もうすぐ梅雨明けですね。
先日、観たかった映画をようやく観ました。
『いま、会いにゆきます』
日をおいてから再度観ましたが、
ハンカチなしでは観られませんでした。(泣)
今も心は切ない気持ちの余韻でいっぱいです。
映画の中では
逆さにつるした「ふれふれ坊主」が出てきたけど、
やっぱり雨は降らないで欲しいので、
てるてる坊主をぶら下げます。
以下は内容を引用していますが、あしからず。^^;
――雨の季節に訪れた、6週間のせつない奇蹟。
その愛は優しい雨のように心に降ってくる。――
市川拓司のベストセラー小説『いま、会いにゆきます』が映画化。
監督:土井裕泰、原作:市川拓司、脚本:岡田惠和
キャスト:竹内結子(秋穂澪)、中村獅童(秋穂巧)、武井証(秋穂佑司)
製作:2004年 ラブ・ファンタジー映画。
全編とおして、キレイな映画でした。
美しい風景がとても印象的です。
薄暗い森の、木々の間から差す白い光。
梅雨の景色も明るく軽やかで、
こんなに清々しいと感じられる雨のシーンは初めてです。
スクリーンいっぱいに、ひまわりに囲まれたシーンも心に刻まれました。
観終わったあとは、何だか心がほわ~っとして、
とてもやさしくなれる映画です。
亡くなった妻が生き返ってくるという
現実には絶対ありえない内容を、何の違和感も感じさせず。
それぞれのキャラクターの時間軸もバラバラなものを
完璧にエンディングさせるストーリーも見事でした。
(原作が素晴らしいの♪)
証くんのかわいさ、結子さんの笑顔、獅童さんの少年っぽさ?が印象的で
見れば見るほど、この映画が丁寧に作られていて、
繊細かつ丁寧に澪・巧を演じていたのがわかります。
映画でも、一瞬で通り過ぎていく短い”奇蹟”が
上手く表現されていました。
愛というより恋の「ときめき」。
ファンタジーというより「涙の純愛」。
哀しいけれど幸福な、恋愛映画です。
* * * * *
一回忌にも関わらず妻、秋穂澪(みお)を失ったことから
まったく立ち直れない夫、秋穂巧(たくみ)は
ひたすら弱い男を演じています。
透明でナイーブな張りのようなものと、
やわらかな、透明感のある文体がこの映画のスタイルになっていて、
細く、繊細な旋律に包まれて、ゆったりと物語が流れていきます。
小さなゆうじくん。
舌ったらずな台詞まわし、とてもかわいかった♪^^
「ママは雨の季節が終わったらアーカイブ星に帰っちゃうの?」
(梅雨が明けてほしくない・・・)
1つずつ増えていく、窓辺につりさげられた
逆さのテルテル坊主が悲しさを誘います。
楽しい時間がいつか終わってしまうことを
わかっているからこその楽しさや、
大切にしていこうと思う気持ち。
空気を感じ、雰囲気に漂い、
穏やかに心に浸透してくる・・・。
「おはよう」とか「いってらっしゃい」、「おやすみ」。
日常に何気なく溢れている言葉たちは、
幸福の言葉だったんだと言うことに気づかされました。
忘れていた懐かしい”優しさ”というものを思い出させてくれる気がしました。
6週間後の雨の季節が終わりを告げるのとともに、
澪は再び巧たちの前から去っていく運命......
観ている方は結末を想像してしまって涙腺がゆるみっぱなしでした。
もうすぐ消える運命にある澪が、
巧に心をよせている、巧の勤務先の同僚(永瀬みどり)を
喫茶店に呼び出して頼みごとをするシーンは
けっこう好きな場面です。
一見、澪の自分勝手な行動にもみえて、
男性と女性では意見がわかれるようだけど。
家族を大切に想い、守りたいと思いながらも
女としての未練と葛藤で困惑する澪。
きれいなストーリーだけではない。
実体のない澪の存在に、現実味が増します。
まっすぐ前をむいて、ピンと背すじをのばして、ひまわりみたいな澪。
とても強い意思の裏にある苦しいほどの「決心」は
同性だからこそ強く共感できる部分だったし、痛いほど伝わってきます。
巧と澪の恋愛を、片方の側から順番にみせながら、
比べる形で締めくくるストーリー。
巧の片思いから始まったはずの恋が、澪の片思いでもあり
実は目に見えない相思相愛だったこと。
人は言葉や手話がないと想いを伝えることはできないけれど。
でもその言葉でさえ他のさまざまな情報によって
全く違って伝わってしまうのが、よくわかる。
人間みんな自分本位だから。
想いって伝えにくいものですね・・・。
叙情的な映像の中、最後の澪の回想シーンは
とても泣かずには観ることができませんでした。
雨の日の別れは涙を誘うけど、
未来を見てもなお、巧と生きる道を選んだあのシーンで終わることで、
意外性と爽快さで、悲しいという気持ちはありません。
ラストまで見て後から考え直すと、最初に想像していた考えを
超える部分がたくさんあって、見る度に味わいが深まります。
この映画のメッセージ。
それは、とてもシンプルで、
「ただ、愛している」
ということだと思います。
巧と澪のピュアであたかい愛に、涙が流れました。
ラストの澪の「春みたいな笑顔」、本当にいい表情。
全てを受け入れ、見せる微笑み。
大好きです。。
もし、このままあなたと会わなければ
私は違う誰かと結ばれて、違う人生を送るの?
28歳で死んだりしない未来が待ってるの?
たとえ短くても
愛するあなたたちと一緒にいる未来を、私は選びたい
秋穂君、巧、佑司
待っていてください
いま、会いにゆきます――
やさしい雨のように、この物語の愛情が胸に染みました。
改めて自分の大切なものを考えさせられる映画でした。
18歳になった祐司と、巧のラストシーンには、
もう一人、あの人も加わっていたらよかったですね☆
Posted at 2006/07/29 12:14:07 | |
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