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徳小寺 無恒のブログ一覧

2005年11月11日 イイね!

稲妻 R30スカイラインのイメージは稲妻だった。。

稲妻 R30スカイラインのイメージは稲妻だった。。クルマの開発とは、まったく奥が深いモノだ・・

特にスカイラインの開発に関しては、櫻井眞一郎氏のカリスマ性も手伝って名言逸話にいとまがない。。。

その中でも、R30の開発キーワードが「関ヶ原の稲妻」だった事は有名な事だ。

もともと、櫻井氏のクルマの開発には、まず櫻井氏が、新しいスカイラインのイメージを物語として、スタッフ語り開発が始まるのだ。

R30の開発のコンセプト固めのストーリーが「関ヶ原の稲妻」だったのだ。。

しかし「関ヶ原の稲妻」というキーワードは、当初から在ったのではなく、開発が進むにつれて自然に生まれてきたキーワードだというのだ。

それでは具体的に、R30のストーリはどうだったのだろうか・・・

まずは登場人物は・・・

「一人の男がいます。一人の女がいます。二人は恋人で付き合いあって5~6年でしょうか。男は30歳を超えており、女はその2~3歳下です。それだけの年齢と付き合い歴ですから二人になった時のハーモニーは落ち着きと新鮮な感覚が同居しています」

と30代の男女が登場人物になっています。

ここから新しいスカイラインのターゲットする人物像を浮き上がらせています。

その男女が日光・関ヶ原奥にあるホテルに向かう事になったのだが。。

ところが、男に急に会社の責任者としてないがしろに出来ない、責任を問われるほど大きな問題では無いが、プライヴェートよりは優先した方が良い仕事が入ってしまった。。

男は女に電話をかけ、女は一足先に、そのホテルに向かう事になったのだった。

男は淡々と仕事を続け・・・

「彼が新しいスカイラインのシートに座れたのは、8時を過ぎていた。この空間、このにおい。新しいスカイラインは、心と体をを預けても「ご安心下さい、あなたの気持ちはわかっていますよ」とささやいているようだった。」

市街地を抜け高速に入るシーンでは。。。

「高速道路に乗ると、スカイラインは本来の健脚ぶりを発揮した。ギャロップしていた足並みは、ここで本格的な走りをみせた。(中略)
スカイラインは、主人の感情を感じ取っていた。規制を超越してしまったのは結果である。両者は、結果としてルール違反になる速度を出していた。
クルマが「早く行こう」と語りかけ、主人も「うん、そうだ」と応える。なんとも、情が通じ合っている。クルマが生きている・・・生き物が生き物の意思を体得していた。」



ここで櫻井氏は、クルマと人との繋がりについてスタッフに語っています。

「クルマ(スカイライン)は、単純な機械じゃないんだ。人と語り合えるハートのある生き物なのだ。」

「決してクルマが、人の意思を超えてはならない、クルマは、人と対等にコミニケーションできるツゥールなのだ」

という事を説いているのだった。

さらにスカイラインは進み、よいよ自然に囲まれた日光・関ヶ原へと駒を進めた。

それまで、降り続いていた雨はさらに勢いを増し、嵐の様相を呈していた。

「いろは坂を登る。舗装された道は、まるで滝だった。曲がり曲がった道は、まるで「ファイト」するための道だった。スカイラインは彼の為に一生懸命だった。彼は、スカイラインが頼もしかった。熱いエンジンの鼓動は永久に持続するのではないかと思えるほど、信頼があった。降りしきる雨の中を、スカイラインは中禅寺湖畔に姿を見せた。」(中略)
「自然が「むき出した」中で、二条のライトは闇を切り裂いていた。あまりにも対照的な暗黒と光。投影された道と雑木とブッシュを克服しては後へ流す。」(中略)

そしてよいよクライマックス。。。。

「一瞬のはげしい雷鳴が光と共にとどろいた。猛威をふるう雨と風の中、スカイラインは一瞬だけ暗黒からシルエットを見せた。白く青く見えた雷光の下に、シルエットが浮かんだ。頼るものが何も無い大自然の激しさの中、「人馬一体」の意思には。恐れるものは何も無かった。。。」

櫻井氏は、このストーリーを薄暗い開発ルームで、何度もスタッフに語りかけ、R30というスカイラインの姿を伝えようとしたのだ。

スカイラインより早いクルマは、世の中に星の数ほどいる。
スカイラインより印象的なエクステリアのクルマもたくさんある。

でも「スカイライン」ほど、注目されて、愛されるクルマは少ない。。。

それは、こんな人との繋がりに重きをもった氏の開発姿勢が、多くの支持を集めているからに他なら無いと思うのだ。

顧みて今のスカイラインはどうだろうか?

理屈詰めで煮詰められた走行性と操縦性。静粛性が高く広い室内。

クルマとしての完成度は、ある意味で歴代スカイライン一番だろう。。

しかし、あそこもダメ、ここもダメ・・と言われ続けられながらも、人々の気持ちを捉え続けてきたスカイラインの不器用さや、人情に訴えかける不思議なオーラは失われてしまった様な気がする。

こんな事を言ってしまう私も、歳を取ったのだろうか?

僕は、何時までもクルマに「情」とか「暖かさ」を感じていたい・・と思うのだが、それも黒字になった日産には求める事は酷になってしまったのかもしれない。。。。
Posted at 2005/11/12 21:27:33 | コメント(5) | トラックバック(0) | スカイライン | クルマ

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「後視 いやぁこんなに簡単なバックカメラがあったなんて!! http://cvw.jp/b/124785/23876370/
何シテル?   01/04 14:54
無類のクルマ好きで、日産車を愛してやみません。 徳小寺 無恒のHNを引っさげ、かつての愛車、ワインレッド・パール・ツゥートンのU14ブルーバードの話題を軸...

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