これは乗るしかないっしょ。
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私はトヨタは嫌いでした。
理由は簡単です。
日本をいや世界を代表する自動車メーカーなのに儲からないからと言って心がときめくスポーツカーを作らないからです。そのポリシーが気に入りませんでした。
しかし、社長が代わり会社が変わりました。
かなり本気で煮詰めたクルマでしょう。これは試乗するしかありません。
と言うことでジュニアの入学式の今日、午後が空いておりDに電話で確認すると試乗車があるとのこと。近いので行って来ました。
どうも今日が発売日のようです。またしても本能で匂いを嗅ぎつけたようです(笑)
先日BRZの展示車はすでに見ており、そのデザインは最近の国産車の中ではかなり頑張っていると思われ、正直格好いいと思いました。
86とBRZ、微妙にデザインは違うのですがどちらもいい感じです。トヨタの”86”エンブレム以外は・・・・
アレはダサすぎです。かなり残念。
私は”86”という名前に何の魅力も感じないので、逆にダサさ丸出しとしか思えません。エンブレムのデザインも発想が幼稚だと思います。デザイナーには申し訳ないですが正直な気持ちです。
試乗は国産車の宿命でしょうか、営業マンが横に乗ってのお世辞を言いながらの試乗となりました。いつものワインディング・ロードを一時間弱走りました。グレードは”GT”でした。
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■エンジン
ダウンサイジングの世界の流れに逆らうかのようなNA2L直噴エンジンです。しかし運転状況によってはポート噴射になるとのこと。私はポート噴射の方がいい場合があるかどうかは知らないのですが、凝ったメカニズムであることには違いないです。圧縮比の問題などは無かったのでしょうかね?
それにしてもあのトヨタがこのご時勢”ECO”の”E”の字も無いクルマを作るのはどうかと思いました。
まあ、そんなことよりスポーツカーは楽しいことが第一なのでまずはそれを確認しましょう。
振動に強い水平対向エンジンってこともあり、回転そのものはスムーズだと思いましたが、特にBMWの最近の直4エンジンより優れているとは思えませんでした。
出力/トルクとも必要にして十分だと思いますが、もし本気でドリフト等を楽しもうと考えてるのであればもう少し欲しいでしょうね。
エンジンサウンドはかなりがっかりしました。4000min-1までは静かで誰も振り向かないほどの音量ですが、4000min-1を超えてからは何かのスイッチが入ったかのように勇ましい音が車内に入り込んできます。その勇ましい音ですが、全然気持ちのいい音ではなく、なんだかエンジンが苦しくて唸ってる音をそのままわざと取り入れてるようで、この意図的に作られた音は不要だと思いました。まだマツダのロードスターの方が魅力的だと思います。
スムーズに回るエンジンとは裏腹の音は何とかして欲しいですね。
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■シャーシー
タイヤはミシュランのPRIMACY HP。なんだECOなんて知らん顔のクルマだと思ったらタイヤはECOなんですね。このクルマの性格に本当に合うのかと思いましたが、山坂道を少し飛ばすぐらいでは全く問題なく走れます。逆にハイグリップタイヤより軽やかに感じますね。ハンドリングの素直さ、素晴らしさはこのタイヤを含めたチューンによるものなんでしょうか。きっとハイグリップタイヤを履いてもいい感じだと思います。なぜならサスペンションやタイヤを通じてステアリングに伝わってくる路面状況は比較的分かりやすく、BMWに近い感覚だと思ったからです。きっとステアリングシャフトなどの伝達部の剛性がしっかりしてるんだと思います。
ハンドリングの正確さ、素直さはこのクルマの美点だと思います。
■ブレーキ
トヨタにしては珍しく全く”カックン”ではなく、逆にこのタッチはスポーツパッドかと思えました。いわゆる踏んだら踏んだだけ効くというやつで、ポルシェのように少しの踏力では全く減速しません。営業マンにそのことを伝えるとブレーキパッドはスポーツパッドが入ってると言ってたので、なるほどと関心していたが、いざ家に帰ってカタログを見るとそれはもう一つ上の”GT Limited”というグレードの話しです。営業マンが間違ってるのか、OPでこの車両だけスポーツパッドに交換してるのか真意は分かりませんが、フィーリングはスポーツパッドの様だったとには違いないです。
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■トランスミッション
今回のはATですが、正直言って特に可も無く不可も無く今時何の特徴も無いフツーの6ATです。
シフトダウン時のブリッピングはちゃんとしますし、結構高い回転数でも受け付けてくれます。またドライブモードでもパドル操作は有効で数秒後には元のドライブモードに戻ります。
スポーツカーですから、ここはツインクラッチのダイレクト感を楽しみたいですね。その辺は国産車は欧州車より遅れてるとしか言いようがありません。
■内装
BRZとはまた違った雰囲気ですが、ところどころ赤を使うことでやる気をそそる雰囲気を出してます。ちょっと古臭い手法ですがね。
試乗した時間においては、シート、ステアリングはかなり好印象でした。シートはバケット形状でしっかりホールドしてくれますし、ステアリングは、形状、大きさ、太さが完璧に近いです。見た目のデザインはちょっと残念ですが・・・・
内装の材料はチープです。この車両価格では仕方ないですね。
後席は狭いの一言ですが、MINIよりは広いかも(笑)
ただしお尻をかなり落とし込んで座る姿勢ですので、いざ降りようとすると「誰か助けて~」って叫びたくなるほど降りにくいです。また前席シートを前に倒そうとすると、相変わらずシートのリクライニングレバーを操作しなければならず、Ergonomicsはそれほど考慮されて無いと感じました。
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メーターの写真を撮るのを忘れたので前回のBRZの写真を拝借です。
速度計、回転計とも細かな目盛りがメーターを”うるさく”しています。もっとシンプルに10キロ、1000min-1刻みの目盛りで十分です。
ちなみに私が乗った時、最初からガソリン無いよの警告等が点灯してました。帰ってこれるか不安になるのでガソリンぐらい試乗の前にちゃんと入れて欲しいですね。
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ペダルは特に違和感無かったのですが、できればアクセルはオルガン式の方がいいですね。疲れが少ないですから。
どうも吊り下げ式はアクセルをパーシャルに保つのがしんどいです。
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リヤビューもなかなか凝ったデザインです。
マフラーも太く存在感ばっちりです。
しかしこのブレーキランプのデザイン。Z4とクリソツじゃないですか?ちょっと斜め向いてるけど。
昔から思ってた国産車の特徴的なデザイン。「なんとなく角を丸めてみました」「なんとなく斜めにしました」というような詰めの甘さが見えてきます。
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明らかにZ4クーペの方がまとまったデザインです。(前期のZ4ロードスターは丸目だった)
さて、国産車の中では競合が居ない86ですが、これを買うかと言われると微妙です。国産車だけの世界で見ると比較対象になるのはオープンですがロードスターぐらいでしょう。クルマとしての魅力はロードスターの方が上かなと思えます。
輸入車にまで視野を広げるとこの価格なら中古のZ4クーペと思いっきり被りますので、所有した時の満足感では圧倒的にZ4に軍配が上がると思います。やはりBMWは偉大ですね。
Posted at 2012/04/07 00:12:51 | |
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