(中日新聞より)
宇宙航空研究開発機構(宇宙機構)が、
2025年頃に計画する、
月への有人着陸探査と、
その後の基地建設に向け、
月面で観測調査や通信、
サンプル採取をする移動ロボットの、
試作機の走行テストが、
3月初旬、
浜松市南区の中田島砂丘で行われる。
段差や傾斜が激しい砂丘を月面に見立て、
クレーター内など悪条件下で、
要求される機能のデータを、
実機開発に生かすのが目的だ。
中田島砂丘でテストする試作機は、
宇宙機構の
月・惑星探査プログラムグループが単独で開発した、
無限軌道型モデルと、
東工大と共同開発した、
弾性車輪型モデルの2機。
浜松まつりの凧(たこ)揚げ会場に近く、
起伏が最も多い地点を選び、
傾斜地での登坂性能や、
砂に埋まった状態からの脱出、
障害物の回避・乗り越えなどができるかを試す。
海岸利用を所管する静岡県などへ近く申請する。
07年に打ち上げた月周回衛星「かぐや」の
成果を踏まえて、
宇宙機構が計画する月面探査では、
クレーター内に有人軟着陸することが想定され、
最大40度とみられる傾斜を
乗り越えることが大きな課題だ。
さらに月面では、
昼夜で300度を超す温度差や、
真空での強い放射線に加え、
宇宙から猛スピードで降り注ぐ微粒子が、
岩を削ってできた微小な砂が、
深い場所で20~30メートル堆積するなど、
悪条件が重なる。
宇宙機構によると、
月面探査は砂地以外に火山礫(れき)地などでの
テストも要求される。
砂地での走行テストに中田島砂丘が選ばれたのは、
地形のほかに
東西の交通アクセスに優れているからだと
いう。
小惑星イトカワを探査した「はやぶさ」の
次期ミッションにもかかわる
月・惑星探査プログラムグループの
西田信一郎研究開発室長は、
「浜松地域を含め全国の企業や大学が持つ、
優れたロボット技術を取り入れつつ、
宇宙関連産業の裾野も広げていきたい」と、
話している。
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Posted at
2011/02/27 18:11:44