2013年05月20日
最後に残っていたマイクの問題も解決しました。ゴルフRに装着されていたマイクが思いの外簡単に取り外せたので、そのコネクターを切り離した上で長尺のマイクケーブルと結線して712SDCWへ試しに接続し、無事に動作を確認しました。
最後に残っていた可能性としてマイクケーブルの中間に何らかの増幅器が挿入されているかもしれないということについては、結局ゴルフRに装着されていたマイクはストレートに712SDCWに接続されていたことになります。
取り外したゴルフRのマイクですが、カーナビではよく見かけるようなマイクの形ではなく四角い箱形になっています。これはあらかじめクルマ内部に組み込みしやすいようになっているためだと思われます。実際ゴルフRの場合オーバーヘッドコンソール内部に取り付けられていて、マイクの存在感は全くありません。クロスポロ(6R)にもメーカー純正ナビオプションがありますが、ゴルフ同様にマイクはオーバーヘッドコンソール内に装着されるようで、そのためのスペースがきちんと用意されていました。
惜しいことにゴルフとクロスポロでは若干マイクの形状が異なるらしく、ポン付けというわけにはいきませんでしたが、ほんの少し加工してあげることで苦労することなく装着が出来ました。ですからクロスポロ装着後もマイクの存在感は全くありません(写真の通り)。写真のルームランプ真ん中あたりにある放熱孔のような穴がたくさん開いている部分の内側にマイクが装着されています。
取付後のマイクの感度はすこぶる良好で、エコーが出ることもなく通話先には品質の高い音声が届けられます。
今回は手っ取り早くゴルフRのマイクを外してクロスポロへ移設してしまったことで問題は解決しましたが、いままでのマイク関連の問題を整理してみました。
712SDCWはNX712(W)と同じ設計であるという前提で補修パーツを組み合わせ殆どが問題なく機能しましたが、マイクだけが上手く動作しなかったのでゴルフRから取り外したマイクを調べてみると、これはParagon AGというドイツ国内の自動車向けエレクトロニクス製品会社であり、同社のIntegra MicというハンズフリーOEMマイクとウリふたつであると思われます。そしてこの製品は通常のコンデンサーマイク(ECM)にくらべてバイアス電源を必要としないバックエレクトレット型のコンデンサーマイクであることもわかりました。
これですべて謎か解けたのです。
バックエレクトレット型のコンデンサーマイクはその仕組み上バイアス電圧不要なので、いわばダイナミックマイク同様に普通のオーディオ機器におけるマイク入力端子にプラグインすれば使用できます。一方で安価なピンマイクはバイアス電源が必要なのでマイク入力端子にはプラグインパワーと呼ばれる電圧が加えられた端子になっているのです。クラリオンNX712(W)など一般の市販ナビではプラグインパワー方式のマイク端子が一般的なようですが、712SDCWではあらかじめParagon AGのマイクを使うように設計変更されていたためマイク端子に電圧が加えられておらず、その結果NX712用マイク(コンデンサーマイク)を使用した際に出力が異常に小さかったのだと思います。
プラグインパワーを提供する回路からバイアス電圧を取り去って通常のマイク入力へ戻すには、単に抵抗器1本を回路上から抜き取るか、場合によってはさらにコンデンサ1個を取り去ってそこを短絡することでできます。おそらく712SDCWの場合には電源へ接続されている抵抗器1個を抜き取る(もしくは最初からその抵抗器を組み付けない)ことでバックエレクトレット型マイクへ対応しているものと思われます。
高価なメーカーオプションである712SDCWを注文して装備しているクルマからわざわざ取り外して他車に転用しようというオーナーさんは極めて少数であると思われますが、私の場合と同様の挑戦をされる場合には、マイクの仕様のみNX712(W)系とは異なるということに注意していただきたいと思います。ただバックエレクトレット型やダイナミック型で転用できますので、市販のオーディオ用ピンマイクで『バックエレクトレット型』と明示してあるマイクを使用することが出来るはずです。
ようやく712SDCWを我が家のクロスポロくんへ移設する作業が完了しました。
次はリアカメラをリアハッチ・オーナメントの裏側に隠すタイプ(ゴルフ6と同じタイプ)に取り替えることと、ステアリングをマルチファンクションスイッチ(MFSW)付へ交換して手許から操作できるようにしたら完成となる予定です。
Posted at 2013/05/20 15:42:52 | |
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VWクロスポロ(6R) | クルマ
2013年05月13日
いったんは成功裏に終わったかに見えた、712SDCWのクロスポロ(6R)くんへの移設なのですが、その後大きな問題が判明してしまいました。
それは携帯電話のハンズフリー用使用するマイクの感度に関する件です。
712SDCWには、Bluetooth経由で接続される携帯電話やiPhoneを使用してハンズフリーで通話の出来る機能があります。そのためのマイクも設置されています(せっかくそこまであるのになぜが音声コマンド入力機能がないようではありますが:苦笑)。
以前コメントしましたが、この712SDCWはもともと今年の3月に納車されたゴルフRに標準装備されていたものです。ゴルフRにサイバーナビを装着したため712SDCWが捻出されたのでクロスポロへ移設することを考えました。
ゴルフRから712SDCWを取り外した際に、どうしても取り外せなかったパーツやハーネスがありましたが、712SDCWはクラリオンのNX712(W)の兄弟みたいなものだとわかったので、NX712用のハーネスや適合品などを取り寄せて無事にクロスポロくんへの移設ができ、見事完成!!というわけでブログにも書かせていただきました。
・・・が!
問題が判明してしまったのです。それは、移設完了後にこのクロスポロくんを運転していた家族からの電話でした。
こちらからの話し声は全然問題なく届いているのに、運転している家族の声(送話音量)は蚊の鳴くような小ささというかサーというノイズにまぎれてかすかにしか聞こえないんですけど(TT)
いそいでNX712取説とかを調べて送話音量設定を最大にしてみたけど一向に変わらず。また家族が帰宅してからマイク位置などを変えてみたけど、そんなマイク指向性などのレベルのハナシではありません。もっと根本的な問題のようでした。
どうも原因はマイクの感度というか、712SDCWマイク端子へ入力される音声信号レベルが低すぎるようです。
おかしいな~、マイクなんてものは端子形状は異なってもメーカー関係なくけっこう転用できたりするんじゃなかったっけ?思わぬ伏兵にたじろぎました。
でもまあ、単に信号レベルが低いだけだから増幅してやればいいんでしょ、と思って500円くらいのマイクアンプキットを買い込み、さっそく組み立ててみました。クロスポロくんのパネルを外したり組み立てたりが面倒なので、まずは手許にあったパイオニアのマイクで実験。
あれ?うまく増幅できないよ?なんで?
手許にあるオーディオ用マイクは無事に増幅を確認できたのに、なぜかカーナビ用マイクが増幅できない・・・
まさか、カーナビ用マイクって普通のオーディオ用マイクと違うの?まさかとは思うけどカーナビ用マイクってバイアスの必要なコンデンサータイプ(ECM)?
ここからは手探りの世界ですだってカーナビ用マイクってカーナビ付属品だから定格仕様は公開されていないからです。そこでパイオニアのカーナビ用マイクを改めてテープデッキのマイク入力に入れてみました(プラグは変換した)。そしたらやっぱり音声として入力できないではないですか!しかも今度は全くマイク音声が入らないです。どうもカーナビ用マイクはダイナミックマイクではないらしい。
振り出しに戻りました。
資料もなく、もちろん回路図もなく、まともな測定器もないし、ネット情報も皆無です。症状だけで病気を特定していく医者の気持ちが分かるような気がします。
そこで今までに分かったことを整理してみました。
(1)712SDCWにもともと接続されていたマイクはゴルフRから外せなかった。
(2)712SDCWはほとんどクラリオン市販ナビのNX712(W)と同じであることが
分かっている。
(3)取り寄せたNX712用マイクは当然クラリオン補修部品なので使えるはず
だった。
(4)NX712用やパイオニアのカーナビ用マイクはオーディオ用マイクとしては
使用できなかった。どうも信号が小さすぎるようだ。
(5)オーディオ用マイクアンプ(ダイナミックマイク用)は増幅度を40dBまで
上げても効果がなかった。しかしオーディオ用マイクを使うとこのアンプ
はきちんと機能した。
ではゴルフRに設置されていたときはマイクレベルは問題なく使用できて(当たり前か)、NX712用マイクでは使用できなかったのか。そこで確証はないけれど仮定として思い浮かんだことは、
ひょっとしてVW用712SDCWは、それまで採用されていたシーメンス製(?)といわれるRNS510のパーツやハーネスを流用して使えるようにOEMカスタマイズされたナビではないか?ということです。
考えてみれば、GPSのシャークフィンアンテナも、バックの際にひょっこり顔を出すリア/エンブレムカメラもRNS510のときと同じだし、RNS510から712SDCWへは急遽装着変更が行われたため、新しいカタログも作れなかったほど急な話だったそうなので、取り急ぎパッチを当てたような開発/納入であったような気がします。
そしてそれを確かめるには、ゴルフRのマイクを取り出すことです。どうせ使わないマイクならハーネスを途中で切ってしまったも良いので、調べてみよう!
外しました。なんと、やっぱりマイクはクラリオン製ではありませんでした。これがRNS510のときと同じかどうかは分からないのですが、少なくともNX712付属のカメラを押し込んで装着したものではなく、ゴルフのオーバーヘッドコンソールに最初から装着を前提として開発されたもので、きちんとはめ込んでありました。しかもマイクだけ車体のハーネスとの間でコネクター接続となっていてあっというまに取り外しが出来たのです。
※Paragonというドイツの会社製のようですね。調べてみると、Paragon AGという会社が確かにあり、自動車用電子パーツを提供しています。特にintegra mic(R)という商品はハンズフリー用に特化したマイクのようで、形は実際にゴルフから取りだした(上の写真)マイクにそっくりです。突き止めました!PDはおそらくProduction Dateの略で、2012年34週の製造と思われます。このintegra micだとしたら、これはバックエレクトレットコンデンサーマイクらしく、もしそれならバイアスは不要なはずですが実際の状況とは異なっており事実はわかりません。
なあんだ、もっと早くに気付けば良かった。このコネクタに適合するコネクタはありませんが、長いマイクケーブルで引っ張り直して接続すればきっと上手くいく・・・はずです。だってもともと使っていたマイクなんだから。
でも週末はここでタイムアウト。取り敢えずコネクターのところでケーブルを切断し、長いマイクケーブルと接続し直すところまでしかできませんでした。
ひとつだけ残されたリスクがあります。車体ハーネス側の途中で何らかのマイクアンプが挿入されている可能性です。RNS510のときはマイクはストレートに本体へ接続されていたようなのですが、流用マイクとなると何らかの変換が必要になっているのでは・・・。これらのカスタマイズを何らかの形で712SDCW内で処理をしておいてくれるといいんですが・・・。もう祈りに近いです。
さて、今度は実際に712SDCWへ取り付けて実験してみることにします。確実に動作確認できたら本格的に取り付けます。うまくすればクロスポロのオーバーヘッドコンソール内部にもとからあるはずのマイク用取付位置にきれいに納まるはずです。
Posted at 2013/05/13 13:55:16 | |
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