棄景････

街は変わるからね。
　モノも変わるからね。
　
　街が新しくなる。新しくなった分だけ、旧いモノは棄てられていく。
そんな風景が亡霊のように街の隅で漂っている。
　風景までもが棄てられていく。
皆が忘れていく頃、その風景は新しい風景に変わる。それまで。
街の片隅で棄てられた風景が漂っている。

かつて、今は無き特急「あすか」「やまと」が走った線路。貨物線とはいえ構内で阪和線と関西本線が繋がっていなかった天王寺駅をパスする為一時は「くろしお」も走っていた。
　もう少し南まで旧線路沿いに歩くと、レールも赤錆びて残っている。
初夏の日は夏草を多い茂らせ、赤茶けたバラスの道を緑に変えていく。棄てられて数年経った阪和貨物線。杉本町方面。

　無用の長物となった跨線橋は長居公園通り。ガーダーの下には架線保護の板がここに線路があったことを寂しく物語る。竜華の操車場までもう少し。
　
　通勤途中、いつも気になる風景がこれ。

この赤錆びた門の向こうには何があるのだろう。
　いつから開かずの門扉になったのだろう。
　この門を最後にくぐった人はどんな人なんだろう。
　　とか。。。

　街の棄景は歴史を語らず、歴史を思い起こさせてくれる。
　　結構好きだな。