シュアラスター尽くし
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
初級 |
作業時間 |
3時間以内 |
1
早朝、男は段ボールをそっと開けて既に水洗いで濡れた紫ボディーに品物を並べ始めた。
「50%OFF!」の広告にまんまと釣られ、
ここ10年は手にしたことがなかった
「固形ワックス」をニヤニヤしながら見つめていた。。。。
(紫よ。ヌメヌメにしてやるからな.....)
そう悴む手を擦りながら独り言を呟いた。
2
流石に12月の朝だけあり、冷水が手に掛かると冷たいというより、痛い感じがする。
その痛みをこらえながら、紫にシャンプーを施す。
辛いことをグッと堪えて無口に淡々と作業する男らしい姿がそこにあった。
3
シャンプーが終わり、久しぶりの再会となる「固形ワックス」の蓋をコインで開ける。
ただの「固形ワックス」ではない。
「最高級 固形ワックス」だ。
「最高級」。
(ぽわ~~~ん💜)
(あ~~~この香り~~💜)
いつも156をヌルヌルピカピカにするために手間を掛けて磨き上げていた遠い記憶が甦る。
(10年前はあんなことやこんなことが.....)
香りや音楽は当時の記憶を鮮明に思い出させる効果もあるようだ。。。。
思い出は心とある部分を温めてくれる。
4
「最高級」固形ワックスを塗り伸ばしたあとは、同社が推奨する「ワックス拭き取りクロス」とやらで吹き上げてみる。
この時は既に指先に感覚がなくただただ痛い。そこで寒中摩擦ならぬ「寒中エクササイズ」を取り入れてみる。それは不必要に高速で腕を動かして吹き上げると言う屈強な精神力を要するやり方だ。
5
高速吹き上げるに体が温まり額に汗がにじむころ、最終仕上げに推移した。
ここで登場するのは、同社が推奨する
「鏡面仕上げクロス」。
鏡のように光らせるらしいが、それより何よりこのクロスは「ふぁふぁ」しており手触りが気持ちいい~💜
これも同様に高速吹き上げエクササイズを取り入れて行うことにより、気持ちの良い汗をかくことができた。
右腕が疲れたら左。それを繰り返す。
男は、かなりの早さだと自画自賛する。
この姿はかなり異様であったことは想像するに難しくない。
6
この仕上げクロスの「ふぁふぁ」が鬱陶しく感じた頃、紫には新車のような光沢が甦っていた。
暑くなったため防寒着を脱ぎ捨て、
汗をかきながら紫を遠目に見つめる。
(おぉぉぉ。流石は最高級固形ワックス!)
男は、そう感動せずにはいられなかった。
紫は樹脂パーツが多用されているため、ワックスの塗り訳は面倒臭い極みであったが、この艶を手に入れられたのなら苦労も手間も救われるであろう。
固形ワックス(最高級)は、労力の分それに応えるものだと男は感心していた。。。。
7
いつもの山坂道に紫を連れ出し太陽光の下に駐車させ眺めて見ると、簡易な液体光沢剤とは異なった輝きであることが一目瞭然であった。
男は嬉しそうに何枚も写真を撮るのであるが、紫の車体を笑みを浮かべながら行ったり来たりするのは、やはり朝の風景としては異様としか言いようがない。
(またあの紫か..............)
朝日が差し込む休日のリビングから、強制的に差し込む不調和を生む紫。
男は、心で
(面目無い......)
と詫びるのであった。。。。
8
通行人がその不気味な男と不気味な車を避けるように遠回りに通る。
出勤の人達だろう。
(こいつ何朝っぱらから、紫撮ってるの?)
仕事モードの頭には理解できない光景を目にしてさぞ不快であることは間違いない。
男はヌメヌメと光輝く紫の撮影を終え、空腹を満たすために自宅に帰る。
「ちょっと!もう行きますよ!」
「え?早くない?」
「もう10時ですっ!」
「え?!もう10時??」
男は3時間近くも紫遊びをしていたことに驚きながらも、いつもの喧騒に男は巻き込まれていくのであった。。。。。
【完】
お安く購入できたことに感謝です!
暫くシュアラスターに忠誠を誓います~
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