スクラブ半径とは、前輪の操向軸の延長線が地面に接する点とタイヤ接地面の中心との距離をいう。
スクラブ半径は、簡易な方法で調べることができる。地面にチョークを塗っておき、前輪をその上に移動させて、ハンドルを左右に切ると、写真のような円形の模様がタイヤに付く。この模様の中心が操向軸が地面に接する点なので、ここからトレッド面中心までの距離を測ることでおおよその値を知ることができるのだ。ボンゴの場合、ほとんどゼロかわずかにポジティブスクラブなのがわかる。
現代の車にはスクラブ半径が大きくポジティブ側になっているものはほとんど見られない。これは、スクラブ半径を大きくとると低速でハンドルが軽くなるのだが、今の車はパワステつきなのでその必要がないこと、および主流のFF車ではトルクステアが大きくなるという欠点があるからだ。
もっとも、ホイールを交換することにより、スクラブ半径は簡単に変化させることができる。具体的には、ホイールのオフセットを小さくすると、スクラブ半径はポジティブ側に変化するのだ。この場合、車の操縦性に大きな影響を与える可能性がある。
ポジティブスクラブが大きいと、道路の凹凸、タイヤの転がり抵抗、ブレーキ力、タイヤのパンク等でタイヤに後ろ向きの入力があった場合、上から見てタイヤを外向きに回転させようとする力が働く。つまり、ハンドルをとられるのだ。ブレーキやパンクといった場面では車により安定性が求められるのに、不安定な方に傾くことになる。高速走行時の安定性を重視する欧州車がネガティブスクラブを採用するのはかかる危険を避けようとするからに他ならない。
ホイール選びの際、私はオフセットを極力変えないように気を使う。「ツライチ」のかっこよさにこだわるあまり、急なパンクや左右で摩擦係数が違う場所でブレーキングした際にハンドルを取られて事故してしまうのはつまらないからだ。でも、ネット上で見る限り、オフセットを平気で大きく変えている人も多いようだ。大丈夫なのだろうか?
運転日報
天候:晴れ 後 曇り
走行距離:60キロ
走行条件:市街地・郊外一般道
積載:100㎏以上200㎏未満
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クルマ談義 | クルマ
Posted at
2006/09/28 19:15:05