歴代 ロータス
" 1 番売れたクルマ " 1 ~ 5 位 については昨日自分がブログ投稿をしようとした時間には既に和訳版がUp されていて 、 「 どうせなら追記して一緒に投稿するか 」 と先に読んでみたのですが ・・・
「 Autocar 程の自動車メディア が載せる記事のレベル がこれか ・・・ 」 と全身に脱力感を感じるような内容に思えてしまいまして 。
生産台数の大小に関する資料というよりは単に ネタ 的に書かれた内容という意味なんでしょうか ?
まずは 5 位 にあげられているのが
5位 ロータス・エラン+2(1967-1974):5168台
個人的には 「 へぇ ~ 生産期間の割りにはこんなに売れていたんだ 」 という印象でした 。
" セールスを伸ばした勝利の方程式は? 30cmばかり伸ばしたことである 。エラン+2は、実用性を重視し 後席を追加 。車重増加に対応するべくツインカムエンジンはパワーアップを果たした "
と解説されているのですが 、 これって そのまま Evora への説明にも使えるのでは ?
( ただし 実際の実績ではこちらは勝利とは言い難い形ですけれども ・・・ )
4位 ロータス・エリーゼ(1996-2001):8613台
まあ S1 Elise はこんなものでしょう ?
3位 ロータス・エリーゼ 2 111R(2003-2011):8628台
やはり出てきました ? 111 R 。
ちなみに 以前に見た マークラインズ社に掲載されてた資料によれば 2005年には ローバー車も含んでですが Elise だけで 4243 台が作られていて Exige の 810 台と併せ 過去最高でもある 5053 台中の 2300 台 あまりが USA 向けに輸出されています 。
" 北米ではKシリーズエンジンが環境規制を満たせなかったために 、この111Rからエリーゼのアメリカ市場展開がはじまった 。 "
と記事では解説されていますが これが S1 から S2 へのモデルチェンジ時に同じローバー搭載車でも 100 kg 近く 車両重量が増える形になった最大の理由にもなっています 。
2位 ロータス・ヨーロッパ(1967-1975):9887台
たぶん この写真を使うと
「 これ Europa じゃないし ! 」 という指摘が出るのかもしれませんが ・・・
そして 栄えある 第 1 位 にあげられているのが
・・・・・・・・・・・ 1位 ロータス・( え っ ! ) エラン(1962-1972):1万2224台 ?
" テレビの「Avengers」シリーズに登場したことでアイコニックな存在となり、ロータス史上もっとも売れたモデルの栄冠を手にする 。 "
今回の記事を読んで思ったのですが 、 ライター さん ( UK の元記事に名前は見当たりませんでしたが もちろん 英国人 なんでしょう ) 的には 結局これが言いたかっただけなんではないでしょうか 。
各台数について自分では検証していませんのでこちらが間違っているかもしれませんけれども 、 Elan の実績は キット 販売の数も含んでの数字なのではないか と邪推してしまいます 。
又 7 位 S2 ローバー の 4535 台に 3 位の 111 R 8628 台 を加えると 13163 台になって今回 1 位とした Elan を抜いてしまうことになり 、 各順位のまとめ方には 独善的な恣意を感じるものがありました 。
ただし 111 R の期間が 2011 年までとなっているので これだと S3 Elise 時の Elise R も含んでしまう形になり 合計して Elan より本当に多くなるのかどうかも 不透明かもしれませんが ?
以下は以前掲載したものですけれども マークラインズ 社の資料に一部追加した 自分が知る範囲でのモデル別生産実績になります 、 ご参考までに 。
・・・・・・・総数
・・ エスプリ
・・ エリーゼ
・・ エキシージ
・・ 2-11
・・ヨーロッパS
・・ エヴォーラ
2003
・1731台
・・119
・・・・1609
・・・・・・・3
2004
・3212台
・・・16
・・・・2674
・・・・・522
2005
・5053台
・・・・・・・・・・4243
・・・・・810
2006
・3062台
・・・・・・・・・・1574
・・・・1291
・・・・・・・・・・・・・・・197
2007
・2630台
・・・・・・・・・・1284
・・・・1094
・・・・・73
・・・・・・・・179
2008
・ 2106台
・ 車種別 明細 不明
2009
・1618台
・・・・・・・・・・・549
・・・・・664
・・・・・・・・・・・・・・・・27
・・・・・・・378
2010
・2613台
・・・・・・・・・・・921
・・・・・514
・・・・・・・・・・・・・・・・・6
・・・・・・1172
2011
・ 不明
2012 約 1000 台 ( 2013年 7月 エキシージS 国内発表時のマシュー ベッカー氏コメントより )
2013 約 1300 台 ( オートカージャパン誌の 「 ロータス大研究 」 には 2013年世界販売台数
・・・・・・・・・・・・・・・・ として 1368 台 、先日拝見した MakotoExige さんのブログに有ります
・・・・・・・・・・・・・・・・ 23日付け 英The Telegraph の記事によると 昨年の販売台数は
・・・・・・・・・・・・・・・・ 1232 台 となっていますので 生産された台数としてはこれぐらいで
・・・・・・・・・・・・・・・・ 見ておいて大丈夫でしょう 。 2013年は 2012 年比約 30 %UPという
・・・・・・・・・・・・・・・・ Lotus Cars 側発表からも概ね一致しますので )
そして後半は 逆に
歴代ロータス 1番 “ 売れなかった ” クルマは?
ロータス販売台数 ワースト10
となっていますが 、 掲載されている各モデル を見ると 「 誤訳 、 或いは訳者も Lotus
車の状況や内容に知識が少ないことによるものなのか 日本語訳が不適切になっているのでは 」 と感じる内容になっていました 。
通常
" 売れなかった " となっていると
" メーカーの期待数 や 予定数に達していない 或いはなにかの理由により不人気である " という イメージ になると思いますけれども 、 UK での原文では
Lotus: its biggest sellers, and its smallest となっていて この場合 「 売れた数の大小 だけをさしているのであって
" 売れなかった " とはいっていないのでは ? 」 とも思えます ( 自分の英語力では甚だ怪しいですが ・・・ )
10位 ロータス・エクセル(1982-1992):1327台
まあ これはおいておくとしまして ・・・ ( ? )
9位 ロータス・エリート(1957-1963):1078台
実績数が少ないと言われてもこの頃はまだ生産体制自体が貧弱すぎて数を作ることが無理な状況でした ・・・
確かに解説にもあるように製品的な問題から売れば売るほど赤字が増える という面もありましたが ( その点では Lotus 車のロードモデル は ロータスクオリティ と共に生まれたともいえるわけで ? )
8位 ロータス・エヴォーラ2+0 全モデル(2009-現在):614台
( 写真は Evora S スポーツレーサー の後席 )
Evora 全モデルから 2 シーター のみをピックアップする というどうにも腑に落ちない区分だけで無く 、
実はこの部分の解説には非常に間違いが多いという困った内容にもなっていまして ・・・
以下は自分も以前のブログで指摘したことがあるのですが 、 2 シーターモデルを選ぶ際のメリット として
後席を省くことで ・10kgの軽量化 ・£1455( 記事内では 20万円となっていますが 当時設定されていた実際の日本価格ではもっと違いました )のロープライス
と確かに初期のモデル ではなっていたのですけれども 、 LCI 曰く 「 2 シーター にしても置いてある 荷物が前に飛び出してこないようにする金具等がある為 4 シーター との差は実際には 10 kg も無い 」 とのこと 、 加えて 400 以降の現在は後席の クッション部分が最小になっている為 その差はより小さくなっています 。
又 価格についても 途中の価格改定時に 同額へ変更された為メリットが無くなってしまい 「 同じなら 4 シーター にしておくか 」 という事例のほうが多くなっていきました 。
" とくにエヴォ―ラ410 AUTO 2+0 は 2016年の導入以来5台が売れたのみだ 。
天然記念物並みの希少性である 。 "
これは Sp 410 の ATモデル を指していると思うのですけれども ( 400 には 4 シーター しか設定が無いので ) Evora Sp 410 自体がまだ最近の導入されたばかりで限定モデル では無いながらも年間生産可能枠がかなり少なく 、 これの AT モデルを選ぶ例が少ないのは Exige S で MT よりも AT を選ぶオーナーが少ないのと同様なので 僅か 5 台でも 特に驚くには値しないところでしょう 。
こんなことを平気で書くライター のほうが 天然記念物並みでは ?
7位 ロータス・エキシージ・シリーズ1(2000-2002):583台
この解説部分も勘違いが ? 甚だしい ・・・ ように感じますが ~
本当に AUTOCAR UK のライター が書いたのか ?
( 売れなかった ) 問題は思わぬところにあった。エリーゼとそれほど違いのないフロントフェイス これが致命傷だったのだ。
いったいどこが異なるのか といぶかしがるカスタマーは £33,000(470万円)も払おうとしなかったのである 。
まず S1 Exige はその当時の Elise と異なり Lotus Sport で作っていたので年間の生産可能台数自体が多くなく これは限定モデルでもある 340 R にもいえることでした 。 ( 年 200 台前後くらいか ) S2 Exige 以降は Cars 部門で作っていますが 。
フロントマスク が Elise と同じなのが致命傷で売れなかったのであれば S2 Exige のほうがもっと売れていなかったでしょう 。
6位 ロータス・ヨーロッパ S LX 含 (2006-2010):458台
唯一 同意出来るのはこれくらいです 。
当初 Lotus 側は 年間 500 台を予定していましたが 販売全数合わせても 1 年分に届いていません 。 更に作っていたのはほぼ最初の 2 年間だけになり後半モデルの LX等は極僅かでしょう 。
ヒットしなかった理由は考えるまでもない
自分は コンセプト の中途半端さだと思いますね 。
5 位 Lotus 2-Eleven (2007-11) 358 台
これも限定モデル なので " 売れなかった " にはあたらないと思いますが 、 台数が少ない点で強いてあげるならば 2 - Eleven の NA モデル のほうでしょうね 。
( ここまでくるとランキング順位も もう こじつけ としか思えません ? )
4 位 Lotus 340R (2000) 340 台
こちらも Lotus Sport で作っていた限定モデル ですが 約 1 年間で 340 台なら生産期間からでみれば少量生産モデル の中では多いほうでしょう 。
3 位 Lotus Esprit Sport 350 (1999-2001) 48 台
てっきりここは
311 台の 3 - Eleven かと思ったのですが ・・・
もうなんでもありな様相です ? ライター の頭の中はどうなっているんでしょうか 。
2 位 Lotus Evora Motor Sports GT4 Racing (2011-15) 21 台
ついに ナンバー がつけられないレーシングモデル まで出て来てしまいましたが
これを出すなら まだナンバー取得が可能で
GT4 R のロードモデル とも云うべき
Evora GTE のほうだと思いますね 。
こちらは 販売された台数は不明 ・・・ ( 発売になるという Lotus Cars からの正式な告知もこれまでに見かけた記憶がありませんが 、 英国での Lotus イベント等の写真には時折ナンバーがついている車両が写っていることもあるので 入手された方も少数いらっしゃるんでしょうね )
1 位 Lotus Elise 2 SPS (2011) 5 台
まさかの 1 位は Elise SPS となっていますが ・・・
「 これ本当に販売されたのか ? それも 5 台も ・・・ 」
Elise SPS は Evora IPS のトルコン とは異なり トヨタ MR-S の AMT をベース とする Elise 用の AT モデルとして発表され 東京MS 2011 においても展示 、 2012 年春の発売予定が日本でも予告されていました 。
ただその後 英国からは 「 変速時のショック が大きく このままでは商品化は無理 」 という話が早いうちから聞こえてきていて 、 2012 年春以降も Lotus ・ LCI どちらからもはっきりした情報は出てこず 現在に至っていてLotus Cars の Elise のオプション 欄でもこれまで見かけたことが無く てっきり発売なんてされていない はずだと思っていましたが ・・・ 本当に発売されていたのか ?
記事の内容の他の部分にも首を傾げたくなるような点がいくつかあったりするのでどうも胡散くさい印象が強く 自分にとっては
疑惑の 1 位 となりました 。
今回 の記事に関する
1 番の 謎 ・・・ でしたね 。
最少 部門の 1 位 として個人的にあげるならば
やはり
T 125 Exos でしょう ( 確か 2 台 だったと思いましたが )
これも ナンバー はつけられませんが Evora GT4 R がありなら こちらも十分ありでしょうから 。
D ・ バハー CEO からも 当時
「 Lotus 史上最速の市販車 」 ( ロードカー とは言っていませんでしたし 、 お金が出せれば確かに誰でも買えた ・・・ 筈です ) とアナウンス がされていました 。
もし自分が AUTOCAR の編集長だったなら今回のような内容の記事は掲載前に止めさせますね 。