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イイね!
2015年02月25日

虎徹を見に行き長光を見る

今月まで京都国立博物館(以下、京博)では虎徹を展示しています。
そう、大業物で有名なあの虎徹です(フルネームと言うか、銘はもっと長い上に銘をころころ変えてるので面倒なので虎徹とだけ表記します。書体別も含めた銘の分類だけでなんと12種類!!(参考・名刀虎徹/小笠原信夫 著))が、私は以前に東博で同作の太刀を初めて見て鍛え肌の見事さに魅入られすっかり好きになってしましました。



そんなわけで昨日、京博へやって来たのだ(※実際に京博の屋外トイレですw)

晴れて気温も高いし和装です。
同行した母と帰りにお茶する事にもなってますしね・・・
やっぱ都へ上がる時は余所行きの格好をしたくなります・・・と言うか、京は和装でもあまり浮かないし居心地良いんですよね(それでも男の和装はかなり少ないですが)

まぁ、日本で日本の民族衣装が浮くというのも変な話しではあるが・・・英国でも英国の民族衣装の人はほぼいないらしいので、どの国でもそんなもんなんでしょう。
ま、どんな格好でも自分の好きなように着るのが一番です。服なんだから。


ともあれ、京博の金工ブースへ

入って一番最初に目に付くのが今回は「繁慶」の刀でした(変換が面倒w)

やはり新刀は色が明るいというか、少し軽い色ですね。
肌が立ち、中々面白い肌をしていますが、反面刃紋は単調で面白みにかけます。
身幅は元も先も広めですが、反面重ねは薄い(恐らく通常は「尋常」と表記されるんでしょうが、私レベルでは薄いです。実用するとなると頼りなく感じる)


次にその奥に「虎徹」が・・今回は独立ショーケースに入ってるのはこの新刀2つでした。

こちらは繁慶とは対照的に、地肌は積み過ぎて無地肌に近くなっていて、鋼色は新刀にしては黒いですね。
焼きだしは直ぐ刃調のたれから大きく乱れていきますが、これまた単調な刃紋で面白みに欠ける・・・と言うか、重ねは厚く、刃肉も有るが通りの良さを阻害しないよう必要量を残して落とした姿は如何にも物斬れする感じではありますが、見てて面白い刀ではないですね。

私が東博で見た虎徹の太刀とはまるで違う見た目で、同じ作者の作品とは思えないほどです。
名刀虎徹の虎徹一般評論に「虎徹の作は出来にムラが大きい」とありましたが、同書の考察の通り「ムラが大きい」のではなく、虎徹が研究・改良を常に怠らず作品の進化と可能性を模索してあれこれ試した結果、そう見えるのでしょうね。
同書を一緒に持って行ってなかったので、ハッキリと記憶していないのですが、銘から判断すると寛文4年~7年頃の作ではないかと・・・でも延宝期にも似た銘が有るんですよね(記憶力悪いので違うかも)

銘もころころ変わるが、恐らくそれ以上に作風もころころ変わるのだと思います。
ただし、コンセプトは変わらず、刃紋やその姿をよく見れば「業物になるため・・・と言うか、据物土壇払いをより有利にするため作られた」という事がよく分かります。
反りは浅いが、直刀という程ではなく、土壇払い独特の斬り方に適したように思える反り具合。
重ねは厚く、強度は高いが、同時に重ねた胴を貫くため身幅は広く、刃肉は必要最小限に。
刃紋は勘ですが、特にハバキがかり辺りをタフにして、土壇払いで負荷のかかりやすいと思われる真ん中から少し下までを衝撃に強く。
「テコテツ」と言われるハバキ元の荒れた肌は見られず、「ザングリとした肌」とはまるで違う作でした。

まるで作風の違う2つの虎徹、そして虎徹の考察論の本を読み、私が虎徹に持った印象は「土壇払い競技刀」
確かによく斬れる強い刀を目指して作ったはずですし、実際その通りの刀になってるように思えますが、戦場に出て戦うために作られた古刀とは微妙にズレがあるように感じるのです。
それはやはり「重ねた死体を何体貫けるか」という「競技」に特化してしまったからだと私は思います。
実際の戦場では一人の武装した敵を殺せれば(別に綺麗に斬る必要は無い)よく、また刀操も縛り付けられた死体を斬る据物試斬と、動く敵を斬る兵法とは種類が違うものです。

そういう意味では、現代の藁斬りに特化した冗談のようなダンビラ刀とコンセプトは似たものかもしれませんね。
ただし、虎徹のは結果的に実戦にも向いた刀であるという違いは有りますが。
競技の趣のある土壇払いですが、本来の目的は「より強い刀を求める」という所にありますので(※私は藁斬りダンビラを「日本刀」とは認めていません。あれならまだスプリング刀の方が日本刀らしいと思います)


次に、ブース入って左から見て回る事にして・・・「粟田口一竿子忠綱」の剣

こちらも新刀
一竿子の剣は珍しいですね。
粟田口と付いてはいますが、刀剣乱舞に出てくる吉光などの鎌倉期の粟田口派とは繋がりは無いです。
と言うか、粟田口の末裔だったか関係筋だったかというのも自称だったような(汗
とは言え、私が粟田口という存在を知る切欠になった刀匠ですし、実際よく斬れるし強い刀を作る人です(実際、良業物に入ってる)
刀身彫りの上手さで有名ですが、私はうちの道場の元相談役の愛刀であり、腕の良さもありますが、その切れ味と細身で軽いが(と言っても重ね約7mmは有る)強靭な造りを目の前で見てきたので、その印象の方が強いです。
私の粟田口好きに少なからず影響してますねw
新刀の刀匠では特に評価してる一人です。
剣は実戦性というよりもはや宗教色の強いものなのですが、目方一尺を超えるやや大ぶりなもので、とても丁寧に作られた作品でした。

次が、「下坂八郎左衛門」の槍(裏が見えないが恐らく三角槍)

ここまで続くと「今回は新刀特集なのか?」と思ってしまいますねw
八郎左衛門って誰よ?下坂の鍛冶なのは分かるけど・・・と説明文を見ると越前康継の兄でした。
全体的に豪壮な槍ですが、特にケラ首と茎が豪壮で茎が長い槍でしたね。
焼きは高く長さは8寸くらい?結構長いです。
今回と前回の展示のコレクションの持ち主の偉くて金持ちの医者曰く、「コレクションの中で、いざって時はコレ使うかな」と言わしめたそうです。
丁度、長さ的に私の槍と近いし、同じ三角槍ですが、こうして見ると私の槍も実戦性では中々捨てたもんじゃないですね・・・まぁ見た目はちょいと変ですがw
そしてこうして見ると、秋水氏の槍は鑑賞価値でも勝るとも劣らず、少なくとも博物館に展示されてても変じゃない見事な槍だというのが分かります。


次が「是介」の薙刀(本当は1つ飛ばし、だけど拵えだったので。立花家の贅を尽くしたものでした)

なんとも豪壮な薙刀で、迫力の有る見事な薙刀です。
名鑑には載ってないそうですが、古備前の薙刀で特徴もよく出てます。
豪快な薙刀ですが、古備前の上品さも兼ね備えたまさしく才色兼備な作ですね。
隣に鉄ハバキが有り、その重ねの厚さがよく分かります。
鉄のハバキってあまり見ない(少なくとも太刀や打刀とかでは)ですが、どうなんでしょうね?
銅より強度が高いからか、薄かったので軽く作れるんでしょうが・・・他に特徴は・・・
錆たら外すのが大変そうってのは想像つきますが・・・でも電位差腐食はしないですね。
見事さではこれが今回のセンター取っても良いと思います。
母の今回のお気に入りでもありました(弁慶っぽい豪胆な母の性格もあって似合いそうで怖いw)

隣が「近房」の太刀

こちらは福岡一文字派の作で乱れ映りが見事。
丁子刃はあまり高くなく華やかだけどド派手ではないです。
是介もそうですが、やはり備前伝は色が黒いです。
この黒い肌に華やかな丁子と映りが加わるからよく映えるんだろうなぁ
それにしても、後鳥羽上皇って・・・刀剣マニアなら一度は誰もが考えそうな事をガチで実行しちゃったんだからうらやまけしからんですw


そして隣が「大擦上げの長光」の刀(薫山 金象嵌銘)

備前伝3連ですw
と言うか、さっきから「なんでこれがセンターじゃないん?」って大物ばかりですね(汗
同じ備前伝でもこちらは長船派
刀と書いてますが、大擦上げで元は太刀です。
擦上げた錆色と鑢目からすると、擦上げられたのは割と時代が新しいんじゃないかと・・・「どこの馬鹿殿だ!擦上げたのは!」と思わず口にしてしまいましたw
いや、長光好きなんですよ・・・と言うか、備前伝好きなら誰しも一つは長光欲しいと憧れるもんだと思います。
長光は古備前的な大人しめの作風も有りますが、こちらは派手な方。
物打ち辺りで直ぐ刃調に落ち着く長光の特徴がよく表れた作品。
映りは勿論認められるのですが、刀だからと刃を上に展示すると太刀の展示形式の刃が下に比べて映りが鑑賞しにくいですね。
展示方式と言えば、槍の展示はまだ一番光当たってるのが銘ではありますが、明らかに村正の槍の時と違って見やすく直されてましたね(あの時は生殺しでしたw)

それにしても、長光はいつまで見てても飽きないです。
東博で大般若長光も見てますが、どちらも同じくらい見事!
いつかは手に入れたいぞ長光・・・まぁ流石に無理かな(汗


次が「長守」の平造り短刀

これまた備前の、そして長船の作ですが、こちらは時代が南北朝になり、伝法も相伝備前になって匂い出来から沸出来になります。
備前の短刀はあまり見たことないので良いものを見れました。
これも今回の母のお気に入り。
私について見てきたからか、母の刀剣目利きレベルがドンドン上がってきてます(汗
私と同じ感覚派でさらに私より豪胆な性格からか、お気に入りの基準は私よりずっと厳しい・・・と言うか偉そうですw
ワンコ的直感が働くのか、必ず良いもの・・・それもやたら国宝・重文を嗅ぎ付けますw


最後はちょっと変わって「信実 秀正」の太刀

合作刀です。
合作そのものは多分そんなに珍しい事でもないと思うのですが、古備前の時代で両銘刻まれたのは珍しいと思います。
って、先に古備前って書いてしまってましたが、昭和の鑑定では古千手院と見られていたそうです。
が、後に古備前の特徴が出てておかしいという事で調べ直し、改められたそうです。
いや、むしろどう見ても古備前だと私ですら思うのに、なぜそんな事になったのか・・・・
色黒く、板目肌に小丁子、おまけに明らかに映り立つ・・・おもきし特徴出てるやないですか(汗

見終わって・・・「うむ。良い備前伝特集であった!」

あれ?今回の目玉って虎徹だったよね!?(実際公式的にも虎徹が目玉)

虎徹にも鑑賞の観点からも素晴しいものが在るのですが、今回は違いましたね。
多分、虎徹を好きになるかどうかって、初めて見た虎徹がどの虎徹かで凄い分かれるんじゃないだろうか?

私が思うに、良い(実戦)刀には3種類在り

①使い倒したくなる刀(今回の虎徹がこれに当たると思う)

②使ってる内に使うのが惜しくなる刀(今私が使ってる刀がこれ)

③使うには勿体無いが、手に入れると使わずにはいられなくなる刀(今回の長光がこれ)

どれが一番優れているというわけではないですが、②と③は見ても楽しめるのですが、①は見ても良さは伝わらない、逆に言うと使って初めて価値の有る、出る刀だと私は思う。
そういう意味では、コレクションに入り、博物館に展示されて不幸な刀とも言えますね。
そこに居るかぎりはずっと輝ける日は来ないわけですから。


京博は写真は撮れないがメモは構わないので、今回メモをしてみましたが、やはりまとめるのに凄く効率が良いですね。
ブログ一覧 | 刀関係 | 日記
Posted at 2015/02/26 02:13:24

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この記事へのコメント

2015/02/26 02:36:10
長光は順慶長光が欲しいですね〜
といいつつ。本音は備前物より青江が欲しい人…(;´Д`A

kmさんのとこにもよくわからないものもありますけど。良いものもありますよね。


京博は刀剣専門じゃなさそうですよね。展示方法や照明の具合から。
金工室ですし…東博みたいに刀剣室があれば…。・゜・(ノД`)・゜・。
コメントへの返答
2015/02/26 22:36:45
初代と言われる順慶長光ときましたか(色んな説有りますが)
私は順慶でも左近でも健全な長光なら何でも良いから欲しいですw←マジでいつか手に入れたいと思ってるw

備中物も備前物とは違う良さが有りますよね。
地金は備前物によく似てるけど、直ぐ刃の物が多いのも手伝って、優美な姿は端整で一本芯が通ってる凛としたキャラですね。

私はよく分からない変な物も好きですからw
変な物は変な物で、中々良いものですw
が、実戦性の高いものを選んでいるつもりです。

同じ刀剣専門でなくても大阪歴史博物館の展示・照明は京博より頑張ってる印象を受けるのですが、やはり「金工室」なのが大きな違いなんでしょうかね。
ただ、明らかに槍の展示は良くなってきたので(幾らなんでも酷かったからクレーム来た?)やる気はあるようです。

京博は展示物は良い物を出してくるので見せ方にもっと努力するよう期待したいですよね。
2015/02/27 03:08:38
あ、そうそう。

古いもののハバキは鉄ハバキだったと聞いています。
鍔も刀匠鐔で鉄製で、甲冑師が作ったものもあるようですが、古いので銘も無く多くのものは「伝」ですね…(;´Д`A

山金が使われ始めたのは平安末期〜鎌倉頃じゃないかと思います。
象嵌などで装飾がされるようになるのは室町時代も中頃のようです。
それまでは「大根図」とか「おださ鐔」の様な鐔だったみたいですね。あれも好きですけれど。
車透かしや菊透かし。覆輪などは古くからあった様です。

儀仗用の衛府太刀は今でも同様式の物が使われていますね。中は真剣では無いはずですが。いや多分室町時代〜江戸時代には真剣では無くなっていたはずですが。

こう考えると毛抜型太刀の大半は鉄ハバキだったということですね☆
一度だけ実物を手にとって見せて戴いた事がありますが、共柄なので鐔とハバキは刃先側から装着するという仕様なのですよ。地金の感じからすると大和物臭かったですね。

コメントへの返答
2015/02/27 23:12:30
なるほど、時代の差でしたか。
ハバキの情報って少ないので良い事を知りました。

元は鍔と同様、刀鍛冶や甲冑師が製作して、徐々に分業化されていったんでしょうね。

刀匠鍔なんかは様式みたいになって、刀匠作でなくてもそう呼ばれるようになりましたね。
シンプルな鉄鍔の魅力はなんと言ってもその鍛えられた鉄の質そのものですね。

実用上では、同形の銅鍔と比較して軽くなる上に強度も出るので結果的に銅より薄い物も多く軽量に仕上がる事が特徴ですね。

私はお洒落な象嵌鍔が好きですが、実用では鉄透かし→真鍮象嵌の丸鉄鍔と重量を気にしていずれも鉄鍔にしてますから。

毛抜き型太刀を実際に手に取る機会が有ったとは・・・貴重な経験をしましたね!
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