初秋の花　Part1

SW初日、公園に咲いた花を撮った。

夏の名残りも多いが秋を感じさせる

花もちらほら見かけるようになった。





季節が確実に動くこの時期、花の移ろいは周期の長い時計を見るようだ。

【１】





とりわけ開花期間の短い花が、全速力で季節を駆け抜ける様は、

膨大な時間の中で一瞬の時を逃さない自然の不思議さを感じさせる。

【２】






これから紅葉が始まるまでの間、濃淡の緑と野辺の花の共演が見られる。

【３】





そこにはフラワーショップに飾られる華麗な花たちにない、

泥くさくも純粋で強い生命力が宿るように感じられる。

【４】






一部では、この春や夏にビビッドな表情を見せてくれていた花たちが、

次世代への橋渡し準備に入った姿も見せ始めている。

【５】





誰に教えられるわけでもないのに、「その時」を待って世代を繋いでゆく。

【６】





目に鮮やかだった色が徐々にくすみ、瑞々しかった花弁の先が柔らかに萎れ、

【７】





やがてそれらは、枯れ色に変わって小さく固く渇いてゆっくりと土に還ってゆく。

【８】






今まさにその前段階を一所懸命に生きているのだ。

【９】





ノンブランド品だけれど目一杯着飾って、控えめだけど芳しい香りを纏い、

受粉を助ける媒介者を誘う。

【１０】





太陽と雨と風を体内に十分に取り込み、大きく艶やかな実を結ぼうとしている。

【１１】






そんな初秋の花たちの一瞬の表情を、いつも通り切り取ってゆく。

【１２】





繰り返される生命の連鎖に、永遠の生を重ね合わせながら・・・。

【１３】






※EOS 5D MarkⅢ　EF100-400㎜ F4.5-5.6L IS Ⅱ USM


（了）