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10年ほど前、三菱ディアマンテなるクルマに乗っていた。(E-F13A)
その時点で既に12年落ちのロートルであったが、ミッションの壊れたトッポの代車にと修理工場が貸してくれたそのディアマンテ。
エアコンは臭いし冷えないし、右側一面傷だらけ。ステアはアソビが大きくてガタガタ。内装は趣味がいいけれども豪華でないし。 メーターパネルは間接照明式と一昔前のヨーロッパ車のよう。でもエンジンだけは奇跡的に調子は抜群というシロモノ。
走行は7万キロあまり。
トッポがミッション載せ替えでうん十万の見積もりが上がってきたのは2週間後のこと。大柄なディアマンテに慣れても来たし、「おや？どうも結構いい車だぞ。燃費も2500ccにすれば悪くない。」
当時は片道40km程の車通勤だったので、燃費のいいのは有難かった。

で、その2週間目にトッポの見積もりが上がってきた時、「このディアマンテいくら？」と尋ねて見た。
30万。トッポのミッション積み替え20数万で済むからやっぱりトッポの修理かな？
そう決めて帰り道、ディアマンテのガソリンを入れてGSの中で休んでいるとスタンドのにいちゃんがボンネットを開けてオイルの点検をしている。
慌てて飛び出して、「代車やからエエねん。」と言ったモノの、エンジンおたくのアタシはボンネットを覗き込むのを忘れなかった。

目に止まったものはガソリンスタンドで貼り付けるオイル交換実施日のテプラシール。
そこには何と「OIL 実施日／1月○日 距離145,000Km」
「はぁぁぁぁ⤴︎」 フナッシーの様な声を出してしまった。しかもオイル交換をしたスタンドはいつもアタシが通ってるスタンド。
すぐにそのスタンドへ行くと、ディアマンテの素性が解った。走行距離は150000Km近く。
道理でステアの遊びが大きいはずだわ。80000Km近くもメーター戻してるのね。

スタンドでしばし考えて、ディアマンテを車屋で値切ることに決めた。その方が安いやん。三菱のエンジンは固いので定評あるしね。シャーシは締め直してもらったら、しばらく乗れるやろ。
閉店間際の車屋に飛び込んでことの次第を話すと意外な返事。
「ウチで新車で買ってもらってウチで管理してたからそんなはずはない。」
しかし、アタシを押し退けてメーターを見たオヤジは絶句。「間違いなくメーター戻してます。」
でしょ？
「どうするん？」
「三菱車は中東や東南アジアで人気が有るので売れますけど、手数料がかかるのでスクラップにするかどうか迷うところです。」
そらきた！
「ホナラ、アタシに安く譲ってよ。」「こんなもん、お金とれませんや。差し上げます。」
でかした！
トッポの修理代はフイになるけどその代わり、フロントステアのナックルと、エアコンの修理、右側の傷の修理、〆て45000円でアタシのモノなったディアマンテ。いヤァワリィネ。3日後、アタシのものになったディアマンテのステアを握るアタシがいた。

それから4年間。ずっと一緒に過ごしたディアマンテ。ムスメも大のお気に入りとなって、九州、信州、富士山と走り回った。
雪の高野で。
装備的には一番下位グレードのこの車だが、その分、上位グレードより100Kgも軽かった。それでもアタシには充分以上の装備だったし、エンジンやシャシは手を抜いていないので何より走るのが楽しい。

九州にて。
巨大なガソリンタンクと合間ってツーリングでの航続距離は1000Kmに迫る。
実際、阿蘇まで無給油で走っていけた。今のクルマから見れば当たり前かもしれないが、この航続距離の安心感と、躾のいいシフトとトルク感のあるエンジンで、疲れず長距離を走れた。

木曽路にて。
下位グレードとはいえ、フルオートエアコンや車速感知式のワイパー、オートライトなど、在ったらいいなという装備は付いてる。
最後はエンジンコンピューターがオシャカで天に召されたけど、その頃にヤフオクを知っていれば自分で修理していたかも。。。

とにかく、今まで何台も車を乗り継いだがもう一度所有したい車はこのディアマンテとロードスターかな？
こんな走って楽しいベストバランス車は無いかね？
メルセデスの280Eと比べても、アタシ的にはディアマンテの方が好き。ツーリングならプントとどっこい。操る楽しさはロードスターにせまる。飛行機屋のエンジン、クルマだとクルマのそこかしこから感じることができた。
最後は売れない車になってしまって悲惨なセールスになってしまったけど。。
こういう車が今の日本車に有れば乗って見たいなぁ。
有れば人生最後の車にしても良いと思うのだが。。

今、一番乗って見たいのはチンクとＢＭＷのE60系、525辺りかな。。イヤイヤ、アテンザとか？
考えると、あまり乗ってみたい国産セダンが無いなぁ。。どうです？