スカイラインが大柄で空気抵抗が大きく、重量も削減できない・・といった制約を2ドア化、HT化によってかなり改善して、さらにエンジンのチューニングによって戦闘力を増す中、マツダは、相変わらず苦しい戦いを強いられてきた。
全ては、吸気の方式を「ペリフェラル・ポート」から「市販車」と同じ「サイド・ポート」にレギュレーションが決められてしまったからだ。。。
「サイド・ポート」では、吸気と排気の「オーヴァーラップ」が大きく取る事が出来ず、高速域でのパワーアップが非常に困難になってしまうのだ。。。
さらに、「サイド・ポート」では、吸気の吸入経路が90度曲がってしまうので、意外な程、吸気の抵抗が増し、レスポンスにも影響を及ぼしていたのだ。。。
マツダは、1970年カペラを発売し、それまでの「ロータリー・クーペ」の「10Aロータリー」より排気量の大きな「12Aロータリー」を搭載させた。
この時点では、実は「ペリフェラル・ポート」での開発が終わっており、250PSを軽く超えていたが、「サイド・ポート」になると220~230PSしか馬力が望めなかった。。。
しかし、マツダ勢にとって、馬力の上がらない「ロータリー」であっても、「車両重量の軽さ」、「空気抵抗の少なさ」、そして意外に見落とされがちなのだが、「発売年月の新しさ」つまり「設計年度の新しさ」でGT-Rを迎撃していたのだが・・・現実には、
「GT-Rに対抗できるポテンシャルは備わったが、GT-Rを確実に撃破するまでのパワーは持ち合わせていなかった・・」
のである。。。
1972年3月10日、サヴァンナの対米輸出が開始された。
輸出されたサヴァンナの名前は、
「サヴァンナRX-3」・・・
実は、この対米輸出には、マツダ・ロータリーの拡販と共に、「マツダ」にとって「秘策」があったのだ・・・
搭載エンジンの名称は「12Aロータリー」。
それまで国内仕様の「サヴァンナ」には、「ロータリー・クーペ」に搭載された「10Aロータリー改」が搭載され「GSⅡ」というグレードがトップグレードだったのだ。。
「12Aロータリー」を「サヴァンナ」に搭載すれば、「馬力荷重」では完全にGT-Rを上回る事ができる。。そう、マツダは北米での拡販と共に、打倒「GT-R」の秘策として、まずは北米向けに「12Aロータリー」を搭載したのであった。。。
果せるかな、北米輸出を開始したと同時に、「マツダ」は「サヴァンナRX-3」の「公認車両認定」を、8日後の「3月18日」には受けていたのだった。。
しかし「マツダ」はさらに「サヴァンナRX-3」の戦闘力を上げるために
「サイド・ポート」チューニングの「秘儀」を開発していたのだった。。
まずは、単純に「サイド・ポート」の「開口部」を広げると共に、吸気の「タイミング」を早めるために、拡大した「サイド・ポート」の外側にさらに「弓形のポート」を追加したのだ。
この追加された「拡大サイド・ポート」の横の「弓形ポート」は、非常に位置と加工が難しいモノであった。
というのは、「弓形ポート」の加工と位置を誤ると、「オムスビ型」のローターの頂点の「アスペックシール」と、ローターの側面の「サイド・シール」が「脱落」や「破損」する場合があったのだ。。。
さらに「サイド・ポート」の拡大と、この「弓形追加ポート」の位置と大きさを阻害する要因としては、ポートの近辺には「冷却用」の水路もあったのだ!
この「冷却用水路」も「ポート拡大」を妨げていたのである。。。
よいよ「マツダ」の「秘策」もここまでか・・と思われたその時であった。
誰とも無く呟いた・・・
「冷却水路を無くしてしまったらどうだろうか?・・」
急いで「熱分布」の見直しが行われ、そして・・・
「マツダ」の技術者達は、ポート周りだけ「冷却水路」を塞ぐという驚くべき対策を打ったのだった。。
その結果、さらなる「ポート」の拡大が可能になり、
「10PS前後」の馬力を得る事に成功したのだ。
「サヴァンナRX-3」は最大で240PSを得る事が可能になり、「馬力荷重」で完全にGT-Rを上回る事が確実になったのだった。。。
その頃、GT-Rは激しい降雨の中、念願の「50勝」を手中に収めていたのだった。。。
豪雨 ハコスカGT-R 50勝目豪雨の勝利:
http://carlife.carview.co.jp/User.asp?UserDiaryID=202334
Posted at 2005/06/13 00:09:33 | |
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