毎回総司令プジョーの修理代車には物語がある。それはディーラーの私に対するネタ提供でもある。
今回はかつてない程の強烈な代車である。
私の車趣味嗜好と最もかけ離れている車である。
18万キロ走行していて、ナビ画面のタッチパネルが死亡している2代目プリウス。興味皆無のこの車で、盛岡~気仙沼間130キロを走って帰るのは拷問に近い。しかし、何か得るものがあるかもしれないと帰路についた。走り出して数十メートル。
「ゲゲゲ!18万キロ走った車とは思えないほどへたりが少ない!」
私の車人生の中でこれほど乗り心地がしっかりしている走行18万キロの車に乗ったことはない!
「ひぇ~!!すんげー涼しい!」
全く文句のつけようがないエアコンの効き具合。私はこの時点でこのプリウスにニックネームを付けた。
「乗って移動出来る霧ヶ峰」もしくは「トヨタで買える白くま君」
「あ~!!なんて素晴らしいペダル配置!フットレストの位置も文句のつけようが無い!!」
なんだかよくわからないカルチャーショックの連発に花北あたりで完全にノックアウトされてしまった。
また、一般道時速60キロ、高速道路時速100キロで走行するのがこんなに苦にならない車に乗ったことはない。ヨーロッパ車は日本の法定速度で走るのは苦手である。
「なんで私は世の中で一番嫌いな車を運転してこんなに感動しているのか??」
そう思ったら具合悪くなってきたので、途中の産直の自販機でお茶を買った。一口お茶を飲んで駐車場を振り返るとそこには自分が乗ってきた個体を合わせて5台のプリウスが停まっていた。
ますます具合悪くなった。早く家に帰りたい、帰って横になりたい、心底そう思った。
いまだかつてない複雑な精神状態のまま、家路を急いだ。しかし、パーシャルスロットルで時速60キロで国道を巡航、エンジンが停止していてモーターのみで走行している時の静けさと滑走感が心地よい・・・
もう完全にわけがわからなくなってきた。
総司令のプジョーよ!あの出来損ないの右ハンドルの使えないフットレストのプジョーよ!日中は全開でもあまり涼しくないエアコンのプジョーよ!
早く帰ってきておくれ~
Posted at 2016/08/24 22:30:19 | |
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