以前の記事でも書いた
ベトナムの運転ルール8か条であるが、その中でも一番根幹にあるのは「1、自分の前にあるものにぶつけてはいけない。2、それ以外は気にしなくてもよい」というルールである。このルールに従っていれば、ものすごい数のバイクが交錯する環境でもそれなりに気楽に走ることができる。ただし、ブレーキの使用頻度がかなり高くなる。
今回妻のバイクを買うときに、安価な総輪ドラムブレーキの車種にするか、それより少し高い前輪油圧ディスクブレーキの車種にするか、けっこう迷った。結局我が家の家訓「ブレーキとタイヤには金を惜しむな」に従い、前輪油圧ブレーキ付きのものにしたのだが、これが正解だったことはすぐに実感するに至った。
というのも、我が家では家族で移動するときにバイクに三人乗りしている。三人分で体重は150キロ程度になる。前輪ドラムブレーキだと、一人乗車でも前輪をロックさせるほど効かない。これが三人乗車だとなおさらだ。足で踏む後輪ブレーキはそれなりに効くものの、三人乗車でもやはり後輪は簡単にロックしてしまい、スリップして制動距離はどんどん伸びていく。
これが油圧ディスクブレーキだと、制動力としては三人乗車で前輪をロックさせるに十分であり、しかも制動力のコントロールがやりやすいので、ロック寸前の最大制動力で「ぎゅ~っ」と効かせることができる。さすがにフル制動だと後席から「ひえ~!」というような声が上がるが、タイヤのグリップの範囲内で最大制動ができるブレーキというのは、バイクにとって絶対必要なものだと思う。ドラムブレーキだと急制動できないので後席から抗議の声も上がらないが、それはやはり本末転倒だと思うのだ。
カブ系の小型バイクでも急制動時の制動力配分は前7~8割、後2~3割が妥当である。負荷の大きい前輪ブレーキはディスクブレーキに限る。自車の運動性能が路上の同種の車の平均的なレベルより下にあるというのは、安全面で大きなハンデを負っているのと同じことである。わずか1,2万円でそのようなハンデを負わなくて済むのなら、それにこしたことはない。
Posted at 2015/10/21 00:48:13 | |
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