宇都宮城

はじめて宇都宮城を築いた人物は、11世紀の平安時代の藤原氏とされています。

鎌倉時代から戦国時代までの中世は、鎌倉幕府の有力御家人である宇都宮氏が城主で、また、二荒山神社の神官として、宗教的権威をもって下野国(栃木県)の中央～南東部を支配していました。

そのご、理由は分からないそうですが、豊臣秀吉によって宇都宮氏は滅ぼされ、江戸時代には譜代大名が次々と入れ替わり城主をつとめました。なかでも、江戸時代初期の本多正純は、城と城下町の大改修を行い、今日の宇都宮市街地の骨格を作り上げたといわれています。

宇都宮城は、歴代の将軍が徳川家康の祀られている日光東照宮にお参りする途中の宿泊場所となり、そのため、宇都宮城本丸には将軍のための｢御成御殿｣が建てられました。

家康の懐刀といわれた本多正純の大改造により１キロ四方もの広さを誇った堅牢な宇都宮城でしたが、1868年に起こった幕末の戊辰戦争で、大鳥圭介や新撰組の土方歳三ら率いる旧幕府軍と新政府軍との激しい攻防の舞台となり、残念ながらその戦火によって建物の多くは焼失してしまいました。

その後、堀や土塁も崩されて、当時の面影をしのぶものはほとんどなくなってしまいましたが、宇都宮市制110周年を迎える平成18年度、市民の働きかけにより復元工事が始まり、現在は1/4程の堀と土塁や櫓が蘇っております。

また、土塁は鉄筋コンクリート製で、中は空洞の造りになっており、大震災時の都市部の避難場所として、防災公園の役割も併せ持っております。