スタットレスに関しても昨年度は、サマータイア同様に動きが鈍かったが、その中で気を吐いていたのがBSとYOだろう。
正直、BSの前作 「VRX」 は気合が入っていたが、トータルバランスでどうもREVO GZ の方が良かったんじゃないっていう声が良く聞こえた。
普通に乗っている分には良いのだが、ちょっとした坂道や、ブラックバーンに行った時の、もうひと掻きが今ひとつという声が聞こえた。自分も昨年、新潟に行った時に知人の VRX 装着車に乗ったが、知人宅に入る急な上り坂で、圧雪の手前の雪道だったのだが、ちょっとトラクションコントロールの介在がおおいなぁなんて感じていた。
氷雪路では、相変わらずイヤハヤ、ゴムなのに、ここまでよくぞ止まるなぁなんても思ったのだが・・・
そんな声が届いたのかどうか分からないが、いつもより早めに
VRX2 というニューモデルが出て来た!!何かあっても、スグに直して新商品を出せる早業は、さすが資本力があって、技術者の多い会社ならではで、その点では他社の追従を許さないのは憎らしい限りだ。
ちょっとっでも不評や、強力なライヴァルが表れると、あっという間に新製品を出して他所を突き放してしまう・・・BS恐しだ。
まだ新しい
VRX2 を履いている知人や友人が居ないので、ハッキリとしたインプレは分からないのだが、たくさんのプレスリリースのパターンの画像を見ると、エラクスッキリしたなぁという印象を持った。BSのリリースした文書を読み解くと、コンパウンドの性能が究極まで来たので、これまで、細かい溝サイプをどれだけ切れるかで、氷上グリップを得ていたのだが、そうしなくとも氷上性能が確保できるので、サイプを減らし、代わりにブロックを大きめにして剛性を上げ雪上や氷雪路での引っ掻き性を確保したというモノだった。
かつては、コンパウンドの氷着性だけでは、どうしても氷上性能が確保できなかったので、如何にトレッドの剛性を落とさずにサイプを刻むかに苦心していたのが嘘のようである。
かつてはサイプで氷上性能を確保しようとしていた。画像は2013年頃の北海道限定だった BS BLIZZAK SI-12 これじゃ氷上以外は雪道では厳しかっただろう。
ただ、横斜め方向の太めの溝が少ないので、今度は雪上やシャーベット状の路面での、雪吐性が大丈夫なのかという心配があるのだが、実際の走行では、そういった路面より、凍結路でのグリップ性が需要視される傾向が強いので、その辺りは割り切ったのかもしれない。
一方でBSに負けてたまるか!と気合が入っていたのが、サマータイアでも創立100周年で最高の製品を作るんだと鼻息の荒い
ヨコハマ iceGUARD 6 だ。
冬の怪物 なんてCMを打っているが、トータルバランスの高さを訴求しているアイスガード6
新潟の知人が、早速 VRX から値段に負けて(笑)、
ヨコハマ iceGUARD 6 にしたのだが、雪が降って(今年の新潟市内の雪は半端ではなかった)、新々バイパスの凍結路や、路地の雪道、市街地のシャーベット状の路面を走ったそうなんだが、電話で開口一番「いやぁ、このタイアイイよ」という声が返ってきた。
凍結路の安定性もそうなんだが、シャーベット状の路面や雪道でのクルマが振られない安定感は VRX の比じゃないというのだ。
前作の IG5 もそうだったのだが、今回の IG6 になって、タイアの外側のパターンがより広くテーパー状に広がっているのを見ても、排雪性の良さが伺えるが、見た目通りの良さがあるというのが知人の印象だ。
そして、ヨコハマも、コンパウンドの性能があがったのだろう、期せずしてBSと同様にサイプを減らし、ブロック大き目の剛性向上と、鍵状に溝を大きく切った効果だろう、氷上性能もなかなか良いというのだ。
こうして見てみると、BとYは、コンパウンドの性能がある程度、極まって来たので、その余力を生かして、ブロックに剛性を上げ、氷雪路以外の快適性とか、運転た時のしっかり感を追求して、他所より一歩先へ踏み出し始めたと感じるのだ。
じゃあ、他所はどうかというと、これまでの技術やパターンのデザイン力をブラッシュアップしてオーソドックスに攻めているのが ダンロップ だろう。
ダンロップの攻め方はあくまでオーソドックス。コンパウンドのしなやかさとサイプの多さで勝負。
基本的には、コンパウンドの低温時のしなやかさと、サイプを多く切って氷上性能を上げようというモノなんだが、ダンロップのアプローチの仕方で面白いのは「混ぜ物はNG」という考え方だ。
だから、どこかの胡桃や、ファイバー繊維なんてもっての外、耐摩耗性と、氷上性能は混ぜ物無しの上質なゴムで勝負という考え方なんだが、だから、混ぜ物ゴムのメーカーのタイアの耐摩耗性が落ちるかと言えば、僕はそうじゃない・・・って思っているんだけどねぇ。
さてさて、それ以外のメーカーになると、ミシュランは、ことごとく、日本のスタッドレスの概念に捕らわれず、欧州の速度レンヂの速いタイアのパターンを継承しつつ、細かいパターンやブロックのデザインで、意外なほどの性能を確保しているの印象的だ。
その日本的なスタットレスの一つの考え方が、表面積を少しでも稼ぎたいので、タイアのセンターに溝を切らないというのがある。
まぁ、どっかのメーカーのスタッドレスなんだが、センターに溝がでーんとあったが、モデルチェンジすると・・・・
スタットドレスのパターンを見る時に、一つ一つのブロックの大きさや、サイプの数、そして排雪性の良さを決める太めの溝の様子と共に、センターに溝が入るかというのもある。
ウエット路面やシャーベット状の路面での吐出し性を良くするためにセンターに溝を切りたくなるが、結果、表面積が小さめになって氷結路でのひっかき性が落ちる場合がある。
コンパウンドが優秀なら、それでも大丈夫なんだが、B・Y・D・T以外のメーカーの場合、コンパウンドが性能要求に達せずに、結局モデルチェンジでセンター溝を廃止するメーカーもあったりするのだ。。
まぁなんだかんだで、今年も2強の底力の凄さを見せつけられた感じなんだが、僕が気になっているのがトーヨーの存在。
確かに GARIT GIZ は良いタイアなんだけど、日進月歩のスタッドレス業界にあって、もう一息頑張って欲しいって思うのだけどどうなんだろう?
こうして見ると GARIT GIZ のパターンは個性的で、でも理にかなっているんだよなぁ。エスピアはパターンもコンパウンドも1世代、1.5世代前のモノだ・・・・
トーヨーの事なんで、今年の夏あたり、アッというような スタッドレス が出て来そうな・・・・
B、Y 以外にも技術の進歩の為に他社の努力を是非ぜひ見てみたいのだが・・・・
Posted at 2018/01/28 15:44:46 | |
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