本日の読書：『仮釈放』吉村昭著　　何とも救いようのに話だ。しかし、主人公には同情できない。真面目であれば無骨であれば全て赦されるものではあるまい。ただ、こういう人もいるのかもしれないが・・・・

一昨日手に入れて、先ほど読了。

のべ３日かかったが、一晩でも読み切れる280Pほどの長さだ。

読後感はよくはない。アマゾンの書評者の中には、読み終えてすぐ駅のゴミ箱に捨てたということをわざわざ書いて多人もいた。

が、概ね評価の高い小説ではある。　罪と罰の亜流のバージョン違い・・・か？


文章に不足はなく、読み進むのに難はない。


残り１／３ほどで何となく結末が予想できたが、どうやってこの小説を終わらせるのだろうと心配しながら読んだが、結末はあっけない。

ある意味衝撃的ではあるが、はたしてこれは評価されるべき小説なのだろうか？？


仮釈放者とはどういうものかが良くわかりはした。

以前職場に在職中から保護司をしてらっしゃる方がいらして、幾つか話を聴いたり

また、ホテルの宴会で座った席の隣の方が保護司だったり、、、

「１３階段」にも保護司が出てくるが、あれはミステリーだったし、、、

保護司の仕事の大変さやその精神性の高さは認めるが、

犯罪者の内面はそれぞれが違い、やむにやまれずや致し方なくと言う場合もあろうがその多くは人しれない暗黒の世界だ。


妻の浮気による性交現場を目にしたとき、果たして私はその場ですぐに妻を殺め、

浮気相手の家に火を放てるだろうか？？？


まぁ、そういう人もいるかもしれないが、私ならそうはしないだろう。


しかし、人それぞれ。　


この本の感想も、人それぞれだろう。


一つの作品として読み切れもするし、何かを残すことは間違いない。

『破獄』はどっかに買いおいていて未読なので、口直しにそのうちに。