ボクが日産車のことを話題に取り上げるのは珍しい話で、ノートe-POWERの人気にケチを付けるつもりはないのですが、、、A^_^;)
これはとても面白い現象だなぁ、と思ったのでちょっと書いてみます。
ノート e-POWERを日産は「新しい形の電気自動車」みたいな言い方をしていて、世の自動車評論屋wからは多くの物言いwwが付いたようですが、エンジンが全く駆動を行わず発電に特化し、モーターだけで駆動するという点にのみ着目すれば、確かに電気自動車という主張には一理あります。
要はモーターに電気をどうやって供給するか?という話で、多くの人が考えるのはバッテリーを積んでそこから供給、という事なのですが、別になんらかの発電機を積んで、発電しつつ供給したってイケない話ではありませんよね(^_^;)。
その発電の仕組みが燃料電池なら燃料電池車(FCV)なんて呼ばれるワケですが、専門家の間ではエンジンで発電する場合はハイブリッド(HEV)に分類されます。シリーズ・ハイブリッドですね。
これがかつてのホンダのIMEという仕組みだとパラレル・ハイブリッドだし、トヨタの場合はシリーズ・パラレル・ハイブリッドと呼ばれます。
まぁ呼び方はどーでもイイんですが(笑)、ここまでで確認しておきたいことは、日産の「新しい」という主張とは裏腹に、シリーズ・ハイブリッドという仕組み自体はけっして目新しいものではなく、しかもハイブリッドシステムとしてはこれまであまりメジャーでは無かった点です。d(^_^)
なぜメジャーじゃなかったのかは正直ボクも納得感のある説明が出来るほど考察出来ていないのですが、自動車の構造というか、技術的な課題に着目すると、トヨタのシステムなどに比べれば遥かに簡単(単純)だし、実現は容易なように思えます。なのになぜ?ボクが知る限りでは、シリーズ・ハイブリッドを採用したクルマって、日産ノート以前ではシボレー・ボルトくらい?
もうひとつ気になった点は、三菱自動車のアウトランダーPHEVやホンダのアコード、オデッセイに採用しているSPORTS HYBRID i-MMDは、厳密にはシリーズ・ハイブリッドではないものの、動作と云うか振る舞いはかなりそれに近いモノです。つまり市場にとっては「エンジンは発電に徹し、駆動はもっぱらモーターが行うクルマ」というのは、ノート e-POWERが必ずしもお初というワケではないという話。
ノート e-POWERが昨年11月にデビューして月間販売台数で首位を取ったというのは、日産がトヨタを抜いたのがサニー以来、何年ぶり?なんて事で話題になりましたが、一方でレンタカー需要などの業販で台数を稼ぐなどの裏ワザwで、まぁ話題作りの瞬間風速なんて事を云う人も業界には居たようです。
それは事実だったのかもしれませんが、その後の販売台数の推移を見ると、必ずしもその一瞬だけに留まらずに、どうやら人気の波に乗ったことが
自販連の統計データなどにはハッキリと表れています。
で、その人気の秘密がどこにあるのか?なんて話題を取り上げるメディアもポツポツ出てきているんですが、ボクのようなトーシローwがあまり詳しく調べもせずにww考えれば、先に述べた2点を筆頭に、とっても不思議に映るワケです。いや市場の動き(人気)が、ですね(^_^;)。
①シリーズ・ハイブリッドという技術になぜか自動車メーカーはずっと消極的だった。
②シリーズ・ハイブリッドチックなモーター駆動が主体のクルマは既に存在し、しかしトヨタのハイブリッド車を凌駕するほどの人気にはならなかった。
ところがノート e-POWERはコンパクトクラスで一番人気のアクアをどうやら完全に抜き去っているのが発売以降、数ヶ月の現実なのです。
何がそんなにウケたのか?(・・;)
一部のメディアではモーター駆動の優位性(モーターはエンジンと違って回転が上がらなくても最大トルクを起動する瞬間から発生する)を指摘するモノがありますし、マツダのディーゼルが人気の通りで、アクセル操作に即応するトルクの太さが運転の気持ち良さや、運転のし易さ(楽さ)に繋がるというのは解ります。
ボクはあまり乗ったことはありませんけどw
しかしそれって日産のリーフ、BMWのi3などの電気自動車は持っているワケだし、アウトランダーPHEVやホンダのアコード、オデッセイのi-MMDなども持っている特性で、それが今更にウケた理由と言われても、う~ん、何か説得力に欠けるなぁ~なんて思ってしまうワケですね。
例のワンペダルドライブに関しても、少なくともBMWのi3は同じのようですし。
と、不思議フシギと連呼してても仕方が無いので、以上を踏まえて考察してみました。
恐らく多くの電気自動車初体験の人にとって、モーターの起動トルクの大きさや、それによってもたらされるアクセルレスポンスの良さ、加速の鋭さなどは素直に「良い」という印象を与えたのでしょう。
加えて、ノート e-POWERの価格の安さ。これが実は大きなポイントであったのかも?と推察しました。
今のノート e-POWERの人気を「電気自動車が欲しいけど手が出なかった潜在顧客が食付いた」とボクは見ていなくって(苦笑)、
コンパクトカーが欲しい層の選択肢に入って来たことこそが、成功要因の非常に大きな要素ではないか?と。
選択肢に入れば、まぁ現実的には検討をしたり試乗したりしますわな(笑)。そうすると小排気量で非力(苦笑)なライバルに対して、モーターの優位性は光ったというのがひとつ。
それに加えてリーフなどの純粋な電気自動車が航続距離と充電(場所、時間、etc)の問題で顧客を躊躇させるのに十分だったのに対して、街中にあるGSでガソリンさえ補給出来れば電池切れの心配が無い安心感=今までのエンジン車となんら変わらない使い勝手・運用が可能となれば、電気自動車の購入を躊躇させていた要因は何も無いワケです。これがふたつめ。
そして、ノートというクルマの出来の良さ。これは一部のマニアが云々する領域の話では無く(笑)、何人乗れて荷物がどれくらい積めて・・・みたいなクルマ好きでない一般顧客が気にする様々な点で、ライバルに著しく見劣りするワケでは無い点。
以上の三点が絶妙に絡み合った結果、人気になっているのかな?と思いました(^_^;)。
で、話が再び冒頭に戻るのですが、実はシリーズ・ハイブリッドと極めて似た形態の、別の呼び方のシステムと云うかクルマの分類があります。
レンジエクステンダーEV
電気自動車の航続距離はバッテリーの容量+充電状態で決まってしまうワケですが、これに発電機を追加して必要に応じて充電し、航続距離を伸ばすことが出来るクルマをこう呼びます。
当たり前ですが使う発電機がエンジンでも、元々が電気自動車なワケだからエンジンは駆動には全く関与しません。
「じゃぁシリーズ・ハイブリッドと何が違うんだ?」
と疑問に思う人も居るかもしれませんが、ボクが冒頭「呼び方は実はどうでも良い」と書いたのは、まさに我々顧客にとっては実際にシリーズ・ハイブリッドだろうがレンジエクステンダーEVだろうが、どっちも大差は無いワケです。しかし造り手側の自動車メーカーにとっては全く別物というくらい違うんでしょうから、呼び方も違うんでしょうけど。
ただ少なくともノート e-POWERの人気を見るにつけ、少なくとも日本市場でこの方式が"アリ"と認識されると、今後の各メーカーの動きにも若干の軌道修正があるかな?という気がしましたとさ(^_^;)。
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Posted at
2017/05/17 18:17:02