ミラクルヤンのブログ一覧

前回のつづき

お片づけ…
昨年の引越し以来片付いていない物がまだ残っていた。
学校が決まれば始まるまで案外時間が無い、散らかったままのベランダ
ＰＣのデータ整理、録画したままのビデオの編集、頼まれていた荷物整理から家事全般。
結構大変だ。
その間に、同じ訓練を受ける予定の方に思い切ってミクシィを通じてメッセージを送ってみたりもした。
返事も数日後に返ってきた。
お互い頑張りましょうとの事だった（笑）
中々爽やかそうな青年だ、これで入校式の日の楽しみも増えた。

そして北海道♪
合格したら時間のあるうちに北海道に行こうと決めていた。
これから平日休みは取れなくなる、安く行けるチャンスは今しかないのだ。
他に平日限定のお得なランチや土日祝日は混む場所に行ったりもした。
今の内に心のエネルギーを装填しておかないと思ったからだ。

それでも一番多く行ったのはハローワークだった。
訓練を受けるより就職と言う気持ちも捨てられなかったからだ。
だが応募は結局一社もしなかった。

そうこうする内についに入校式の日は来た。
待っているのは「戸塚ヨットスクールか魁男熟か」
今度こそ真の戦いが始まるのだ。

既に３人のクラスメートになるべき人が研修室に居た。
自分も着席する。
時間が過ぎる、人が集まる。
時は来た！戦いのゴングが鳴る！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく

前回のつづき

さあ、これから戸塚ヨットスクールの如き毎日が始まる。
その前哨戦だ。
受付があった。名前を告げる
そしてオリエンテーションの会場に入る。
私は三番目に早く着いたらしい。

着席して周りを伺う、はたして彼女は入って来るのだろうか？
今回は更にもう一つ楽しみがあった。
訓練校合格後、大手サイトのミクシーで今回私が通う学科の名前で
サーチをかけたら、なんと同じ講座に合格した人が居たのだ。
まだ若い男性だがお仲間が居た事は心強い。
遠目だが、自身の写真を載せておられるので、大体誰だかわかっていた。
実物はどんな人だろうと思いながら、オリエンテーション開始時間を待った。

人が増えてきた、私がミクシーで見つけた男性らしき人も入ってきた。
女性も、一人二人三人…
心の中で、意外と女性の合格率が良いのに驚いた。
年齢的には私が一番年上かと思っていたが、明らかに私より
年上の方が居られて安心した。
だが、みんな賢そうだ(汗
そう思いながら時間が過ぎて行った。
席も埋まってきたが、どうやら彼女の姿は見当たらなかった。

いよいよ開始時刻になった。さあ、戸塚校長のお出ましか！
と思ったら担当者方の説明が始まった。
淡々とここでのルールや作業着の購入説明、交通費の申請等、入校の準備の為の
手続きをするだけだった。

彼女は残念だったが、これからまた新しい出会いと高度な勉強が待っていると思うと、嬉しい様な緊張する様な感覚にとらわれながら、オリエンテーションの会場を後にするのだった。

余談だが、このシリーズを書こうと思ったのは、訓練校に合格したからである、間違っても不合格ならこんな事を書いている気持ちの余裕は無かったと思われる。

さて、入校日まで三週間ある、今の内にしておかなければならない事がたくさんあった。簡単な事だが結構めんどくさい、それは…

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく

前回のつづき

合格通知
（よっしゃー！）
心の中で叫んだ。
妻の手前あまり大きな声で喜ぶのも気恥ずかしいものがあった。
それでもかなり興奮していたのかもしれない。
妻もおめでとうと言って喜んでくれた。

その反面心の中では（就職が決まった訳ではない）合格を実感すると共に、この先に確実に就職できる保障は無い現実を思い浮かべるのだった。

今回合格した訓練校の学科は、その訓練校でも特にスキルが高い
それゆえに就職率は９０％、だがそれも過去の話、これだけの大不況の為、就職率もかなり悪くなっているらしい。
それでも、訓練校の就職に向けてのバックアップ等を考えると、個人でハローワークに通って、インターネットの求人サイトで就活するより再就職の可能性は高いかもしれない。
わらをも掴む気持ちで今回の訓練に望みを賭けていた。
大きな目標ができた。
きっとスキルアップしてみせる。自分に言い聞かせながら訓練内容を思い出す。
（Ｃ言語、アセンブリ、ＶＢ、ＰＩＤ制御、アナログ回路、デジタル回路、オペアンプ回路、カスタムＬＳＩの開発）
「おいおい、俺にこんなのが解かる頭があれば、今頃こんな環境で四苦八苦してないよ」と心の中で自分に突っ込みながら、とんでもない世界に飛び込もうとしているんじゃないかとあらためて焦ってきたのだった。

その日から前にもまして、ハローワークに通う事が多くなった。
こんな勉強をするぐらいなら、少しでも条件が良い所があれば就職したい。
だが、全く応募できる会社が無い！
薄給、休日殆ど無し、会社の得体が知れず、スーパーマン募集（そんなの無職で居るか！と突っ込みたくなるぐらいの高スキルな人）、年齢で没…
全く応募しなかった。
ますます、嫌でも勉強する事を余儀なくされた気分だった。

入校まで１ヶ月ある、その間にオリエンテーションがあった。
あの試験日に会った彼女の合否が判る。
どんな人が合格しているのか？彼女は来ているのか？訓練校の雰囲気は？
色々な思いが交錯する中で、訓練校のオリエンテーション会場に入った。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく

前回のつづき

試験は終わった。
合否の発表まで一週間ある。
その間、落ち着かない日々が続いた。
訓練校に行けなかった場合、そして仮に合格しても
授業についていけないかもしれない、その不安から少しでも
条件の良いの就職先があれば、そこに行きたいと思う気持ちが強くなった。
毎日ハローワークに通って、パソコンで求人を検索してみた。

相変わらずブラック企業のオンパレードだ。
とても応募する気になれない会社ばかりで気合が抜ける。
その間にも、以前応募した２社からのお断りの手紙を添えて履歴書と職務経歴書が返還されてきた。
しかもメール便だ、信書をメール便で送るのか？
普通は個人情報の履歴書は郵便だとは思うが、いくらコストが安いとはいえメール便とは企業も求人者の扱いがかなり上から目線的な感じがした。
一社に関しては、勤務先は近所で嬉しいが、面接地が福井県と言う、非常に不便な条件だったので、ある意味ホッとしたかもしれない。

当初は失業保険の延長制度が使えて、しかも勉強できるからと言う目的もあったが、失業保険が８ヶ月はあるので、給付金延長目的ではなく、本当に設計を勉強してみたいと思った。

そして、ついに合否の手紙が着くであろう日になった。
朝から落ち付かない気持ちで一杯だ。

そして、夕方ついに一通の封筒が届いた。
直ぐに見る勇気はなかったが、速攻でポストから取り出し無造作に
封筒を破った。
中の紙切れを抜いて目を凝らした！

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく

前回のつづき

「先に食べてるんですか～？」
彼女はやってきた。

セルフサービスの食堂だったので、少し戸惑った彼女に並ぶ場所を教えた。
しばらくして、彼女は私の前の席に定食を持って座った。
そこで私が思ったのは、やはり彼女はヘルシー定食を選んでいた事だった。

若い女性ならなんとなく選びそうなメニューだと思っていたら、その通りだった。
私はその事を彼女に告げながら笑った。

昼食を取りながら面接の出来栄えを聞いた。
面接官は私と同じ質問をしていたようだが、彼女曰く
直ぐに面接は終わったらしい。

面接官が質問する「もし、ここに通う様になったらどうする？」と言う質問に
彼女は「入ってから勉強します。」と答えたらしい。

雑談も続く、彼女は既婚らしい、住んでいるのは以前私が住んでいた隣の区だ。
出没地点は私達もよく行く大型ショッピングセンター。
食堂で昼食を取るグループを見て、仲良しのコミュがと言っている所を見ると
ミクシーもやってそうだ。
案外接点が多いものだと感心した。
根性の悪いお局３人しか居なかった
前職の事務所を考えると、こんな娘がいたら
前職に未練が残ったろうとふと思い、試験より
そんな事を考えている自分ののんきさに
少し自嘲した。

昼食も終わり、試験会場を後にする事になる。
私のバイク置き場の方に出口があるかと彼女が聞いてきた。
同じ方向から出て、駅に向かうつもりだったらしい。

近所に喫茶店でもあれば、もう少し話がしたかったが残念ながら無い、お互い合格したらこの場所で会おうと言って別れた。
勇気を出してメールアドレスを聞きたかった。
別にやましい考えではない。

おそらく、これで彼女と会う事は無いだろう。
お互いこの倍率だ、運が良くてもどちらかしか受からない。
もし、私が受かったら、登校日に彼女の合否がわかる。
だが、私が落ちたら彼女の合否はわからない。
自分の合否は勿論だが、彼女の合否も知りたかったのだ。
同じ訓練を受けるなら、クラスにきれいな娘が居るのは嬉しい。

のどの奥まで言葉が出かかったが、最後の一言は言えなかった。
彼女に「またね…」と言って、私はバイク置き場に向かった。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく