最近良いペースで本が読めています。スカイリムとMH3Gが出たらゲーム三昧確定なんで、今の内に教養を深めたいもんですねぇ。
―関東電力九十九里浜原発の建屋内で、一晩中多量被爆した死体が見つかった。その手には猿蟹合戦の一文が書かれた紙が握られていた。
中央新聞が大スクープとして報じたが、電力会社によるあの手この手を使った隠蔽工作で一転、大スクープは捏造記事とされてしまう。真実を求める新聞記者たちは、原子炉という幾重にも包囲された密室に立ち向かっていく。
書店のかなり目立つ所で平積みされていて興味を惹かれ衝動買い。
どうやら30年前に出版された作品の新装版のようです。帯に“今だからわかる、この小説の凄さが。”と書いてありますが、確かにそう思います。
この作品は勿論フィクションですが、様々な原子力関係の資料を元に書かれています。
それにより、原発内の構造やその管理の杜撰さ、電力会社の隠蔽体質、下請け企業の過酷な労働、政治家との癒着、汚い金の流れなどが良く判ります。
あれ?
これ最近なんかで見た事あるなぁ…と思ったら、福島の原発事故後の東電と政府にそっくりなんですよねぇ。
つまり、現在の電力会社や政府などの呆れた体質は、30年前から変わらずに来ているワケなんですね。今に始まった事じゃないんです。無論、解っていましたが( ´,_>`)
450ページ程の作品ですが、先が気になって気になって、一気に読んでしまいました。やっぱりミステリー小説は面白いですね。
発表当時、乱歩賞を受賞している本作。読んでいて古くささは感じませんでした。
原発事故以降、原子力について興味を持ち始めた方もいらっしゃると思います。そんな方にも是非読んで頂きたい、社会派推理小説でした。
Posted at 2011/11/26 18:05:24 | |
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