2016年10月12日
彼女は、今どうしてるだろか?
もう十年以上前の話
当時、鶏冠君は某デーラーの小っこい田舎の拠点に勤務していました。
この地区は、過走行のクルマが多い所で
クルマそのものが消耗品となってしまいます。
1年で30000キロとか走るクルマなんて珍しくない感じなんです。
そんな中、初代インスパイアに乗るAさん家族
正直、距離も年数もかなり経過していました。
壊れる度に、お金掛かっても修理して
ピカピカに磨いている訳では無いのですが
大切にしている感じがしました。
そんなある日
一本の電話が入りました。
どうやら事故にあった模様
後ろから追突されて無惨な姿になってしまったインスパ君
見た瞬間に、これは廃車だなぁ?
と言うレベル
Aさんにお話しを聞くと・・・・・・
運転していたのは、免許取り立ての娘さんだったらしい。
幸い体は無傷だったのですが
どうやらかなり落ち込んでいるとの事
そりゃあ?免許取り立てでいきなり事故にあえば誰だって
へこみます。
しかし、それだけじゃない模様。
実は、この娘さん・・・・・・
とにかくインスパイア君が大好きだったらしい・・・・・
ここで、今までの事が色々とリンクして行きます。
半年に一度は、必ず点検を受けて
不調があれば直して来た意味が分かりました。
お父ちゃんは、ホントは乗り換えたかったけど娘の事を考えて修理維持して来たみたい。
この事実を知った瞬間
鶏冠君の心のスイッチが カチッと入りました。
なんとかしてあげたい。
そんな気持ちが溢れ出し
お節介モードに突入!!
しかし、時価額考えたらとても保険で賄えない。
現実的に修理は不可能です。
色々とAさんと話しましたが
やはり廃車して乗り換えの方向になってしまいました。
次のクルマの商談に家族で来店されましたが
娘さんは、真っ先にインスパイア君の所に・・・・・
「ゴメンね」
と何回もインスパイア君に語りかけていました。
もうね?
そんな姿みたら・・・・・
オッサンは、涙こらえるのに必死ですよ!
ホントにこの娘さん優しくて良い娘で
泣けてきました。
何故か?
サービスの鶏冠君も商談テーブルに呼ばれて
色々と提案させてもらい。
無事に商談成立しました。
ある程度、Aさん家族から信頼されていたので
失礼は承知で色々お節介させてもらいました。
お父ちゃん的には、直したい娘さんを説得して欲しかったみたいなので一生懸命説明しましたね。笑
帰り際、
「最後は、わたしの事守ってくれたんですね」
と一言
在り来たりで、普通は陳腐なセリフかもしれませんが
彼女の潤んだ瞳を見ると・・・・・・
ちょっとだけ心の汗かいたのは秘密です。
今どき、クルマにこんな感情持っている娘がいるって事が分かって
まだまだ日本も捨てたモノじゃないと思いました。
数週間後
新しいクルマが到着
当然、鶏冠君が新車整備を担当
納車の日を迎えます。
ここでも鶏冠君のお節介モードがスタート!!
自腹切って何かプレゼントとか?
かえって迷惑になります。
何か?
インスパイア君の思い出を残せないか?
と考えました。
そこで・・・・・・・
下手ですが
インスパイア君のエンブレムとルームミラーを取り外してプレゼントしました。笑
普通の人には、ガラクタにしか見えないゴミかもしれませんが
彼女は、大変喜んでくれました。
このインスパイア君は様々なドラマを生み出しました。
娘さんが免許取るまで維持され
大好きだったインスパイア君を娘さんは運転する事も出来
最後は、娘さんを守ってくれた。
全ては、偶然なのかもしれません。
しかし、相手が機械でも
きっと、家族の愛情がこのようなドラマを生んだのでしょう。
無機質なマテリアルの集合体であるクルマですが
時に、まるで意思を持つかのような事があります。
全ては偶然・・・・・
確かにそうなのですが
それだけじゃない何かを感じ
クルマと接してくれる人が増えてくれればと思います。
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Posted at
2016/10/12 15:32:29
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