド ・ MAX
長老 : サンバートラック*
*ディアスとトラックは基本的に業務用という位置づけらしい
959の代車達は盆と正月以外は全員そろうことは少ないのだが、その日に限っては珍しく全員そろったので久しぶりに宴会を開いていた。
古参のテリオスキッド(以下キッド)
とプレオRM(以下RM)の呼びかけで始まった宴会も、日頃の喧噪も忘れて楽しかったのだが、キッドのある一言をきっかけに雰囲気がガラッと変わってしまった。
キッド 「RMよ、お前んとこの故郷は軽自動車やめちゃったんだって?」
RM 「ああ、そうだよ。 今は、86だかBRZとかいうスポーツカーを作っているんだって。」
キッド 「今では、うちの故郷で作っている軽自動車を売っているんだって?」
RM 「そうみたいだね。」
キッド 「仕方ないな~(ニヤニヤ) イニシャルDに入れて"あげようか"?」
RM 「はあ?!」
キッド 「バッジを "D" に変えるんだぞ。」
RM 「喧嘩売っているのか?」
MAX 「キッド先輩、それは言い過ぎですよ。」
キッド 「ごめん、やっぱイニシャルDは無理だわ。」
キッド 「RMとディアスはワンカムだもんな・・・。 R2とRSなら仲間に入れてやってもいいよ~ん。」
RM 「だまって聞いていればコノヤロー。 お前なんか、64ps無いじゃないか。」
キッド 「ウッ・・・痛いとこ突くな。 MAX君、コイツやっちゃってもいいかい?」
MAX 「喧嘩はやめましょうよ。」
RM 「おい、RS。 お前はなんで黙っているんだ?」
RS 「いちいち下らない喧嘩に付き合ってられませんよ。」
RM 「なんだとー!」
RS 「RM先輩、冷静になってくださいよ。 チームSUBARUとして考えれば、数で有利なんですよ。」
RM 「お前、ホントはいいヤツなんだな。」
RS 「ホントは・・・って、今頃何言っているんですか。」
RM 「ということでキッド君、我々はチームSUBARUとしてだな・・・」
MAX 「キッド先輩、もう寝ました。」
RM 「!!!」
サンバートラック 「はいはい、宴会はオシマイだよ。 明日からみんな仕事なんだから早く休みなさい。」
寝てしまったキッドを除き、全員サンバートラックの言葉に従う。 さすが長老の一言は重い。
こうして、959の軽自動車チーム編成は以下の通りとなった。
【959 軽自動車のチーム編成】
チーム名 メンバー構成
SUBARU : プレオRM ・ プレオRS ・ R2 ・ サンバーディアス
イニシャルD : テリオスキッド ・ MAX
長老 : サンバートラック
このやり取り、最近まで代車の一員として働いていたKeiが点検時にマスターから聞いたらしい。
そして、Keiは一言「くだらない・・・」と一蹴し、新しいオーナーとの生活をマスターに聞かせていたそうだ。
RSの一言でSUBARU軍団が結束、勢力拡大に失敗したキッドは次なる手を考えているらしい。
最近、床についたマスターの枕元でささやく声が聞こえるそうだ。
「MAXのターボが欲しくな~る」
「ネイキッドのターボが欲しくな~る」
「オプティのターボが欲しくな~る」
「ソニカが欲しくな~る」
マスターがダイハツ車を増車したら、キッドの仕業かもしれません。
ちなみに某教祖は、最近お金があったらボーイスカウトの活動用にハイゼットのデッキバンが欲しいようです。
せっせと宝くじを買っては、溜め息ついているようですが。。。
そんなことより住宅ローン返済でしょうが・・・と、某教祖の白トラは呆れるばかり。
某教祖 「ハックション! 畜生! 宝くじ当たらんな~!」
話は逸れてしまいましたが、マスターの愛情が注がれた代車達に会いに来てみませんか?
クルマ達の話に耳を傾けてみるのも楽しいですよ。
そして、クルマ好きのマスターのトークはもっと面白い・・・・・・かも。
ザフトラのメンテが多い959ですが、元々の生業は自動車"販売業"。
風の噂では、修理よりも販売が得意という話もあるみたい。
真相は皆さんの目で確かめてみてください。
カフェ959はC県某所で、絶賛営業中!