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調布市のKAZのブログ一覧

2011年08月31日 イイね!

[その後] ワンタッチON-OFF切替バルブ付きドレンボルトを使ってみて(後編)

[その後] ワンタッチON-OFF切替バルブ付きドレンボルトを使ってみて(後編) 「ワンタッチ ON-OFF切替バルブ付き オイルパン・ドレンボルト」 を実際に使用してから2年以上(車検サイクル以上)が経過したので、その使用感などについて報告するシリーズの後編(※文末に追記あり)。

■実際に使ってみて : 前編は → こちら
■以前のブログ(おさらい) ;
ワンタッチON-OFF切替バルブ付きドレンボルトって何?という人は
      製品紹介・(前編)は → こちら
      製品紹介・(中編)は → こちら
      製品紹介・(後編)は → こちら

エンジンオイル交換時に 「ただの一滴(!)たりとも 手を汚さないで済む」 こと以外のメリットとして、例えばオイルを入れ過ぎた場合、微妙な抜き取り調整も容易にできることが挙げられる。

具体的には、エンジンオイルをオイルフィルタとセットで交換する場合、サービスマニュアルで指示された投入油量が中途半端な量になることがあるが、仮にフィラーキャップから給油しすぎた場合であっても、レベルゲージでの油面レベルに応じて 微妙な抜き取り調整が可能 だ。ドレン作業時に瞬時にON-OFF操作ができるからである。

一般のドレンボルトの場合、この 「微妙に抜き取る」 作業が困難で、オイルにまみれながら予想外に多く抜き取り過ぎてしまうか、あるいは最初から抜き取りを断念し、多少のレベルオーバーには目をつぶってそのままにしてしまうのがオチだ(と思う)。余談だが、もしもオイルを入れすぎた場合は、クランクシャフトによるクランクケース内圧変動の影響を受けてオイルパン油面が荒れやすくなったり、ブローバイガス中に含まれるオイルミストの量が増えたりするなどの懸念があるだろう(多少なら実害ないと思いますが)。

<↓廃油処理箱に回収した使用済みエンジンオイル> <↓最初に取り置きしておいた吸収材を上から被せる>
廃油処理箱に回収した、使用済みエンジンオイル  最初に取り置きしておいた吸収材を上からかぶせる

さて、話をオイル交換作業に戻そう。

廃油処理箱に使用済みエンジンオイルがいっぱいに溜まったところで、”最初に別途 取り置きしておいた吸収剤” を上から被せるのだ。市販の廃油処理箱の中には、容量5リッターまで対応している大型品もあるが、一般的なものは容量4リッターまでとなっていることが多い。開封してそのまま廃油を入れてしまうと、ビニール袋の上端を閉じる際に、吸収剤が口元ギリギリまでオイルで湿っているため、閉じにくくなることがある。

そのため、私の場合、使用済みオイルをすべてドレンさせたあと、最後に(別途取り置きしておいた)吸収剤を上から載せてビニール袋を閉じやすく工夫している のだ。上の画像で、左側の状態でビニール袋を縛る場合と、右側の状態でビニール袋を縛る場合を想像比較していただくと、イメージがつかみやすいと思う。まぁ、縛る前にあまり時間が経ってしまうと、状態は大きく変わらなくなってしまうけどね。

そのほか、吸収材が足りない場合の裏ワザとしては、赤ちゃん用オムツ(乳幼児がいる場合)やペットシーツ(室内犬を飼っている場合)の転用がある(もちろん、使用後の処理方法はお住まいの自治体で定められた方法に従う必要があります)。

<↓ジョイフルホンダで購入したオイルジョッキの出番だ。今回は本体を直接フィラーダクトに乗せて使用する>
ジョイフルホンダで購入したオイルジョッキの出番だ  今回は本体を直接フィラーダクトに乗せて使用する

<↓一人作業の場合は、こぼさないように慎重に・・・いや、給油作業よりもデジカメ撮影の方がしんどかったが>
一人作業の場合は、こぼさないように慎重に  給油作業よりもデジカメ撮影の方がしんどかったが

オイル補給時は、油中にゴミなどの異物が混入しないように注意する。もちろん、こぼさないように注意する(こぼすと環境事故になってしまう)。・・・いや私の場合は、給油作業そのものよりも、ブログ掲載用にタイミングを逸しないよう、シャッターチャンスを伺いながら 「一人作業&一人撮影」 でデジカメを使うことの方がしんどかった(場合によっては左手でシャッターを押すことも・・・)。

<↓作業後に油温~油圧に異常が無いか確認する> <↓原始的だが、テープで交換記録を貼っている>
作業後に油温~油圧に異常が無いか確認する  原始的だが、テープで交換記録を貼っている

以上、ワンタッチON-OFF切替バルブ付きドレンボルト(実はスバル純正オプション指定品)を2年以上、使ってきたが、実用上は特にデメリットが無いばかりか、オイル交換時のメリット(時間短縮&手を汚さないで済む、ドレン量の微調整が可能etc.)は多大であることを再認識できた次第。

この一連のブログが、皆様にとって何らかのご参考になれば幸いです。
(※前回までの当方のブログに 「イイね!」 を付けていただいた方々、ありがとうございます。
   まとめレスにて失礼いたしますが、この場を借りて お礼申し上げます。)



《追記》
メリットとしては、「ドレンプラグ」 を脱着する必要がないので、
通常は脱着するたびに必要となるガスケット(パッキン、消耗品)代金が不要
となることも挙げられる。金額は数十円と小さいが、何かと効果は大きいと思う。
2011年08月23日 イイね!

[その後] ワンタッチON-OFF切替バルブ付きドレンボルトを使ってみて(前編)

[その後] ワンタッチON-OFF切替バルブ付きドレンボルトを使ってみて(前編)以前、自分でエンジンオイルを交換する DIY派 にとって朗報となる、「ワンタッチ ON-OFF切替バルブ付き オイルパン・ドレンボルト」 を紹介した。実際に使用してから2年以上(車検サイクル以上)が経過したので、その使用感などについて報告する。

■以前のブログ(おさらい) ;
ワンタッチON-OFF切替バルブ付きオイルパン・ドレンボルトの紹介
              (前編)は → こちら
              (中編)は → こちら
              (後編)は → こちら

「ワンタッチ ON-OFF切替バルブ付き オイルパン・ドレンボルト」 をBP5D型レガシィGT spec B に装着してから2年以上が経過したが、今のところまったくノートラブルだ。事前に懸念されたトラブルとしては、たとえば
  ・ON-OFF切替バルブが、振動や飛び石などで知らないうちに開弁してしまう
  ・ボールジョイント部が冷熱サイクル(エンジン始動停止の繰り返し)でヘタってしまう
  ・そもそも、このドレンボルトとオイルパンの間のパッキンからオイルがにじんでしまう

・・・などといった 「機能継続性(耐久信頼性)」 が考えられたのだが、今のところ、こうした症状も兆候も皆無である。さすが、スバル純正オプション部品に指定されているだけのことはある。やるな!麓技研(株)の 「ミニチェンジャー」よ! いやまぁ、もしも高々2年足らずで不安の兆候が現れるようでは、製品として成立していないと考えるべきだが。

そこで今回は、DIYでのオイル交換時のメリット:「いや~、こんなに楽してオイル交換が出来まっせ!」 という状況を、画像で紹介しようと思う。

<↓廃油処理箱の中の吸収材を少々取り出しておく>  <↓クルマを自宅ガレージ(地下ピット)に入れる>
廃油処理箱の中の吸収材を少々取り出しておく  クルマを自宅ガレージ(地下ピット)に入れる

廃油処理箱としては、オイルパックリとかオイルハンターなど各種商品名があるが、私の場合はまず、あらかじめ中身の吸収材を少々取り出し、別口として脇に置いておくようにしている(後述 → 後編へ)。なおレガシィには、下の画像に示す通り、純正アンダーカバー(樹脂製)に代えてアルミアンダーガードを装着している。

<↓アンダーガードを車輌下から覗き上げた状態。オイルパンの位置には、ドレン作業用のサービスホールあり>
アルミアンダーガードを車輌下から覗き上げた状態  ドレン作業用のサービスホールあり

<↓左:角度を変えて見た画像。切替バルブの位置ズレ無し。右:拡大画像。ボールジョイント部からの漏れも無し>
角度を変えて見た画像。切替バルブの位置ズレ無し。  拡大画像。ボールジョイント部からの漏れも無し

さて肝心のオイル交換作業であるが、従来(切替バルブを持たない、純正のドレンボルト装着時)はアルミアンダーガードを毎回脱着する必要があった。というのも、注意しながらオイルを抜き取っても、ほぼ必ず(?)アンダーガードの内側に多少なりともオイルが垂れてしまうからであった。要するに、通常のドレンボルトではオイルの流量や排出方向のコントロールが困難であり、またアンダーガードに設けられたサービスホールは(位置的・開口面積的に)あまり役に立たないためだ。

しかし今回は違う。
わざわざアルミアンダーガードを脱着する必要はない。

オイルパンからドレンさせる廃油の流量を簡単にコントロールできるためだ。切替バルブを少ししか開けないでおけばチョロチョロとしか流れ出てこないし、大きく開けばバルブ開口面積に応じた流量(勢い)で排出させることが可能だ。さらに万一の際には、ドレンさせている最中であっても、バルブを閉じればドレン作業を一時中断することも可能だ。

<↓左:切替バルブを少し開けばドレン流量も少量でコントロール可能。右:大きく開けばドレン流量も大きくできる>
切替バルブを少し開けばドレン流量も少なくコントロール可能  大きく開けばドレン流量も大きくできる

結果、「ただの一滴(!)たりとも 手を汚さずに、オイルパンからオイルを抜き取ることが可能」 であった。
もちろん、アンダーガードを含めた車輌側にも オイルを垂らして(にじませて)しまうことはなかった。
メリットは他にもある。


(その後・後編 に続く)
2011年08月06日 イイね!

[CBR250Four] サビで朽ちた冷却水回路をワンオフでレストアする・(7)完結編

[CBR250Four] サビで朽ちた冷却水回路をワンオフでレストアする・(7)完結編新車で購入してから25年間、ワンオーナーで乗り続けているホンダ・CBR250Four SE に関するDIYトラブル克服記。今回は 「サーモスタットのニップル・サビで朽ち果て編」 の紹介・その7(完結編;最終話)。

   ◎その1(症状編)は → こちら
   ◎その2(確認編)は → こちら
   ◎その3(把握編)は → こちら
   ◎その4(加工編)は → こちら
   ◎その5(圧入編)は → こちら
   ◎その6(仕上編)は → こちら

走行中の冷却水漏れトラブルの原因は、冷却水ホースのニップルがサビで朽ち果てた末に脱落したことが原因であった。純正部品はとうの昔にメーカー在庫切れだったことから、結局、オーナーである私自身がDIYで、手持ちの部品を流用してワンオフで当該部をレストア(ニップルの打ち替え圧入)することで事なきを得た。・・・というのが、今回のストーリーだ。

旧車を取り扱うショップは別として、(当初タイヤ交換を予定していた)ナップスなどの量販店では、仮に修理依頼した場合、果たしてここまで修復作業をしてくれるのだろうか?・・・まぁ他の旧車専門ショップにあずけた場合であっても、定形外作業となることが予想されるので、修理日数と費用は(作業規模は小さいが)それなりにかかったことだろう。

最後に、残った作業を以下の画像で紹介しておく。

<ニップルをワンオフでレストアしたサーモ・ハウジングに、冷却水ホースを差し込む。左:差込み前、右:差込み後>
ニップルをワンオフでレストアしたサーモ・ハウジングに、冷却水ホースを差し込む前の画像    ニップルをワンオフでレストアしたサーモ・ハウジングに、冷却水ホースを差し込んだ後の画像

<保険の意味合いで、クーラントにストップリーク(製品名)を適用してみる。スバル純正?でも扱いがあったハズ>
エンジンストップリーク(製品名)    エンジンストップリークの裏面の表示

上の画像に示す通り、今回は保険の意味合いで「ラジエター・ストップ・リーク」なる冷却水漏れ防止剤をクーラントに混ぜてみた。このストップリークは液体状のものである。同様な目的の商品としてはタブレット状に加工された粉末剤もあるが、こちらは逆に(コンタミとして)回路内で絞りになっている部分や径の細いホースを閉塞させてしまう?懸念がある?かもしれないので(※注:あくまで私的な感覚です)、今回は適用しないでおく。

 +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +  +

以上、走行中の冷却水漏れトラブルの原因(経年劣化)と、DIYにてワンオフでレストアするまでの様子を簡単に紹介しました。実はこれら一連のDIY作業を行ってから、現在までに1年以上が経過しています。そう、その間も 「もしも何かあったら・・・」 という姿勢ですぐに対処できるよう、ずっと 様子見(経過観察) してきたのです。

実際のレストア作業から1年以上が経過し、通勤に使いつつ、今年の夏のいちばん暑い時期(7月~8月)を迎えてもなお、冷却水まわりの不調やトラブルはまったく観察されないことから、あのとき私が 「自分なりに考察して施した対策」 は有効で、成功だったと言える段階に達したと判断し、今回ブログアップするに至ったのです。

新車で購入してから、ワンオーナーで20余年落ちのCBR250Four(今年で25歳、四半世紀)
クセも長所も弱点も、オーナーである私がいちばん良く知っている つもりです。
だから、自分でできるメンテナンスと修理(ときにレストア)は、私自身が行う のです。
(もちろん、自分の手に負えない場合は修理のプロに依頼します。
 しかし「自分で対処できる/できない」の境界線(技術レベルの閾値)は、
 なるべく高い位置に置けるよう、日々努力していきたいですね。)

今回のシリーズは長文でしたが、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
2011年08月04日 イイね!

[CBR250Four] サビで朽ちた冷却水回路をワンオフでレストアする・(6)仕上編

[CBR250Four] サビで朽ちた冷却水回路をワンオフでレストアする・(6)仕上編新車で購入してから25年間、ワンオーナーで乗り続けているホンダ・CBR250Four SE に関するDIYトラブル克服記。今回は 「サーモスタットのニップル・サビで朽ち果て編」 の紹介・その6(仕上編)。

   ◎その1(症状編)は → こちら
   ◎その2(確認編)は → こちら
   ◎その3(把握編)は → こちら
   ◎その4(加工編)は → こちら
   ◎その5(圧入編)は → こちら

サーモ・ハウジング側は、今回の目玉作業であるニップルの打ち替え(ワンオフでレストア)により主要な作業は はぼ終了。次は冷却水ホース側の仕上げ作業となる。

エンジンの主要なホース類は約2年ほど前に総交換しているのだが、今回の冷却水ホースの端面にはクランプによる締め付け痕が付いていたため、全体のホースレイアウト(長さ)に影響を与えないことを確認したうえで、端部をカットする(今後の熱老化による部分硬化も懸念されるため)。なお、その他の部分は微少な亀裂なども無く、ホース全体として再使用は可能と判断している。

<ホースにはクランプ痕が確認できる。今後の熱老化による部分硬化も懸念されるため、先端部分を垂直にカット>
ホースにはクランプ痕が確認できる    熱老化による部分硬化もあるため、先端部分を垂直にカットする

<冷却水ホースは、ニップルとの接続履歴の無い部位で、新たに接続し直す。右側はホースの外径φ計測値>
冷却水ホースは、ニップルとの接続履歴の無い部位で、新たに接続し直す    ホースの外径φ計測値

さて、またまた話が前後してしまうが、実はニップルの打ち替え作業前に、事前確認している事があった。それはホースの ”拡幅率” だ。ニップルの先端には、径方向に 「バルジ」 と呼ばれる凸状のふくらみがある。このふくらみが、挿入されるホースを内側から外側方向に押し出すことでシール機能を保っている(クランプもシール機能をバックアップしているが、どちらかというとホースの抜け止め機能の方が強い)。このときの、ホースのふくらみ加減が ”拡幅率” として表され、数値が大きすぎるとホースに負担が、小さすぎるとシール機能が得られなくなる懸念が生じる。

<ニップルのバルジ(凸部)の外径はφ7.98mm、ホースの内径はφ5.99mm。よってホースの拡幅率は33.2%>
ニップルのバルジ(凸部)の外径はφ7.98mm    ホースの内径はφ5.99mmであった

今回、ワンオフでレストアした際の流用ニップル(オリジナルはT字型ジョイントパイプ)のバルジ径は、上図の通りφ7.98mm。それに対し、先端をカットしたあとの冷却水ホースの内径はφ5.99mm。
  7.98[mm] ÷ 5.99[mm] ×100 = 133.2
よって拡幅率は33.2%となるのだ。

当方の経験上、ホースの拡幅率はどうやら10~30%くらい(適用部位によって異なる)が一般的のようであるので、今回は数値が やや大きめとなってしまったが、ホースの肉厚は十分あるので(外径φ11.01-内径φ5.99=5.02mm であるから、半径換算で半分の2.51mmが実際のホースの肉厚になる)、実用上は問題無いと考えた次第。

<高圧部位ではないので、ねじクランプよりも ばねクランプの方が好ましい>
高圧部位ではないので、ねじクランプよりも ばねクランプの方が好ましい

なお、金属クランプには ねじタイプと ばねタイプがあるが、今回は
  ・ホース内圧は、(オイルポンプ油圧ではく、冷却水圧なので)それほど高圧にはならないこと、
  ・もしもホースが熱老化して外径が縮んだ場合(いわゆる、ゴムに ”へたり” が生じたとき)、
   ねじ式クランプでは相対的にゆるみが生じてしまうのに対し、ばね式はへたりに追従可能である
ことから、純正のばね式クランプを そのまま再利用することとしている(一応、ねじ式も用意してはいたが)。


その7(完結編) に続く。
2011年08月02日 イイね!

[CBR250Four] サビで朽ちた冷却水回路をワンオフでレストアする・(5)圧入編

[CBR250Four] サビで朽ちた冷却水回路をワンオフでレストアする・(5)圧入編新車で購入してから25年間、ワンオーナーで乗り続けているホンダ・CBR250Four SE に関するDIYトラブル克服記。今回は 「サーモスタットのニップル・サビで朽ち果て編」 の紹介・その5(圧入編)。
   ◎その1(症状編)は → こちら
   ◎その2(確認編)は → こちら
   ◎その3(把握編)は → こちら
   ◎その4(加工編)は → こちら

手持ちのT字型ジョイントパイプ(三方管)を流用して、外径をφ5.5→φ5.0にテーパー状に縮径させる加工は、思いのほか順調に進んだ。デジタルノギスで数値を読み取りながらの手加工(耐水ペーパーで番手を変えながらの研磨)ではあったが、特にいびつな楕円になることもなく完成した。

話は前後するが、実はテーパー状に縮径加工する前に、新しいニップルの圧入長さ(ハウジング内に打ち込む、埋め込み長さ)を確認している。「(1)テーパー加工するべき軸方向の長さ」 は、「(2)予定しているニップルの圧入長さ(深さ)」 を超えないようにしなければならないからだ。もしも (1)>(2) になってしまった場合は、せっかく新しいニップルに打ち替えても、軸方向に はみ出たテーパー部分のスキマから冷却水が漏れてしまう恐れがある。

<ニップルの軸方向長さを計測する。具体的には、バルジ(シール部分:凸形状の裾野)よりも下側の長さを計測>
ニップルの軸方向長さを計測する    具体的には、バルジ以下の長さを計測

<次にホースクランプの幅を計測。圧入後のニップル平坦部の長さが、クランプの幅を下回らないようにするため>
ホースクランプの幅を計測する。    圧入後のニップル平坦部の長さが、クランプの幅を下回らないようにするため

上記画像に示す計測値より、
  12.26mm - 8.01mm = 4.25mm
圧入後のニップル平坦部(ハウジングのボス座面~ニップルのバルジ裾野までの距離)は、どんなに最低でも8.01mm(クランプの幅)は確保したい。よって、圧入長さ(打ち込み深さ)の目安は、最大で約4.25mm→数値を丸めて約4.0mmまで、としておく必要がある。逆に、圧入長さを4mmから極端に小さく(たとえば2~3mm)とした場合、緊度が十分に取れていないとニップル自体が(内圧に抗して)サーモ・ハウジングから脱落してしまう恐れがある。

<いよいよニップル(相当品)を、アルミ製のサーモ・ハウジングに圧入する。圧入代の目標試算値は、約4mm。>
いよいよニップル(相当品)を、アルミ製のサーモ・ハウジングに圧入する。    圧入代の目標試算値は、約4mm。

<圧入の際は、斜めカットにより圧入距離が一番短く(浅く)なる部位が ”上側” に来るように打ち込む。>
圧入の際は、ニップルの姿勢と圧入長さに留意する    圧入距離が一番短く(浅く)なる部位が ”上側” を向くように位置を調整する。

なお こうした圧入作業では、本来はロックタイトなどの 「嫌気性接着剤」 を塗ってから行うのが基本であるが、今回は都合により割愛した(少々冒険することになってしまったが・・・)。まぁエンジン油圧とは異なり、サーモ・ハウジングの冷却水圧力なので、そんなに圧はかからないのでは? との読みもあるのだが(果たして吉と出るか凶と出るか)。

これで、ひとまずの作業(ニップルの流用加工と打ち替え)が終了。
次の工程は、車体側の冷却水ホースの処置(劣化部分の削除)、およびホースのシール性確認(試算)などである。


その6(仕上編) に続く。

プロフィール

「[整備] #CBR250FOURフォア [CBR250Four] 2回目・リヤブレーキランプスイッチスプリングの交換('24-0 ... https://minkara.carview.co.jp/userid/132018/car/28623/7723328/note.aspx
何シテル?   03/25 00:00
調布市のKAZ [読み:ちょうふし_の_かず] と申します。 スバル・レヴォーグ(VNHC型)、スバル・エクシーガ(YA5E型)、ホンダ・CBR250Four...

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