2006年01月30日
創作シリーズ 「この道の先」 後編
友達の自転車は自慢するだけの事はあって走りやすい。
前後サスペンション付きの12段階切り替えのマウンテンバイクだ。
ギアを変える為に手元を見ながら運転する。
ギアを切り替えて、前を向き直すと、またあのレンガの道に入ってしまっていた…
いつの間に入り込んでしまったのだろう。
全くわからない。
しかも、ここで引き返せば、よかったのだがなぜかまた進んでしまう。
木々に囲まれたレンガの道を自転車で軽快に走っていく。
この先どうなるのかもわからないのに、ともても気持ちよくすがすがしい。
そして、またあの池が見えてきた。
その瞬間、ハンドルを取られて思いっきり横転してしまった…
気を失ってしまっていたのか、気付いた時は仰向けになって自転車に潰されていた。
そして、いつのまにか星も出ている。
こんなに綺麗な星ならいつまでも眺めていたいものだ。
自転車越しに見える星は本当に綺麗にみえる。
さて、このまま寝転がっている訳にもいかないので、自転車をどけて立ち上がろうとすると、足に痛みが走った。
どうやら、横転した時に足をひねったようだ。
まぁ、たいした事はないから問題はない。
また、来た道を戻っていこう。
友達に借りた自転車を起こしてまた走り出す。
この先は恐らく自分の知らない町だろうと感じながら。
真っ暗なレンガの道を自転車で軽快に走らせていく。
2~3分も走ったところで、もう町の明かりが見えてきた。
やっぱり、自分の知っている町じゃない。
でも、今度は町まで行ってみよう。
この町がどこなのか調べてやろうじゃないか。
そう思ってレンガの道を走っていると前から人影が
「そこで何をしている!」
いきなり怒鳴られてしまった。
別に悪い事をしている訳ではないのだが、思わず逃げ出してしまった。
逃げた方向は、池の方向。
すごい勢いで自転車を走らせる。
追ってきているかどうかも解らないがとにかく必死で池に向かっていく。
池が見えてきた、そこで自転車のチェーンが外れ横転しそうになった。
もうこの先は予測ついている。
そう、これでいいのだ。
これで…
次に気付いた時は、日中の明るい池の前だった。
直感的にいつもの世界に戻ってきた事を感じとれる。
もう、ここに関わるのは辞めようと思った直後、自転車が無い事に気付いた。
もしかしたら、向こうの世界に置いて来てしまったのか。
あれは、友達の自転車だしそのままにしておく事はできない。
そう思い、もう一度向こうに行く事を決意した。
今までは偶然?にも気を失って世界を行き来できていたが、今度はどうしたらいいだろう。
どうしていいかわからず、池に飛び込んでみた。
池の水は冷たく、とても綺麗だ。
そして思ったよりも深い。
どんどん、深くまでモグっていく。
これでも、小学生の頃水泳を習っていたから泳ぎにはちょっと自信があったのだ。
どれくらいもぐっただろうか、全然底が見えてこない。
っていうか、こんなことをして向こうの世界にいける保障はどこにもない。
なんて、思っていると息苦しくなってきた。
当たり前だ。
ドンドン上に向かって戻っていくが全然上が見えてこない。
本気で苦しくなってきた。
もう駄目だ…
ふと気付くと池の岸で水に浸かりながら仰向けになっている。
やはり星が綺麗だ。
夜って事は、向こうの世界にこれたって事だろう。
早速立ち上がって辺りを見渡すと自転車が転がっていた。
あぁ~ よかった。
もうこっちには用事はないこの自転車を持ってもう一度池にもぐろう。
そう思った所で、後ろの方から人の気配を感じた。
「お前そこで何をしている。」
「意図的に地下世界からこちらに来ているのか!」
何を言われているのかもよく解らず腕を捕まれ注射のような物を打たれて、その後は…
いつからここにいたのだろうか。
気がついた時は、慣れたベッドの上だった。
そう、全てが夢だったようだ。
あのレンガの道も、向こうの世界も。
しかし、全てが夢だったのだろうか。
実はそうは思えないのだ。
一体どこまでが事実で、どこからが夢だったんだろう。
そう思わせるぐらい鮮明に色々と覚えがある。
まぁ、何にしてもいつもの家にいるのだからよかった。
今度こそこれで、終わった。
夢であったか、事実であったか解らないが、そんな事はもうどちらでも良い。
いつもの日常がここにはあるのだから。
足を少し引きずりながら、会社へと向かっていった。。。
※す、すんませんでした。
こんな面白くも無い文章を読ませてしまって。
実はこれ、ある程度は実話なんです。
そう、夢をみたんですよ。
ある道を通っていくと違う日常がある夢を。
そして、友達の自転車を置いて行ってしまった話も夢の中でちゃんとありました。
なぜそんな夢をみたかは、おそらく「どうぶつの森」の影響があるような気がします。
あのゲームで通信を使うと友達の村にいけるというシステムがあるんです。
恐らくその影響ではないのではないだろうかと(笑)
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Posted at
2006/01/30 00:29:46
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