俺は空気嫁を買った事がある

これからご紹介する話は、
今まで誰にも言わず、
心の奥にしまっていた事です。

中学生だった頃、
どうしてもエロ本やエロビデオを入手したかった俺は、
その入手の方法を必死に考えた。
どうすれば誰にもバレないように入手出来るのか。
本屋で堂々と買うのは恥かしいし抵抗がある。
しかも販売を断られたりしたら恥をかくだけである。
しかし、その答えは意外と簡単だった。

自動販売機で買えばいい。

そうすれば確実に恥かしい思いをせずに購入する事が出来る。
しかし近所には自動販売機はあったものの、
それは商店街にあり、昼は人が多く、
夜は車の抜け道になっているため、誰かに目撃される可能性が高く、
シャイな僕にはそこで買うことは出来なかった。

しかし、家から１５キロほど離れた場所で、
車の交通量も比較的少なく、しかもトタンに覆われていて外部から遮断されている

☆☆☆夢のようなスポット☆☆☆

を発見してしまったのです。

日を改め、家から１５キロ離れたあの場所へ向かうべく自転車のペダルを漕ぎ続けた。
深夜２時。運良く警察に職務質問される事無く、無事あの場所に到着した。

周囲を確認し、周りに人が居ない事を確認してから中に入り、
どれが良いのか財布と相談しつつ、じっくりと物色する。
この作業には１０分は要したと思う。

まずは本から。
高鳴る胸の鼓動を抑えつつ、慎重に千円札を投入していく。
コレは問題無く購入できた。見本の商品と同じだ。
そして、本日のメインとも言うべき、ビデオの番である。
何故か心臓が飛び出しそうなぐらいドキドキしてる。
こんな気持ち、生まれた初めてだ。
購入ボタンを押す。３０００円だ、もう後戻りは出来ない。

ボン！。重量感のある音でそいつは出てきた。


・・・。


おかしい。明らかにおかしい・・・。










明らかに、ビデオにしては箱がデカイ・・・。






なんかパッケージの写真も見本のビデオの写真と違うし…（涙目）

いや、しかし、きっとこの中にビデオが入ってるに違いない！

ココで中身を確認しているのはマズイ。
中学生がビデオを買っていたなんて知られたらマズいのです。
早くココから立ち去らなければいけないのです！

確認作業は家に帰ってからにして、不安と期待を抱きつつ、
複雑な気持ちで家に帰った。


猛烈ダッシュで！



家に帰ってその箱を空けると、
綺麗に折りたたまれた、
浮き輪のような材質の、肌色のビニールの塊が出てきた。

これは間違いなく、



























空気嫁である。





orz


何という事だ、ビデオじゃない、空気嫁だ・・・。
なんという不幸、なんという絶望感・・・。

気を取り直して、そいつに空気を入れてみた。



そいつには、





























腰から下しか無かった。





無かった事にしよう。全て無かった事に・・・。
後日、見つからないように小さく折りたたみ、
ゴミ袋を何枚も重ね、厳重に口を縛り、
ごみ回収日の朝、腰から下しか無い彼女は旅立っていった。