年も押し迫った本日、今年最後の機体がロールアウトしました。イギリス海軍艦上戦闘機であり、最も遅い時期まで運用されたレシプロ機の中の一機、ホーカー「シーフューリー(シーフュアリ)」です。この機体は初飛行が1944年秋ですが、配備は太平洋戦争終結後になり、実戦としてはその後の朝鮮戦争に参加した機体です。陸上の戦闘機は早々にジェット化が進んだのに対して、制限の多い空母から運用される戦闘機は開発が難航し、中継ぎ的な役割ながらイギリス海軍の艦上戦闘機として使われました。(よろしければ
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エンジンはなんと2500馬力、先輩にあたる「
ハリケーン」の2倍以上の出力を活かし、戦闘機としてだけではなく、900kgまでの爆弾やロケット弾を積んで攻撃機として活躍したそうです。最高速度も700km/hを越え、米海軍のF8Fベアキャットと並び、退役後も多くのスピードレースに参加するなど、現在でも飛行出来る機体が多く存在します。
ちなみにホーカー社では、「ハリケーン」以降「
タイフーン(トルネード)」「テンペスト」という重量級戦闘攻撃機を開発していましたが、この「シーフューリー」は軽量であることも目指した機体。朝鮮戦争時にはジェット機であるミグ15を撃墜、撃破したという輝かしい記録が残っています。
まあ、そういう歴史もさることながら、やはりレシプロ機としては完成された美しさがこの機体の最大の特徴かも知れません。どちらかというと無骨な設計のホーカー社のものとは思えない(笑)端正な胴体、楕円形を基本にした主翼の平面形・・・ついでに潔いほどシンプルなツートン塗装・・・そういった事の積み重ねで、レシプロ機の有終の美を飾った機体であると思います。
さて、「最後のレシプロ機」シリーズ(シリーズなのか?w)として、本当は忘れてはならないもう一機のイカした艦上攻撃機があります。美しくはないけれど、その活躍はもっと長期間にわたり、大戦末期に試作機が飛び、ベトナム戦争まで活躍した機体です。こちらは(多分)年明けの課題としたいと思いますので、乞うご期待(笑)
PS 今年
最後の機体→
最後のレシプロ機というべたな企画・・・というのは内緒です。
Posted at 2006/12/30 18:23:33 | |
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