2017年の東京モーターショーを見てきての雑感ブログです。「その3」 はマツダ編です。
思ったことを素直に文書に起こしますが、あくまで個人的な視点に基づく雑感であり、他意はございません。お気を悪くされませんよう、お願いいたします。
◎「その1」 は こちら →
バイク編
◎「その2」 は こちら →
スバル編
■独自路線のマツダ
巷では、マツダはスバルと並んで個性的なクルマ造りをするメーカーだと認知されています。私もそのように思っています。最近の例では、SKYACTIV-X。何より、量産を見据えて技術的な見通し立てをした上で、技術発表や試作車でのマスコミ試乗イベントにこぎつけた企業努力に対し、(素人の個人が偉そうに言うものではありませんが)敬意を表したいと思います。
個人的には、SPCCI(火花点火制御による圧縮着火)はハード構成よりもソフト構築・・・ロジックと定数設定がキモだと思っています。テストベンチでの定常運転とは異なり、実際の市場では 「過渡運転状態」 が支配的 ですので、狙いの燃焼設計が成立する範囲を広げつつ、それ以外の運転領域との 「つながり」 をいかになめらかにセッティングするか。どこまで実世界を網羅した制御を尽くせるか。
そこに技術的なチャレンジがあると思っています。
# (個名を出してすみませんが)鳴り物入りで三菱のGDI が
# 登場したときの二の舞にならなければ良いな、と思います。
■KAI CONCEPT
マツダブースに着いたら まず SKYACTIV-X の展示を見よう!と思っていた のですが、コンセプトカーのデザインを目の当たりにして、そんな思いをすっかり忘れてしまうインパクト に出くわしました。最初に見たそのコンセプトモデルが、ターンテーブル上で回っている 魁(KAI) でしたので、以下、その ”インパクト” について順を追って説明します。
<↓魁のリヤビュー。コンセプトモデルながら、リヤの造形は十分に量産(現実性)を考慮したデザイン>
ターンテーブル上の魁(KAI)は、最初にリヤを私の方に向けていました。リヤは、現実味のある造形です。量産反映モデルもこれに近いのでしょう。そして、時計回りに回転しながら リヤ→右側面→フロント→左側面・・・と順番にその姿を私に見せていきました。
<↓回転が進むにつれてその全景を見せていく魁。リヤと較べるとフロントはショーモデル的要素が残る>
ターンテーブルの回転が270°に達したところで、魁の左側面が現れます。今まで真正面から見ていたフロントが、真横から観察可能なアングルに変わるのですが、その瞬間に違和感が! ボンネットフードの先端が長すぎる のです。
<↓私にとって、魁のデザインで
一番の違和感のある部分>
ここで瞬時に、私の頭の中でシミュレーションが始まります。
現実世界においては、道路を走っているときの両脇だけでなく、駐車スペース周辺にも、電信柱(電柱)が立っていることが多いです。下の画像は、その実例です。
<↓リアルワールドでは、クルマを走らせたり止まらせたりする場面で、近くに必ず電柱が立っています>
この広い世の中では、万一の事故の際に、不注意でクルマを電柱にぶつけてしまう事例もある ことでしょう。そんなとき、このコンセプトモデル:魁(KAI)は、いったいどんな状況となるのか、予測してみましょう。
<↓人間、誰でも不注意というものはある。以下は電柱にフロントから突っこんでしまう場合のイメージ図>
<↓魁が電柱に突っこむ場合の直前の状態(※ボンネットの長さに注目)>
<↓魁が電柱にぶつかってしまった場合の予想図(最初に凹む部分は明らか)>
このクルマは、ボンネットがバンパーなのですか?
私がボンネットフードの長さに 「違和感がある」 と述べたのは、上記の理由からです。ここで、ふと更なる疑問が浮かびます。「そう言えば、もう1台、サメ(鮫)みたいなモデルがあったな~。」 と。サメブース(>失礼!他意はございません)に移動することにします。
■VISION COUPE
サメ(鮫)ブースに到着。正式名称は VISION COUPE とのこと(すみません、魁 も VISION COUPE も、まったく 予備知識なし に見に来ています)。予備知識がないので、逆に言うと、先入観も無く、その場でありのままに感じたことを、この雑感ブログで備忘録として再現しています。
<↓VISION COUPE にたどり着く。実車を見ると前後に長い!果たしてフロントはどんなデザインなのか>
<↓このテーブルも、時計回りにゆっくりと回転している(・・・フロントが現れるのはまだか?!)>
<↓ようやくフロントビューが来た~! 個人的には、やはり○印の部分に違和感あり>
この広い世の中では、万一の事故の際に、不注意でクルマを電柱にぶつけてしまう事例もある ことでしょう。そんなとき、このコンセプトモデル:VISION COUPE でも、どんな状況となるのか予測してみます。
<↓比較的 低車速ながらも止まりきれずに VISION COUPE が電柱にぶつかってしまう場合のイメージ図>
<↓VISION COUPE が電柱に突っこむ場合の直前の状態(※ボンネットの長さに注目)>
<↓魁が電柱にぶつかってしまった場合の予想図(最初に凹む部分は明らか)>
このクルマも、ボンネットがバンパーなのですか?
いわゆるバンパーは、どこにあるのでしょう。一般的にバンパーとは、それ以外のボディの凹みを守るために存在する(だから、その名=bumper の通り緩衝器の役割)のではないでしょうか。
<ご参考:バンパーに対する当方の考えを示した過去ブログ>
◎2005年08月24日 →
ダンプvs軽、二輪vs四輪・・・衝突コンパチビリティについて(前編)
◎2005年08月25日 →
ダンプvs軽、二輪vs四輪・・・衝突コンパチビリティについて(中編)
■CX-5
ここで、ひるがえって考えてみた。「ショーモデルは、あくまでショーモデル。今後のデザイン方向性を世に示すためのコンセプトモデルであるから、量産時にはデザインがリファインされることも多い。」 ・・・ということで、「ならば、量産車を見てみよう。」 と。
<↓コンセプトモデルではない、量産車の CX-5 のボンネット先端を観察してみた結果・・・>
変わらんやんけ~。
ボンネット先端が、ノーズコーン(フロントグリル上端の ”ひさし”)になってるだけで、ボディの中でここが一番、前方に突き出たデザインやん。バンパーはどこにあんねん?
上記一件があってから、私の中では 「マツダ→独自技術でかんばっている」 というイメージから、「デザインアイデンティに、逆に縛られていないのか? デザインする前に、機能との紐(ひも)付けを忘れていないか?」 との疑問が湧くことになったのでした(ので、SKYACTIV-X を見ることをすっかり忘れてしまった次第です)。
■ロードスター
マツダブースでは、実車に自由に触れてシートに座れる展示車として、ロードスターがありました。個人的には、「ロードスター」 と聞くと、未だに 「マツダ」 というよりも 「ユーノス」 のイメージが強いです(就職したての頃、知人がいっぱい働いてNAロードスターを買ったので、「労働スター」 というイメージもあります)。
我が家では以前、「ヴィヴィオGX-T」 というスバルの4人乗りオープンカー(タルガトップ、スーパーチャージャーの軽自動車)に乗っていましたので、オープンカーの爽快感は身を以て体験しています。そこでせっかくですので、子供たちをロードスターに乗せて、屋根を収納したオープン状態を体感させます。
<↓オープンエアの雰囲気を味わう子供たち。スバルに限らず、世の中の色々なクルマに触れてほしい>
結局、マツダブースでは 「長いボンネットがフロントバンパー代わり(?)」 の件(見た目のデザイン優先の確信犯ですな! 本来、デザインとは機能や役割の裏付けがあってのものですけどね)が強烈に印象付けされてしまいました。
独自の技術が、作り手サイドの変なこだわりと化してしまい、ユーザーオリエンテッドから離れてしまわないことを祈るばかりです。・・・以上、私見炸裂の雑感ですので悪しからず。
「その4」 に続く予定。
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2017-11-16(Thu.) : 更新
[TMS] 2017東京モーターショー雑感(その4・その他のカーメーカー編) をアップロードしました。
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Posted at
2017/11/12 22:26:19