この記事は、
軽自動車での遠乗りは疲れる!について書いています。
長距離運転で疲れるかどうかは排気量では決まらない。また、背の高い車はダメとかホイールベースが長くないとダメとか車体が軽いのはダメなどというディメンジョンのみでも決まらない。それらは確かに傾向としては言えるものの、例えば高速で横風を受けたとき、普通のセダンタイプでもクタクタに疲れる車もあれば、コンパクトカーで背の高いタイプでも修正が容易で大して疲れないものがある。また、大雨や轍など道路条件が悪いときでも、重くて4WDだけどやたら神経を使って疲れる車もあれば、軽量のFWDでも大して苦にならないものもある。さすがに上り坂や追い越しのときの速度はエンジンパワーと車体重量、空気抵抗の関係で決まってしまうけれども、それ以外の部分は単純に小さい車だからダメなどと決めつけられるものではない。
それでは何が疲れに影響するのか。私が思うに、一番大きな要因は運転が楽しめるかどうかである。人は楽しいことをしているときは時間が早く流れるように感じる。逆に苦痛を感じるときは時間が遅く流れる。自動車を運転しているとき、苦痛に感じるのは退屈と不安である。この退屈と不安は同じ原因で生じる。それは、自動車との対話がうまくいかないとき、自分の操作に対する自動車の反応が思うようにならないことから生じると思う。
私にとって自動車の運転は楽しい、快楽を感じる行為である。カーブ、勾配、他車、横風、降雨、積雪等々、外界の変化に対して認知、判断、操作を的確に行い、それに自動車が的確に応えて疾走する、スポーツに似たFUNな行為なのだ。そのような運転には、外界の情報をきちんとドライバーに伝え、ドライバーの操作にはリニアに反応する、予測に反した反応はしない車が望ましい。高速の横風について言えば、10メートルの横風を受けたら10メートル相当のステアリングの「とられ」を感じ、それにドライバーが10メートル相当の「あて舵」をすればビシっと真っすぐ走る、20メートルの横風なら20メートル相当の「とられ」になり、ドライバーが20メートル相当の「あて舵」をすればまた真っすぐ走る。そしてその風速と「とられ」と「あて舵」の関係がいつも一定で、ドライバーに不意打ちを与えないことが大切だと思うのだ。ドライバーの操作に従わず、不意打ちを与える車はドライバーに操作に集中することを諦めさせ、結果として退屈な気分にさせるし、思ったように操作できないことはドライバーを不安にさせる。退屈と不安は苦痛につながり、疲れの原因になる。
同様のことはステアリングだけでなくアクセルやブレーキ操作についてもいえる。道路の勾配が変化したとき、ドライバーは速度変化をしないだけの最小限のアクセル操作を行おうとする。熟練したドライバーなら速度がわずかに変化しようとするその時にわずかにアクセルを操作して一定の速度を保とうとするのだが、車によってはアクセル操作に過剰反応し、シフトダウンを伴って急に加速するようなものがある。意に反して加速しだしたのでドライバーはわずかにアクセルを戻すのだが、今度はシフトアップして急に失速する。それを2,3秒間隔で繰り返すような車もあり、そういう車を運転しているとパーキングに乗り捨ててバスで帰りたくなってしまう。ブレーキもそうだ。ブレーキを操作するとき、踏み込み量と踏み込み速度はドライバーが求める減速度によって決まるのだが、中にはブレーキアシストが介入してドライバーの意に反して急ブレーキがかかる車がある。大きなお世話だというほかない。
ドライバーと自動車の対話がうまくでき、運転が楽しく感じられる車であれば、長距離でも疲れない。では、自動運転になるとどうなるか。自動車との対話はステアリングやペダルを通じたものではなく、人工知能と世間話、になるのだろうか。「トヨタの車はノリがいい」「日産はクラい」って評価になっていくのだろうか・・・。
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クルマ談義 | クルマ
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2017/08/31 01:28:55