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2015年10月27日

[BPレガシィ] その4・対策効果の私的なまとめ(ベルト異音をDIYで解消する)

[BPレガシィ] その4・対策効果の私的なまとめ(ベルト異音をDIYで解消する) 補機ベルト異音(BPレガシィでのキュルキュルというスリップ音)について、特許文献を参考にタルクを塗布する 「実験君」 を経て、最終的に完治させるまでの作業記録(備忘録)シリーズの最終話です。

<関連ブログ:ベルト異音をDIYで解消>
◎その1 は → こちら(異音認知~パウダー手法の確認)
◎その2 は → こちら(タルクパウダーの選定と事前準備)
◎その3 は → こちら(タルク塗布での改善効果の確認)


※「その3」 からの続き。

■輪断したベルトの観察、の巻
Vリブドベルトそのものが部分的に輪断し、ダメージを負っていたことが明らかとなっため、当初計画していた次の4つの方針のうち (2)および(3) を割愛し、最終的に(4)の確認へと進むことにしました。

<当初計画した基本方針(再掲)>
(1)タルク のパウダーを入手して、レガシィの ベルト表面に塗布 するのは有効か。
(2)タルクではないが、「炭酸マグネシウム(器械体操人にとっては、通称タンマ)」 を
  ベルト表面に塗布 して、摩擦係数の低減による消音効果が得られるかどうか。
(3)「タルク」 も 「タンマ」 もベルト鳴き対策として効果が低い場合、
  ベルトの張力アップ で改善するか否か(固定テンショナを手動で張力アップ)。
(4)最後の手段として、すでに入手済みの 新品ベルトへの交換。

<↓固定テンショナを緩めてオルタネータを押し下げると、「オルタ&パワステ」ベルトを取り外しできる>
 

<↓プーリから取り外したベルトのリブ面(ゴム側)ではなく、背面(帆布側)を観察してみると・・・>


<↓実はベルト背面も経年劣化により、貫通には至らない微少クラックが生じていたことが分かります>


なお余談ですが、上の画像から、BPレガシィの純正ベルト(三ツ星ベルト製)はインドネシアで製造されていることが分かります。輸送費(インドネシア→群馬県)をかけてでも、輸入した方がコストが安くつくのでしょうか。二輪の世界では、部品単位ではなくバイク(完成車)本体を海外生産したり国内生産に戻したりなど、時流に沿って生産拠点を変える例もありますが(例 → ホンダ・ジョルノ(原付)のニュースリリース )。

■「エアコン用」 ベルト(劣化品)観察、の巻
BPレガシィ(EJ20ターボ系)の補機ベルトは2本がけのため、作業工程上、手前側に位置する 「オルタネータ&パワステ用」 のベルト(前述の部分輪断したベルト)を交換する際には、奥側に位置する 「エアコン用」 のベルトも同時交換した方が作業効率が良いです。そこで、同様な運転履歴が加わっている エアコン用のベルトについても、取り外して観察します。

<↓こちらも固定テンショナのボルトを緩めて張力を下げると、すぐにベルトを取り外しできます>
 

<↓取り外しした 「エアコン用」 ベルト。ゴム側(>リブのある山谷)も背面側も大きな異常はない>
 

<↓ただしゴム側を拡大すると、リブの山側にはリブに垂直な方向に極微細なクラックがありそう>


直ちに危険という状態ではなさそうですが、この時点では確かに劣化が認められ、交換すべきと言えるでしょう。

■新品ベルトの観察、の巻
劣化ベルトを表面観察したあとは、ディーラーで事前購入してある新品ベルトについても、比較のため表面観察します。

<↓オルタ側の部番は車載で「809218420」であったが、購入品の部番は「809218460」に番号がアップ>


<↓オルタ&パワステ側の新品ベルトの表面状態(※クリックで拡大)>


<↓エアコン側。ゴム表面が毛羽立っていることが特徴(クリックで拡大)>


ここですぐ上の画像中央(エアコン用のVリブドベルト(809214550))を拡大したのが下記。毛羽立ち具合が分かります。これは既述の特許文献(>「その1」 のリンク先を参照)などから、摩擦係数μの安定化と異音対策を狙ったものだと推定されます。・・・それにしても、製造段階からこのような単繊維状のものを配合しているのですね。

<↓エアコン用Vリブドベルト(@新品時)のリブの表面状態は、次のようになっていると判明>


さて、今度は新品ベルトの背面を観察していると、気がつくことがありました。それは、ベルト帆布の 「つなぎ目」 です。以下のような状態のものです。

<↓補機ベルト背面の帆布には、つなぎ目に糸が見受けられた>
 

このような糸はベルトの背面に存在する(ベルト内側のゴム部分にはつなぎ目は無い)ようで、見ていてあまり気持ちの良い物ではありません。しかし、どうやら製造上、避けられないもののようです。こうして詳細を観察していくと、表面や背面はさまざまな構成物が組み合わされてできていることが分かります。一見、(輪ゴムをでかくしたような?)単純なベルトであっても、実は製造上のノウハウが集約されているのかもしれません。

<↓最終的に前後2本とも新品ベルトに交換。当然ながら、その後はベルトのスリップ異音の再発は無し>


ベルト交換後、100kmほど走行してなじみが付いたと思われる頃に、再度、張力が極端に低下していないかどうかを念押し確認する予定です。

■私的な結論
経年劣化により、Vリブドベルトに発生したスリップ異音について、自分なりの 「実験君」 を行って得た結論を要約すると、次の通り(>あくまで個人的な私見です)。

(1)「補機ベルト異音(鳴き)」 に関する製造メーカの特許文献によると、異音対策として
  摩擦係数の低減があり、具体的にはベルト表面へのタルクパウダー塗布などがある。


  出典 : ◎摩擦伝動ベルト及びその製造方法
         → http://www.google.com/patents/WO2013088718A1?cl=ja
       ◎ゴム組成物、ゴム組成物の製造方法及び摩擦伝動ベルト
         → 三ツ星ベルトの特許文献

(2)タルク(滑石)は、いわゆるベビーパウダーの主成分であることから、澱粉など他の
  構成成分の含有表示がない 「ジョンソン・ベビーパウダー」 をタルクとして転用し、
  「オルタネータ&パワステベルト」 のVリブ面の全体に塗布したところ、

   (2-1).スリップ異音を低減する効果は得られた。
   (2-2).しかし、その効果は限定的で、完全に抑制することはできない。
   (2-3).効果が限定的であった背景には、ベルトがすでに輪断していた
       (献体として寿命を越えていた)ことが原因の可能性もありそう。
   (2-4).タルク塗布後、例えば雨天走行などを経たあとのパウダー
       の定着(=残留)度合いについては、今回検証できなかった。


(3)そもそもベルト張力が設定不足だった場合には、張力アップによってスリップ鳴き
  を抑制できる可能性があるが、(規定張力を維持した状態で)劣化による鳴きを
  抑えるために張力アップを図ると、ベルトの劣化をさらに促進させてしまう(ベルト
  の寿命にトドメをさす)恐れがありそう。例えば輪断など。


(4)スプレー式の鳴き止め剤(フッ素樹脂系乾性潤滑剤)は、新品ベルトを購入する
  よりも かえって高価な場合がある。その際、ゴムの劣化までは復元できない。


(5)ベルトの劣化有無の点検は、Vリブ面のゴムの性状(亀裂有無など)だけ
  でなく、ベルト背面の帆布の状態にも注意を払うべきである。


(6)劣化したベルトに延命措置を施すよりも、メーカ純正の新品ベルトに
  全交換する方が、対策の王道かつ安心であると考える。
  (交換後は当面、張力設定に変動がないか確認すると さらに良い。)


■備考
タルクパウダー代替としてベビーパウダーを劣化ベルトのゴム表面に塗布し終わったあと、例によって重量を計測してみました。分解能は1g単位でしかないことは、すでに 「その2」 で述べた通りですが、使用後は185gと出ました。

<↓使用後の重量計測結果(フタを除き、パフを含む。使用前と同じ土俵で比較)は、185gであった>
 

使用前が188gでしたから、個人的な感想としては 「あれだけ丹念に表面に塗布(すり込み)したにも関わらず、消費量は たった3g程度に過ぎないのか・・・!」 と、少々ビックリする気持ちがありました。実際には、作業の際にベルトからこぼれ落ちる粉体も多く占めましたので、塗布した実効量はさらに少ないもの(乱暴な推定ですが、投入量に対する定着率を30~40%と仮定すると、実塗布量は1g前後)と考えられます。

余ったベビーパウダーの用途については、知恵袋的な情報によると、仕事の出張などでスーツを着用する際に、ワイシャツの襟元に軽く塗っておくと汚れにくくできる(らしい)・・・そうです。試してみたいと思います。

最後に、今回の一連の 「実験君」 で使った工具を載せておきます。
補機ベルトの交換作業で使った工具はたったコレだけ(@BP5Dレガシィ)。

<↓コレクターカバーの取り外しでドライバ、他は10mmのTレンチ、手回しクランキング用の22mmBOXなど>


ただし、上記はBPレガシィでの話。最新機種でテンショナを持たない 「ストレッチベルト」 なるものを採用している機種では、補機ベルト脱着に際して 「リムーバ&インストーラ」 という専用工具が必要になるため注意が必要です。興味のある方は、ググってみてください。

私の場合、異音を認知したあとは、まず新品ベルトを確保することから先に動きましたが、部品の限界を見極めてのDIY交換が難しい場合は、「日常での自己点検」、「ディーラーまたはショップでの定期交換(寿命が来る前に消耗品として予防交換措置)」 を行うことが有効な対策になるかと思います。これは至極当然の結論ですが、急を要する場合には 「(万能ではないが)タルクパウダーが鳴きに効く場合もある」 と合わせて知っておいても損はないかもしれません。


以上をもちまして、身を(実車を)以て呈した 「補機ベルト異音対策」 に関する 「実験君」 の備忘録を終わります。備忘録と言いつつも長編シリーズになってしまいましたが、意外性をもって楽しく読んでいただけましたら幸いです。
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2016-10-21(Fri.) : 更新
その5・補機ベルト張力の再調整の巻(スリップ異音をDIYで解消) をアップロードしました。

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