昼の11時からスタートした
12時間レース、昨晩遅くにゴールを迎え
明けてこれから日本へ発つ澤圭太です。
996型のカレラカップカーを駆って
(現行は997型)
オープンクラス7番手(総合でも7番手)で
スタートしたレースは
僕がスタートを担当、順調に周回を重ね、
6時間経過の頃には
予想通り997RSRなど速過ぎるオープンクラスの
車両は壊れ始めました。
その時点でクラス3位をキープ。
でも心配されていたクラッチの問題が発生してきて
(スペアパーツも最小限の体制だったのです)
ギアを飛ばしてシフトアップやシフトダウンをして
クラッチの使用回数を必要最低限に減らして・・・
アクセルを早めにリリースして
ブレーキを労わったり
色々テクニックを一緒に組む兄弟に教えて
通常30回必要なシフトチェンジを8回に抑えて
ダメージを食い止めながら周回を重ねるという状態が続きました。
通常の5~7秒落ちの走行なら結構平気です。
1回連続75分以内、合計が5時間以内というルールがあります。
夜9時50分に最終スティントを担当。
エンジンも少しオーバーヒート気味で
後とは4LAP近く差かあったので
労わって労わってゴールまで・・・
トップを走るマシンが残り20分でコース上でストップ。
いよいよ、耐久レース
魔の残り30分・・・と思っていました。
これで総合4位(クラス2位)
残り10分を切った時僕らにも事件は起こりました。
突然ブレーキングで右フロントサスのアップライトのキングピンが折れ
マシンが突如ダンシング、グラベルに飛び出しましたが
何が起きたかさっぱり判らなく
コースに何とか戻り超スローダウン走行。
1周4~5分のペースではあるものの
フィニッシュラインを超えなければ完走にならないルール。
なんとか2位は無理でも表彰台に・・・と思っていました。
どこかで一旦マシンを止めてフィニッシュを待ってから
通過することも考えましたが
停止させたらオーバーヒートが進んで再始動が出来ないかも?
周回数で後続車に抜かれてしまうかも?
この不安がよぎり
エンジン回転を抑えて風を当てながら周回を重ねる事を選びました。
でも・・・。
予想よりチェッカーが振られるタイミングは遅く
(時間をコース上のタイミングタワーで確認していたのですが)
余計に1周を走らなくていけなくなった。
「もう一周持つかな?」そう思いました。
コースマーシャルは手を振って僕の事を応援してくれている。
ピットウォールでゴールの瞬間を待つ
全ての人もスローダウン走行を続ける僕に
こぶしを突き上げて応援してくれている。
「75分ルールもちょっと危うくなってきたな~」と少しペースを上げて
あと1KM先のゴールまで・・・
しかし最後の最後にドラマが待っていました。
ゴールまで残り500Mの所、エンジンは息を絶ちました。
同時に白煙を上げながら惰性で最終コーナーをクリア、
そして惰性も力尽き、残り200Mのところでストップ。
完全にエンジンブローです。
同時にリアから出火。
クランキングしながらゴールまで・・・とか
押してでもゴールまで・・・
他の車に押してもらいながらゴールまで行けるか?
色々と思いは交錯しましたが
消火器にまみれ、終了。
こんなことって在り得るのかっ!!
呆然・・・。
ピットに帰ると一緒に組んだ兄弟ドライバーもメカニックも
チームスタッフも暖かく迎えてくれました。
残り10分の状況や僕の考えていた事を説明すると汗まみれ
消火器まみれの僕を抱きしめてくれました。
「僕らはフィニッシュ出来なかった。でもこれが耐久レースだ。
僕らは全てウィナーだよ。
みんな限られた条件の中でそれぞれベストを尽くしてくれた。
本当に楽しかったし良い経験になったよ。
車は壊れても問題ない、新しい強力なマシンを用意して
来年は絶対にフィニッシュしよう。
みんなありがとう」
オーナ-でもあり一緒に組んだ兄弟ドライバーと
マネージャーはこう言った後泣いてました。
そこにいる全てのスタッフが声を上げて泣きました。
僕も・・・
日本人は僕1人、みんなアジアの人間が日本人の僕のパフォーマンスに
感動してくれて
僕の落胆振りを見て一緒に泣いてくれる。
こんな経験は初めてでした。
そして
ホテルに帰って夢の中でもまだ走っていました。
今回結果はDNFでした。
でも、かけがえの無い経験と
素晴らしい感動を共有する事が出来たのは大きな収穫でした。
長くなりましたが・・・・
応援して頂いた皆さんありがとうございました。
空港でアップをしていますが
また書きながら思い出し泣きしそうです。
だからレースって素晴らしい。
皆さん最近、感動しましたか?
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Posted at
2007/08/26 11:07:36