●第21ステージ Étampes - Paris/Champs Élysées 143km
G・ステーグマン(クイック・ステップ)がシャンゼリゼでスプリント勝利!
とうとう今年のツール・ド・フランスも、最終ステージを迎えました。
エタンプをスタートしてパリ/シャンゼリゼにゴールする143km。
最後はシャンゼリゼの周回コースを8周してゴールします。
23日間の長い長い旅は、このステージで終わります。
例年、最終ステージはシャンゼリゼに入るまでは、とても和やかな雰囲気でレースが行なわれます。
ツールを完走する喜びを、各選手が精一杯表現するステージでもあります。
また、シャンゼリゼが完全クローズドされるのは、1年でパリ祭とツール・ド・フランスのゴールの2回だけです。
フランスにおけるツールの地位の高さが感じられます。
さて、レースですが・・・。
マイヨ・ジョーヌを着るサストレは多くの選手から祝福を受けています。
他のチームの選手から握手を求められたり、肩を組み合って健闘を労い合う光景が見られます。
レースオーガナイザーのクルマから、お祝いのシャンパンの入ったグラスがサストレに渡されました。
たいてい、シャンパンに口だけつけてグラスをクルマに戻すのですが、サストレはグラスの半分ほどシャンパンを飲んでいます。(^.^;
CSCのチームカーからも、CSCのメンバーにシャンパンが振舞われました。
チームカーの中に積まれたカメラが、クルマに乗るリース監督の姿を捕らえています。
リース監督はシャンパングラスにシャンパンを注ぎ、サストレに手渡します。
ここでもサストレはシャンパンを飲んでいますね~。(^.^;
通常なら、レース中に酒を飲むなんてもっての他なのですが、ツールの最終日だけは特別に許されています。
F・カンチェッラーラもゴクゴクとシャンパンを飲んでいます。
メンバーは、とても嬉しそうです。
歓談ペースでレースは進みます。
今日はパリへの凱旋レース。
総合優勝争いは行なわれません。
注目は、誰が最終ゴールに1番で飛び込むか?・・・です。
もうパリに相当近づいていると思いますが、周りの風景が農村ののんびりとした風景です。
大集団はCSCが先頭を引いて、セーヌ川沿いの道路に入りました。
もうパリ市内に入っていると思います。
誰もアタックをかけることなく、ゆったりとセーヌの流れと共に歩みを進めています。
お~、エッフェル塔が見えてきました。
空撮で、シャイヨ宮も映されています。
両方ともパリの観光名所ですね。
グラン・パレ、プチ・パレ近くのセーヌ川寄りを通り過ぎます。
選手達が走っているセーヌ川沿いの道路からグラン・パレ、プチ・パレを隔てた反対側は、もうシャンゼリゼ通りです。
選手達はコンコルド広場をかすめて、セーヌ河畔通りをルーヴル美術館方面へ向かいます。
空撮では、ルーヴル美術館とシテ島が映されています。
とても美しい風景です。
選手達はチュイルリー公園を左手、セーヌ川を右手に見ながらルーヴル美術館手前を左折。
ルムニエの地下道を潜ってすぐ左折。
今度はリボリー通りを左手にチュイルリー公園を見ながらコンコルド広場へ向かって進みます。
オベリスクのあるコンコルド広場へ選手達が入りました。
毎年見る光景ですが、コンコルド広場からシャンゼリゼ通りに入る大集団に思わず興奮してしまいます。
コンコルド広場からシャンゼリゼ通りに入ります。
ここから凱旋門へ向かって緩い上り坂が続きます。
道は石畳ですので、選手達の腕の肉がブルブルと振動で揺れています。
ル・ポワン・ド・シャンゼリゼを通過して、凱旋門の手前で折り返しです。
今度は、コンコルド広場へ向かって下ります。
とてもスピードが出る区間です。
下り切って再びコンコルド広場です。
後は、再びルーヴル美術館方面へ向かい、同じコースを8周してゴールです。
周回コースに入り、レースも本格的に始動です。
次々にアタックがかかりますが、なかなか大集団が逃がしてくれません。
N・ヴォゴンディ(アグリチュベル)とC・バレード(クイック・ステップ)が大集団からの抜け出しに成功。
わずか10~20秒のタイム差で周回を重ねて行きます。
しかし、残り4周で大集団に吸収されてしまいました。
その後、S・シューマッハー(ゲロルシュタイナー)などがアタックをかけますが成功せず、大集団のまま残り3周となります。
大集団はCSCが先頭を引いています。
ステージ優勝を狙っているワケではないのですが、CSCのメンバーが意地で頑張っているように思えます。
おっと! K・シウトソウ(チームコロンビア)がアタック!
S・オージェ(コフィディス)とA・ボチャロフ(クレディ・アグリコル)が加わり、3人で逃げグループを形成し、先頭を走ります。
この3人が先頭でゴールラインを通過。
残り2周です。
凱旋門へ向けての上り。
タイム差は10秒もありません。
先頭3人からボチャロフがアタック!
他の2人は大集団に吸収されました。
ゴールまで残り10kmを通過。
ボチャロフの背後に大集団が迫ります。
あ~、ボチャロフは吸収されてしまった・・・。
今度は、A・ジェラール(フランセージュ・デ・ジュ)がアタック!
ジェラールが先頭で残り1周の鐘が鳴らされ、シャンゼリゼのゴールラインを通過!
すぐその後をCSCが引く大集団が通過します。
いよいよ、今年のツールも最後です。
凱旋門へ向けてジェラールが必死に上り坂を逃げます。
ジェラールが大集団に捕まった・・・。
次に、F・ジルベール(フランセージュ・デ・ジュ)がアタック!
凱旋門前の折り返し地点をトップで通過。
直後に大集団も折り返し。
凱旋門からコンコルド広場へ向けてのシャンゼリゼの下りは恐ろしいほどのスピードが出ています。
ジルベールが必死の逃げ!!
しかし、ジルベールも捕まってしまいました・・・。
ゴールまであと3km。
S・シャヴァネル(コフィディス)がアタック!
コンコルド広場を抜けて、セーヌ河畔通りをシャヴァネルが単独で逃げています。
大集団はクイック・ステップのメンバーが引いています。
あ~!! J・フォイクト(CSC)のサドルがありません!!
サドルのなくなったシートポストがフォイクトのお尻に刺さりそうです!!
フォイクトはこのトラブルをダンシングでしのぎます。(^.^;
シャヴァネルが吸収された・・・。
チームガーミン・チポレが大集団の先頭でルーヴル前の地下道へ。
リボリー通りに入ると、D・ミラー(チームガーミン・チポレ)が強烈な引きを見せます。
いよいよゴールまで残り1km地点を通過!
今年のツール、最後の1kmです!
ミラーが後退すると、クイック・ステップのメンバーが先頭!
M・トザット(クイック・ステップ)がトップスピードで引いて、コンコルド広場へ!
次に、S・デヨンフ(クイック・ステップ)が最終発射台となってコンコルド広場からシャンゼリゼ通りへ突入!
シャンゼリゼに入ってステーグマンがスプリント発進!
シャンゼリゼ・最終ゴールのTV画面が面白い!
選手達の横をカメラバイクが併走して、真横からの映像だ!
もの凄いスピードです!!
ステーグマンが先頭でスプリント!
後ろからG・チオレック(チームコロンビア)、マイヨ・ヴェールのO・フレイレ(ラボバンク)が迫って来た!
しかし、ステーグマンは強い!
そのまま、
ステーグマンが1着でゴール!
2位、チオレック。3位、フレイレ。
マイヨ・ジョーヌのサストレがゴール!
CSCのチームメイトに祝福されています。
最終総合成績です。
総合優勝 C・サストレ(CSC) 87時間52分52秒
2位 C・エヴァンス(サイレンス・ロット) +58秒差
3位 B・コール(ゲロルシュタイナー) +1分13秒差
4位 D・メンショフ(ラボバンク) +2分10秒差
5位 C・ヴァンデヴェルデ(チームガーミン・チポレ) +3分5秒差
6位 F・シュレック(CSC) +4分28秒差
7位 S・サンチェス(エウスカルテル) +6分25秒差
8位 K・キルシェン(チームコロンビア) +6分55秒差
9位 A・バルベルデ(ケスデパーニュ) +7分12秒差
10位 T・ヴァリャヴェッチ(AG2R) +9分5秒差
最終ステージに優勝した
ステーグマンは本当に嬉しそうです。
1勝もせずにクイック・ステップはツールを終えるのかと思いきや、最後の最後でステージ優勝をもぎ取りました。
本来ならT・ボーネンがエーススプリンターなのですが、不祥事発覚でボーネンはツール不出場でステーグマンがスプリンターとなってこのツールに挑みました。
結果が残せて良かったですね。(^.^)
各賞の表彰式です。
まずは、ポイント賞、マイヨ・ヴェールの表彰式です。
マイヨ・ヴェールはフレイレが獲得です。
子供さんを連れての表彰式です。
子供もマイヨ・ヴェールを着ています。
用意周到ですね。(^.^)
フレイレはステージ1勝。
他のステージでも上位でコンスタントにゴールし続け、ポイントを稼いでの受賞です。
M・カヴェンディッシュ(チームコロンビア)のステージ4勝でもフレイレが受賞したのですから、影の努力が報われた結果ですね。
厳しい山岳ステージを越えて、よくパリまでたどり着きました。
凄い頑張りだったと思います。
山岳賞、マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュの表彰式です。
山岳賞はコールが獲得しました。
アルプスで一気にポイントを稼いでの獲得です。
連日、ゴール地点では立ち上がれなくなるほど精根尽き果てた姿を見せていました。
毎日、精一杯走ってのマイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュの受賞です。
新人賞、マイヨ・ブランはA・シュレックCSC)が獲得です。
細身で長身、山岳に強く、数年先の活躍が本当に楽しみな選手です。
なかなかのハンサム・ガイですので、人気もあると思います。
そして、総合優勝の表彰式です。
マイヨ・ジョーヌを獲得したサストレが壇上に登場。
お子さん2人を引き連れての登場です。
後ろに凱旋門をバックに行なわれる表彰式。
見ている方も感無量です。
第17ステージ、ラルプ・デュエズの上り始めからのアタックが成功し、他のライバル達に決定的とも言えるタイム差をつけました。
そして、第20ステージ、個人タイムトライアルの激走!
最大のライバル、エヴァンスに最小限の遅れでゴールし、総合優勝を決めました。
意外や意外。サストレの総合優勝を予想した人はどれぐらいいたのでしょうか?
まさか、まさかのサストレの総合優勝です。
総合上位3人が壇上に上ります。
それぞれが晴れやかな笑顔です。
戦い終った戦士達の満足感・充実感が見て取れます。
総合2位になりましたが、エヴァンスは頑張りました。
私は第20ステージでサストレを逆転して、総合優勝を決めると予想しましたが・・・f(^^;)
ピレネーでの涙のマイヨ・ジョーヌ獲得は印象深かったですし、第20ステージの個人タイムトライアルで予想に反してタイムの伸びなかったエヴァンスに、どこか人間臭いモノを感じました。
私はエヴァンスのファンになってしまいました。(^.^)
これにて、2008年のツール・ド・フランスは全て終了です。
毎年、ツールは様々なドラマを見せてくれます。
一昨年、昨年とドーピングによる大騒動によって、かなりツールに対して冷めた感情を持っていたのですが、今年はかなりの熱戦になりました。
僅差によるマイヨ・ジョーヌの争いは、最後までエキサイティングな展開でした。
これだけ白熱するツールも、また良いものですね!(^.^)
また、来年、素晴らしいレースになることを期待しています。
長い間、お付き合い下さいました方々には御礼申し上げます。
ありがとうございました。
そして、最後に・・・。
Merci beaucoup, le Tour de France!(ありがとう、ツール・ド・フランス!)
Rendez-vous, a la prochaine!(また逢いましょう!)