◼️金かけずに腕磨こうぜ
ここ最近、クロカンを初めてやってみたとかまだ一年未満です、という方とオフで一緒になる機会が多い。
以前はどちらかと言うと、クロカン初心者ではとてもじゃないが入りこめないポイントで遊ぶことが多かったけど、最近はあまりそういうところは行かず、スポランに入り浸ることが多いからだと思う。
理由としては、今やってる仕事が基本休みが一日しか取れないこと、遠征が厳しいw 、走って車を壊したくないってのがあるからなのだが、割りと平易な地形で遊ぶのは個人的には結構好きなので今はこのベースでちょうどいいのかなと思っています。
初心者というと、うちの長男にここ一年あまりガッツリとクロカンを教えていて、まあ山で僕がいなくても困らない程度には上達してきたわけなのだが、クロカンの初心者にクロカンのイロハを教えるのはやっぱり難しいね、と改めて痛感。
これはモータースポーツ全般に言えることだが、かなり高額な工業製品を使って遊ぶわけなので、「基本」を外すとあっという間に大きな修理費と戦うようになってしまう。
クロカンなんて極めようとするなら改造費と走り込みで使う燃料代、修理費との戦いみたいなものなのだが、バブリーな頃ならいざ知らず、クロカン専用機に高額な維持費を湯水のように注ぎ込める人は極めて限られているし、そうでないと遊べない遊びなら廃れる一方だろう。
ふだん自分がやってる反復練習などはアイドリング前後しかエンジンは回さないし、駆動系や操舵系の負担を抑える目的でしていたり、多少傾いたり横滑りした程度ではパニクらないようにするメニューがほとんどなので、そういう意味で懐には随分優しいことしてるよなぁと思う。
自分の場合はランクル60のほぼノーマルに近いものからクロカンを始めたわけだが、結構すぐコースにも突っ込んでいってたし、痛い目をみながら少しずつ腕を磨いていったわけだが、
これはこれで楽しかったし、その当時はそれがベストだと思っていたわけだが、いまの僕が走り始めて間もない当時の僕の側にいたなら、「おいおい、コースとかに入る前に最低限の練習くらいしとけよ(汗)」と思うことだろう。
ここでは、僕が日頃 スポランの広場みたいに全く険しくない地形を使って反復練習しているメニューをまとめてみようと思います。
おそらくは初心者の方もそうでない方も、基礎を固めたり、コースを走る前のウォーミングアップなどにも使えると思います。
❶浅い窪みを利用して反動をつける練習
これはスポランの広場入ってすぐにある浅い窪み(溝)だが溝の深さはこの程度で十分OK。
その溝に前輪でも後輪でもいいですが二輪を同時に落とします。
次にギアを適当なところに入れ、ほんの少しだけクラッチを繋げクルマを動かし始めます。
いきなりガッツリ繋いではいけません、一瞬 かるーく半クラで動力をタイヤに伝えるだけです。
するとクルマは斜面を登ろうとしますが、すぐにクラッチが切れてしまうので登れず元の位置に戻ろうとします。
ですがタイヤは窪みの中にあるので元の位置を通り過ぎ、反対の斜面にぶつかりまた元の位置に戻ろうとします。
つまり前後にユラユラ動くわけですが、一度やるだけだとすぐ動きは止まってしまいます。
ですが揺れている最中に上手くタイミングを合わせてまた軽く一瞬だけ半クラで動力を繋いでやると、ほんの少しだけ反復が大きくなります。
この操作を続けることで、少しずつ反復が大きくなり、最後には窪みからポンと脱出します。
これは、スノーアタックやちょっとした岩場などを走る際に非常によく使う「反動(荷重移動)を使った走り」の練習ですね。
スノーアタックでは、残雪などの硬くなった状態でよく使います。
タイヤで雪を踏むと自重でボコっと雪にタイヤが半分くらい沈みますが、その窪みの中で軽く半クラを使うことでクルマを前後に揺らし始めます。
少しずつ窪みは前後に大きくなるので、またその反動を利用して勢いを付けてポンと前進するわけです。
岩場などでは、岩にタイヤを乗せる際などに僕は多用しますね。
スーパーローギアなクルマや、低速トルクが鬼みたいなクルマでは基本、1速に入れっぱなしでひたすら前進し続ければクルマが勝手に岩や障害物を乗り越えて行ってくれるので不要な技ですし、
トライアルなどのバックすると減点される競技に合わせた走りの人は苦手でしょうね。
…こんな技使うとあっと言う間に減点10喰らいますから(笑
またAT車も半クラの調節が無理なんで使えません。
ですが、これは僕が乗ってる比較的脚が早くトルクの細いPZJ70や、ノーマルギアのジムニーなどでは必須テクニックですね。
慣れないうちは、タイミングを間違って繋いでしまって逆に動きを止めてしまったり、なかなか反動が大きくならなかったりしますが、慣れてくるとほんのわずかな駆動力で反動を大きくさせていけれるようになれます。
モーグルやヒルクライムなどでも応用して地形を利用して加速させたり出来ます。
ぜひ練習してみて下さい。
余談だが、この練習を続けでいるとちょうど揺りかごに乗って揺らされている感じなので非常に気持ちよくなれる。
幼い子供を乗せていたらあっと言う間に寝てくれるだろう(笑
❷溝で脚を浮かせ最小の操作で脱出する練習
これは同じくスポランの広場の端の方にあるちょっとした溝だが、上手くもっていくと対角線にタイヤが浮くような地形を探します。
クルマにはそれぞれ「絶対通過出来るライン」と、「絶対通過出来ないライン」がありますよね。
そして、その間に「少し技を使ったりライン補正をすると通過出来るライン、もしくはポイント」があります。
今回使うのは、この第三のラインですね。
対角線にタイヤが浮いて前進しなくなる所にクルマを移動させます。
仮に運転席から見て、右前タイヤが空転しているとしましょうか。
その場合はリバースに入れて、ハンドルを左に切ってバックするとクルマはバックします。
ハンドルを右に切ったままだと動かないときがありますね。
次にハンドルを右に切りつつ前進すると…、前進出来るようになる場合があります。
つまり、前後にクルマを動かすことでクルマを右に動かしたわけです。
逆に右前タイヤが止まっていて、左前タイヤが空転している場合はハンドルを右に切ってバックするとクルマは動きます。
次に前進する時は左に切りつつ前進するとクルマは前進出来るようになる場合があります。
初心者の方が前進不能になるとパニックになってしまって無茶な操作をしてしまい逆に派手にハマりこんでしまう場合がありますが、浮いて空転しているタイヤの方向にクルマを横に移動させればいいと覚えておけばOKですね。
最初のうちはなかなか適当なポイントが見つからないかもしれませんが、慣れてくると動かなくなったポイントから数センチ車を横に動かしたり、ブレーキチョーキング、荷重移動の技などを使うことで前進が可能になるポイント付近にクルマを素早くもっていけるようになります。
そのポイントが見つかったら、何度もグルグル周りながら、何度も「わざとハメて脱出」を繰り返してやります。
慣れてきたら、なるべく少ない操作でライン補正するように心掛けるとか、据え切りは使わない、半クラも極力使わない、というように無駄を省き、負担を軽減した走りに変えていきます。
この練習のコツは、自分の車が前進不能になった地形を、クルマから降りて自分自身で触って土質やタイヤが浮く高低差を何度も頭に叩き込むことですね。
これをしっかりしておけば、初めて見る地形でも自分のクルマが通せるラインやポイントが見えて来るんじゃないかなと思います。
まだまだ基礎練習法は沢山ありますが、まずこの二つは最重要です。