この三連休,どこにも行かずビデオテープの整理に明け暮れていた。
TV放映されたものを録画したテープが数十本ある。
テープからHDDにデジタルコピーするのだ。
次の火曜日は月に一度,ビデオテープを廃棄出来る日なので,今日のうちに捨てるべきテープを,文字通り取捨選択しておきたい。
隣町では週一回のチャンスが与えられているのに。
テープは傷みがひどいのが多く,ノイズがちりばめられている。
内容的には残したいが,泣く泣く捨てる決心をする。
テープはアナログなのでコピーするには録画時間と同じだけかかる。
就寝中に丸ごと1本をHDDにダビングし,翌日にコピー後の内容を確認する。
結構内容を忘れていたモノが多く,思いがけない拾いモノもあったり。
スティーヴ・マックィーンが好きで,放映する度に録画しておいたのだろう,何作も出てきた。
もう彼の作品が放映されることはほとんど無いだろうし,評判にならなかった作品はパッケージとして売られることも期待できない。
そんな中,映画『博士の異常な愛情』を見つけてしまい,思わず見入ってしまった。
内容は割愛するが,スゴイ作品だと思う。
スタンリー・キューブリック監督は天才だ,と評する人がいる。
作品の出来は確かに天才を感じさせるものかも知れない。
「ワケが分からない」と評する人も多い。
嘗ては「天才と狂人は紙一重」と言われていたが,今は「狂気を含まない天才はあり得ない」のだそうだ。
天才と称される人に奇人が多いのは事実だろう。
ゴッホは自分の耳を切り落として知人に送っている。
そして生前,彼の絵は実質的には一枚も売れなかったという。
ノーベル賞を受賞した小柴氏は,TV番組でこんなようなことを発言していた。
「モーツァルトとアインシュタインの二人の天才のうち,どちらが偉大か?
アインシュタインの功績は,いずれは誰かが成し得たものであろうが,モーツァルトの旋律はモーツァルトにしか紡ぎ出せなかったであろうから,モーツァルトの方が偉大であると思う」
多少ニュアンスが異なっているかも知れないけど,こんな趣旨だったはず。
この言葉には,科学者側の人間として芸術家側に敬意を表している心が多分にあるのだろうと思う。
アメリカの作家,カート・ボネガットはそんな配慮はせず,こう言い放った。
「オリンピックのゴールドメダリストとは,誰の役にも立たないことを,他の誰よりもうまくやってのけた者だ」
これは高度なアイロニーとして評価されてよい言葉だと思う。
Posted at 2007/09/24 22:07:07 | |
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