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徳小寺 無恒のブログ一覧

2010年10月10日 イイね!

騙絵 K13マーチデザインの真髄は「トリックアート」だ。

騙絵 K13マーチデザインの真髄は「トリックアート」だ。新しいマーチK13は、非常に完成度の高いエクステリアで登場した。ただ、完成度と商品性とは合い一致しない事も往々にしてあり、今回のマーチもその例に漏れないのかもしれない。

僕は今回のマーチのデザインの印象は 「騙し絵」 、トリックアート的だと感じた事だ。

マーチたるデザインのアイデンティと言われている、真横から見たアーチ形状を成立させる為に非常な苦労をしている。

端的に言えば、欧州を始めとする海外市場での要求である高速移動には「空力」が重要となる。それとの整合性の巧みだ。

2BOXデザインにおいて、ルーフ後端の処理で空力が大きく変わって来る。単純に空力を上げるのであれば、後端を伸ばして高さを稼げば良いのだが、それではデザインの制約が出てしまう。
事実二代目マーチ、K11では丸いルーフを成立させたいデザイナーと、高速時での安定性、最高速を延ばしたい実験部隊で長時間に及ぶ葛藤があった。

そうそう、K11マーチのデザインのテーマをご存知だろうか?これが意外に知られていないのだが

「ビバンダム」 がキーワードになっているのだ!!

そう、あのミシュランの有名なキャラクターなんだが、ビバンダムの「丸さ」、「四頭身の愛らしさ」と、火事の時に、タイヤで身を包んで建物から飛び降りて命を守ったというビバンダムの発祥となった「安全性」の思想も込めようというものだった。

K11のデザインアイデンティが「ビバンダム」だった事が、意外に広まっていないのは僕にとって意外なんだが、K11マーチの丸いかわいさは、そうしたビバンダムの数々の隠された思想が生きているから「味」があったのかもしれない。。。

さて、ハナシを本題に戻すが、K11の愛らしい丸さを生かすために、デザイナーは頑張った、しかし、欧州をターゲットとした戦略にあっては、どうしても空力を上げなければならなかった。そして、生まれたのが、目立たないように 「テールゲートの上端に8ミリの段差」 を付加し、フロントバンパー下部に10ミリの 「面」 を付けて、CD0.36を達成した。

それが今回のマーチでは、アーチ型のルーフラインと、空力を向上するルーフ後端形状を、デザイン力で成立させているのだ。


数々の難問を、高度なデザインでクリアーして出来上がったのがK13マーチだ。

斜め前から見ると、まったくルーフ後端形状がまったく見えない。これが徐々に真横に回ればフール後端を延ばして高さを稼いでいるのが分るが、それが違和感無く実に自然に全体のデザインに溶け込んでいる。

これが斜め後ろ上から見ると、いやぁまったく複雑な面で構成されているのが分る。


俗に言うマーチらしさルーフラインと、空力を成立させる形状を成立させる為に複雑な面でリヤ上端が構成されている。(画像:モーターファン別冊より)

K11では、ミリ単位で凌いでいたデザインが、K13では立派に空力が成立する形状にして、なおかつ、丸いルーフラインを、今度は小手先の処理ではなくデザイン力で両立させているのだ。

さらに、空力へのチャレンジは進んでいて、フロントバンパー下に、ブラック処理でまったく目立たないようにチンスポイラーが鎮座している。

それがパッと見た目には目立たない、見えない様にデザインされている、そこで僕はK13のマーチのデザインを「騙し絵」、トリックアートと称している訳なのだ。

まったくK13は、デザイン力でマーチらしさと、実用性を両立させている、恐ろしく理詰めで、完成度の高いデザインなのだが・・・・それが、余りにも優等生で、面白味にかけているのが少々残念なところだ。

さらに造っているのが日本では無く、他所の国という事で、芳しくない評価になっている。

僕は全くの日産ファンだ。どうしても日産からリリースされるクルマには甘い評価を与えてしまうが、今度のマーチには、色々な思いや複雑な感情が入り乱れている。

初代マーチのネーミングの公募に参加し、スーパーターボの登場に心を躍らせ、二代目には、どの日本車も為しえなかった「欧州カーオブザイヤー」の受賞に歓喜し、三代目にはルノーとプラットホームを共通化した事によってさぞかし欧州テイストが・・・と思いつつも、実際には、ステアリングの違和感、操縦性の酷さに閉口して、あぁこれで日産も終わったな・・・と落胆した事を思い出した。

K13は実にデザイン力に優れている。これは間違いない。ただ、それが商品力に繋がるかは、正直疑問を持っている。

ただ、初代も出た当初は、まったく平凡なデザインで、これが次世代を担う日産車なのか!?と思ったかが、矢継ぎ早にパワープラントやデザインのリファンが進み、最終的には、忘れえぬ日産車の一台になった歴史がある。

きっと、K13もと願いたいのだが、ここ数年の日産の根性無しの様相を見れば、それも適わぬ何とかとも感じている事も事実だ。

K13は、本当の意味合いで、これからの日産が、どの様にクルマに向き合って行くかを表す、貴重な生き証人になるのかもしれない。

海外ばかり目が行き、排気量やガタイがでかいクルマを作る事に熱心で、どうもMクラス以下のクルマには熱心でない今の様相を見れば、新しいマーチもねぇ・・と思うのは当然の成り行きだろう。

そういった意味合いからも、新しいマーチには頑張って欲しいのだが・・・これからの姿を注視して行きたいと感じているのだ。
Posted at 2010/10/10 21:26:00 | コメント(2) | トラックバック(0) | クルマ | クルマ

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「後視 いやぁこんなに簡単なバックカメラがあったなんて!! http://cvw.jp/b/124785/23876370/
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無類のクルマ好きで、日産車を愛してやみません。 徳小寺 無恒のHNを引っさげ、かつての愛車、ワインレッド・パール・ツゥートンのU14ブルーバードの話題を軸...

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