前回のブログに引き続いて、ジャガーのXE、アルファのジュリアといった新型車の参入で面白さを増している(とボクが思っている)Dセグメントのセダンマーケットについて。
新規参入組の魅力に迫る前に、先ずはこのセグメントのトップに君臨するプレミアム御三家を軽くレビュー^^;
なにしろチャレンジャーの側からすれば、今居るコイツらと如何にして戦っていくか?というのがポイントとなるワケだから、"敵を知る"ことは極めて重要です。
ただボクはこの3車の優劣を語れるほどには良く知らないので(爆)、傍からの見た目でホントに軽~くお浚いするだけね(^^;)。
先ずはスペックを並べて見ます。
日本人の好きなスペック比較ですね^^;
BMW 320i 2L直4 184ps 270Nm
BMW 320d 2L直4 184ps 390Nm
Mercedes C180 1.6L直4 156ps 250Nm
Mercedes C200 2L直4 184ps 300Nm
Audi A4 2L直4 180ps 320Nm
これらは日本市場に入っている3車の所謂「標準グレード」というか、ボトムレンジのスペックです。BMWは先日発表になって9月以降に発売となるマイナーチェンジモデルのもの。一方Audiはまだ新型に切り替わっていないため現行(旧)型のものになります。
BMW 330i 2L直4 252ps 350Nm
Mercedes C250 2L直4 211ps 350Nm
Audi A4 quattro 2L直4 211ps 350Nm
これらはミドルレンジというか、標準グレードに対してちょっとお高い仕様で、まぁトップレンジとボトムレンジの間を埋めるグレードですね。
BMW 340i 3L直6 326ps 450Nm
Mercedes C450 4Matic 3L直6 365ps 520Nm
Audi S4 3L V6 333ps 440Nm
で、事実上のトップレンジ(最上級グレード)がこれらですが、実は三社はこの「更に上」を用意していて、、、
BMW M3 3L直6 431ps 550Nm
Mercedes AMG C63 4L V8 476ps 650Nm
Mercedes AMG C63S 4L V8 510ps 700Nm
Audi RS4 Avant 4L V8 450ps 430Nm
という布陣となっています。
個人的な見解ですが、この3車種をこうやって並べてスペックを比較することに果たして意味があるのか?とは思ってます(苦笑)。もしボクがこれら3車のどれかを買おうか、と考えたとして、こういった性能(数値)を比較して「BMWにしよう」とか「Mercedesが良さそうだ」なんて思うのか?といえば、ちょっと違う気がするのでね(^^;)。
とはいえ、改めて眺めて見ると意外に色々な事が解ります。何気なく並べましたが3社共に大まかに3グレード構成をとっている事。ボトムからミドルレンジモデルは見事に直4のダウンサイジング過給エンジン一色になっていますが、トップレンジには6発を用意していること。その上で、更に上というプレミアムモデル(M3、AMG、RS4)を用意している点。
更に細かく見ていくと、例えばボトムレンジの性能は各車ほぼ横並びですが、これがミドルレンジになるとBMWが「抜け駆け」しているのがわかります(笑)。掲載したのは最新の330iですが、現行型の328iも245psあります。一方でこれがトップレンジになると今度はMercedesが一歩抜きん出ているのがわかります。BMW、Mercedesそれぞれの思惑って何なんでしょう?なんて考えると実に興味深い^^;
Audiは新型のスペックがまだハッキリしないために旧型のモノを載せましたが、こんな風に眺めて見ると新型がどんな数値を引っ下げてデビューするのか?そしてその狙いがどこにあるのか?なんて考えるのも面白いものです。なにしろダウンサイジングターボの四気筒、もしくは六気筒なワケなので、最高出力をどうするか?なんて話はサジ加減でチョイチョイの世界です。ところが単純に「競合よりも大きく」とはいかない要素が「環境性能」という要件であって、まぁ馬力がデカけりゃ燃費が悪い、そのバランスをどう取るか?という点が、技術的というよりむしろマーケティング的な観点から決めれれているようにも見受けられます。
一方でM3、AMG、S/RSといったプレミアム(スポーツ)モデルになると、また少し違った観点でスペックが決められているようにも見えます。
私見を少し述べると、ベンチマークと言われるBMWは意外にスペックを追っていないように見えます。それはM3ですら同様で、旧型比で性能を当然の如く向上させつつも「クラストップ」の最高出力&最大トルクなんてものを追っていないという印象。一方でMercedesですが、AMGに関しては明らかに「クラス最強」に拘っているように見えます。しかもライバル+20~30psなんてケチくさいレベルではなく「圧倒的に高出力」と誰が見ても判るレベル。これはひとつ下のCセグメントのAMG A45でも全く同様。しかしAMGではない標準モデルについては"平凡な性能で良い"と考えているようにも見えます。
という感じに各社の思惑がなんとなく透けて見えるワケですが、実際にオーナーの立場から見るとどうなのか?先に述べた通りで、ボクはこの3車のどれかを買おうと考えているユーザーが、こんなスペック表を並べて比較して「こっちがイイ」なんてクルマ選びをしているのか?という点には懐疑的です。
ボクの極めて勝手な各車のオーナーイメージですが、、、
Mercedes:中小企業の社長や大企業の重役など、ちょっと自己顕示欲(権力欲)の強い人
BMW:クルマ好きで運転が好き、社会的地位もそれなりにあるがあまり偉そうに見られたくない人
Audi:お医者さんとか、一般企業の権力構造のちょっと外側にいる知的な人たち
ってな具合です。恐らく実態とは相当にかけ離れているとは思いますが、、、(苦笑)
何が言いたいかというと、要するにBMWを選ぶ人、Mercedesを選ぶ人、Audiを選ぶ人ってそれぞれ価値感というか生き方が違う人たちだから、案外クルマ(ブランド)選びでは競合していないんじゃないか?というイメージですね。世の中に皆無とは言いませんが、BMWかMercedesか?と悩む人は、意外に少ないのではないか?と感じています。少なくとも日本では。
もっともドイツ本国では事情が違うかもしれませんが。。。
もしそうならそもそも競合しないワケだから、ライバルより性能が上とか下とかはあまり大きな意味を持たないことになるのですが、どっこい世の中はそう単純なハナシは無いワケで、それがこんな風にスペックを並べただけでも透けて見えるのですが、この3社以外の各社は、いずれにしてもこの3強が君臨するセグメントに於いて、なんらか自分たちの製品が価値を認められ、然るべきポジションを確立すべく、製品を開発していくことになるワケですね(^-^)。