熊本帰りで8000kmまで引っ張ったオイル交換と同時に6か月点検もかねて預けたところ、予約の合間にやるので時間ちょうだいと言われ、代車を借りることになり、インプレッサの2.0iアイサイトを初めてじっくりと追従コントロールなど最新アイサイトの統合制御ぶりを観察することにしました。(信頼できたサービストップが他店に移動になりショック。さて変わりが務まるやつおるかな)
スバルは2018年には高速道路での自動運転を実現すると発表ずみですが、日産、トヨタなども近い時期に実現するものと思われます。私自身は自動運転については懐疑的ですが、特定条件下でなら、すぐにも可能だが一点、「ハンドル制御」をどこまで認めるか、、に懸念があります。一方で縦の制御なら特段問題なく、ドライバーのアシスト機能としても有用と考えています。スバルのアイサイトの脅威(他社から見て)は色々ありますが、私が着目するのは2点。
一つは、低コストでこのインプレッサつまり、トヨタでいえばカローラクラスに全車標準装備化されそうな、装着率と完成度です。つまり一般大衆、もっとも厄介な層にばらまくというリスクをすでに抑え込める完成度だということ。
もう一つは、以前にも触れた「
CVTを含めた車両統合制御の頭脳」になろうとしている点です。
これはスバルが不評を超えて、頑なにCVTを推進する見えざる目的として真の狙いは
これでは?との推察を書いた「
CVTはアイサイトのために」
で述べた「パズルのピースが何を作ろうとしているのか?」が何やら見えてきました。
スバルは完全ではない、ドライバーアシストとしての「自動運転」を完全にフォーカスしています、また既に完成図が見えているようです…という話が今回のネタです。
既にエンジン制御とパワートレイン=トラクション制御+ブレーキ制御をAWD故に他社より先にひらめいた?のか、アイサイトの技術展望が最終的にドライバーの目と頭脳を肩代わりする役割まで発展可能であると見抜くと、既にアイサイトの追従クルコンの優秀さは制御手段の豊富さ、統合制御の完成度によるわけですが、今回のVer3のテスト試乗で確信しました。
まず、娘のスイフトのCVTはアクセル開度一定で走っていても、スピードメータの針は揺らさずともタコメータの回転はち密に上下して負荷に応じて変速比を変えてエンジンとの協調制御で低燃費運転を行います。これにクルコンを入れるとより顕著に最低回転数を維持しようと制御されます。狙いは低燃費にフォーカスした制御。
さてアイサイトの追従クルコン。もう娘の運転よりはうまい予測制御も含めた車速維持制御を見せます。「やっぱりか!」となったのは速度一定ではなく、車間一定をこなすため、今度はCVTによるエンジン回転数が1350rpmを針の太さの範囲でわずか揺れるものの、前車との車間を保って、40km/h~60km/hの揺れる交通の流れの中で、変速比側を変えて対応してます。従って、前車のブレーキランプが点くとやんわり減速Gが立ち上がって、車間が縮みつつ、我の速度が下がり本来回転数が下がるところを維持して=つまりシフトダウン的なエンジンブレーキの強さを上げながら、、で車間制御ができればそれを維持、車間が開けば、変速比を下げて速度をゆっくり上げます。一方、信号などで停止に向けた減速の時は、明確にブレーキ制御が上乗せされ、次なる減速度マップのブレーキが掛かります。そしてそのまま車間は詰まりつつ、速度0すなわち停止まで制御され、タコメータは最後にアイドルストップに向け停止します。
そう、マツダのi-DMが合格をくれる様な、G一定のやや強め(これは停止に向けて車間が詰まってくると、停止位置までの制御余地が減るため、早めに車速を殺して最後は少し抜くような人間同様の制御をしてくれます。そこで気が付くのです。実力的に60km/hからでも自動停止させる能力を持つブレーキ=圧力制御で速度調節するブレーキつまりポルシェやスバルのようなブレーキの基礎性能が必要。それで機械側も減速一定のマップ制御ができる。
スバルの次世代プラットフォームが、剛性アップにこだわり、ハンドリング応答遅れにこだわる理由。そう、自動運転向けには制御剛性の高い車に仕立てておく必要があるからです。直進ニュートラルで車線逸脱せず、かつふらつく前にセンタリング維持するためには、遊びの無い、入力とヨーレイトが比例しかつ、ヒステリシスが残らないような操舵系が必要なのです。
軽量化やコストといった狙いが表に上がらず、乗り味の質を高める、、、なんて言っていたけど、それはうそではないけれど・・♪ と実際は自動運転に向けた車体づくりのステップアップが隠れテーマかと思いました。
その自動制御の場合と、マニュアルで動かす場合では、パワステのモータ動作に差をつけて、変なアシスト感を無くすでしょう、そうでないとドライバーとコンフリクトして、ドキッとさせてしまいますからね。
このように、スバルのコンポーネントはそれぞれが「自動運転」に向けてセットアップされつつあります。それは「アイサイト」が単なる目としてのセンサーではなく、車そのものの全てを司る司令塔=インプット元となる頭脳になる可能性を確信しているからでしょう。
以前、CVTのエンジンブレーキにケチをつけました。コースティングのように低燃費滑空感が全面に出て、車間維持などの運転しにくさを感じたからです、凍結路ではなおさら。ところが、今回の追従クルコンにセットすると、卑怯なことにマニュアル運転と違ってアイサイトは前車との車間をよりどころに、トラクションというか、エンジンブレーキ力をCVTの変速比とエンジン制御を統合して、G一定の滑らか運転をしやがるのです。そりゃそうですよね、マニュアル運転しているときには、前方詰まっているからアクセル抜くのか、速度を維持したいから抜くのか、割り込まれたから少し強めのエンブレほしいのか、ドライバーが伝える手段が無いですもんねw。(実際はアクセルペダルの抜き量で全抜き、とちょい残しでSモードは使い分けできたが)マニュアルモードでは低燃費にフォーカスしたスイフト同じように最低回転数で走れるようにCVTは動く。 多分、約半数の人は追従クルコンの方が、低燃費だと思われるw。これは回生エネルギーシステムを持つなら間違いない。
このように、「前車に追従させる」という命令の形で伝達すると、車がABSからVDCに代わって各輪個別ブレーキでヨー制御なんて離れ業に進化(人間はブレーキべダル1個の制御しかできないのに)したのと同様、
①車線の真ん中走ればいいんですね。
②速度でなく、車間を保てばいいんですね
その中で頭を前後に揺らさない運転してみせますよ。
③信号赤だと、ほんとは停止パターンのブレーキ制御にしたいんですけど、国交省が認めないから、ブレーキ踏んでください、CVTはブレーキに備えときますけど・・・。
④前の車発進したから、ついてゆくならまたON入れてね。・・で入れると少し元気な加速でついてゆきますよ。早めに速度上げて低回転低速モード長くとった方が得だからね。
と言った制御をエンジン、パワートレイン全体で統合制御してくれるのです。マニュアル運転されると、予測運転出来ないんですよ、だんな!。
という具合であった。
私はますます、CVTとアイサイトの組み合わせが欧州の「多段AT」とは目指す世界が違うのを見たように感じた。
あ、余談ですが不便というか、危ないのが追従クルコン運転で街中を親指だけで足を使わない半自動運転を満喫していると、先行車が黄色信号で行ってしまった場合、スバルも付いていこうとするので、慌ててブレーキを踏まされて「我に返った」ことでした(;^_^A 早晩赤信号の判定も自動にした方がむしろ安全で、ドライバー側が「無視していくんだよ」という時だけ、アクセルを踏む制御の方が安全かもと思ったw。(これは信号側に制御ビーコンの整備が出来れば実現できるだろうな)
そんなわけで、近未来の課題を垣間見せてくれたアイサイトVer3は、「衝突安全ブレーキ」という他社がうちも付いてます、、というプロパガンダをしているうちに、その領域を離れ、現実には「車両運転制御システム」の主役になっているというオチでしたw。
次回はダイナミック&ソリッドについて♪
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2016/05/13 01:04:49